季節や文化を感じられる日本酒と一緒に楽しむ本ランキング

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/21

多くの蔵元が地域と密着し存在する「日本酒」。昨今では、日本に限らず海外でも注目されつつある。そこで今回は、フリーアナウンサーとして活躍しつつ、きき酒師として日本酒の魅力をメディアやイベントを通じて発信しているあおい有紀さんに、“日本酒を飲みながら楽しめる本”を10冊ランキング形式で紹介してもらった。

■1位『極上の酒を生む土と人 大地を醸す』 山同敦子 講談社+α文庫 933円(税別)
酒と食に詳しいジャーナリスト・山同敦子が、原料作りにまでこだわる蔵元たちの仕事ぶりを徹底取材。日本の食や、農業の未来についても考えさせられるノンフィクション作。

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■2位『きょうの猫村さん』(1~7巻) ほしよりこ マガジンハウス 1143~1200円(税別)
得意料理は「ネコムライス」。猫だけど家政婦としての能力は完璧。そんな、猫村さんが主人公の人気マンガ。猫村さんの、ちょっぴりおせっかいだけど頑張り屋な様子に癒される。

■3位『喋々喃々(ちょうちょうなんなん)』 小川 糸 ポプラ文庫 660円(税別)
東京・谷中でアンティークきもの店を営む主人公の、恋や葛藤が描かれる。料理の描写が多く、ランキングの選者・あおいさんは「料理とお酒の相性を大事にする人向け」という。

■4位『新編 銀河鉄道の夜』 宮沢賢治 新潮文庫 430円(税別)
孤独な少年・ジョバンニが、親友のカムパネルラとともに銀河鉄道に乗って夜空の旅へ。切なく幻想的な雰囲気で「お酒を飲みながら読むと想像力がより膨らむ」とあおいさん。

■5位『舟を編む』 三浦しをん 光文社 1500円(税別)
新しい辞書『大渡海』を編纂する辞書編集部を舞台に、登場人物たちが“言葉”という絆で繋がっていく。酒を片手に広大な言葉の世界へ思いをはせたい。

■6位『雷桜(らいおう)』 宇江佐真理 角川文庫 552円(税別)
ある理由で生後すぐにさらわれた庄屋の娘が、15年を経て、身分違いの恋に落ち……という時代小説。あおいさんは「時代小説と日本酒の組み合わせは粋」と語る。

■7位『コッコロから』 佐野洋子 講談社文庫 552円(税別)
彼氏いない歴21年の主人公の初めての“心から(コッコロから)の恋”を通じて、人を好きになることの本質が見える。夜とお酒と恋愛話は鉄板の相性のよさ。

■8位『新装版 随筆 衣食住』 志賀直哉 三月書房 2000円(税別)
岩波書店刊の『志賀直哉全集』に収められた“衣食住”に関する随筆を28本、短編を5本収載した一冊。作者が生きた時代の感覚や、日本文化の奥深さなどを学ぶことができる。

■9位『飲んべえの品格 酒にまつわる名言集』 いとうやまね/編 出版芸術社 1000円(税別)
古今東西のお酒にまつわる名句やことわざを集めた名言集。お酒の素晴らしさがわかるセリフや、飲む際の言い訳に使えるフレーズも紹介され、読むと飲んだ気分になれると評判。

■10位『昭和元禄落語心中』(1~5巻) 雲田はるこ 講談社ITAN C 562~581円(税別)
獄中で落語の魅力に取りつかれた主人公が、出所後に名人への弟子入りを志願。師弟関係、落語界のしきたり、登場人物たちの艶っぽさなどが味わい深く、女性に人気の落語マンガ。

取材・文(ランキング部分)=澤井 一/ダ・ヴィンチ5月号 「その道のプロに聞く! ダ・ヴィンチなんでもランキング」