【OLたちの暗黙のルール】 就業規則には載ってないけど、知らないとヤバい!?

人間関係

更新日:2014/9/1

 4月から新生活を始めた人たちにとっては、そろそろ生活の基盤ができてきたころ。しかし、新社会人になった人にとっては、これから「5月病」シーズンに突入し、業務や人間関係にわずらわしさを感じる時期になってくるだろう。社会人になって初めて気づくのは、会社や仕事には表立ってのルールやマナーのほかに、円滑な人間関係を築くための不文律のルールがあるということ。これを失敗すると、5月病とは比べ物にならない手痛い目に遭うので、ぜひとも学んでおきたいもの。

 そこで今回は、アラサーOLのなさそうでありそうな日常を描き、その不条理なストーリーとブラックユーモアで話題沸騰のマンガ『独身OLのすべて』(まずりん/講談社)を参考に、“勤め人”としてのマナーを勉強してみたい。

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 新人として一番困る場は、会社の飲み会。いくつかの“島”ができあがっていると、どこに入るべきか迷ってしまう。主人公のひとり・ノブ子は新人に向かって、「あのグループは会社と上司への悪態しかつかない集団…一見仕事に対し情熱的に見えるけど 会議では一切意見を言わないのよあいつら…まあ遠吠えよ」「真ん中のはいわゆるリア充集団ね…すべての飲み会をプチ合コンもしくは素人キャバクラだとカン違いしているアホどもよ…」「端っこのはどんな飲み会でも常に自分たちの趣味の話しかしない奴らよ…選民意識が強く協調性がない」と解説しながら一刀両断。そんなノブ子の“オススメ”は「泣く子も黙るドシモネタグループ」。ただしそこに参加するのもルールが……。「ちなみにウチは“自分でじゃシモネタ言わないけど笑ってられる シモネタに寛容な私”アピールはご法度だから」とピシャリ。どのグループに入ろうとも無傷ではいられないのが会社人の宿命だと言えよう。手負いを覚悟し、その状況を楽しむことが“年季の入った社員”になる第一歩なのだ。

 ほっと一息つくはずのランチタイムでも、いらぬ一言は慎みたい。「アタシどんだけ食べても太ららないんだー」と大きな声で話せば、妙齢の先輩方には「出たー“よく食うけどスタイルのいい私”」「ああやって周りのOLからうらやましがられるのがスキなのよね~」とその魂胆を裏読みされることも。心の中で思われているならまだしも、「えースゴーイ…さぞかしうんこを大量に出すのでしょうね…」と爆弾のようなひとことを投げ込まれ、みんなの前で息の根を止められかねない。「たくさん食べる私」以外にも、自虐にみせかけた自慢の手は、世間の荒波に揉まれまくった先輩OLには簡単に見破られる、ということを肝に銘じておこう。

 とはいいつつ、すべてのことに気を遣っていたら精神的に疲れてしまう。業務はこなしつつ、力を抜くところは抜く―これが勤め人の基本だ。例えば、退職者などの「寄せ書き」。回ってくるのがラストだと、ひとことだけでは埋めきれないスペースを持て余してしまう。そんな場面でノブ子は、「アラ似顔絵ならアタシ得意よ」と空いているスペースに、なんの脈絡もなくフレディ・マーキュリーの絵を描いたのだった! あまりに適当すぎる対応だが、お別れのあいさつを長文でしたためたとしても白々しくなるだけ。なんならフレディ・マーキュリーの方が笑いも取れる。正攻法だけが正解ではなく、奥の手が功を奏することもあるのだ。

 社会人になれば、努力と結果が伴わないことも、好きでもない人と関わらなければいけないこともしばしば。それでも経済的事情のために、多くの人は働き続けなければいけない。そんなときに、自分を誤魔化し、腐らない程度にやる気をキープできるか。『独身OLのすべて』のブラックユーモアの中には、社会という荒波を乗りこなす術が隠されているのだ。