語呂合わせ編集者ハマザキカクが笑った「ダジャレ書名」ベスト5
公開日:2014/6/13
『ニセドイツ』『ニセチャイナ』や『超高層ビビル』『共産主婦』など一ひねりあるダジャレ書名を編み出す事で知られる編集者ハマザキカク。そんな語呂合わせの達人である同氏に最も笑ってしまったダジャレの書名の本を選んで貰った。
尚、同氏がダジャレの書名に拘るのは、ウケ狙いだけでなくSEO対策やエゴサーチの面でも造語にした方が検索に引っかかり易いからとの事だ。
ハマザキカク(@hamazakikaku)
社会評論社のブサカル変集者。珍書プロデューサー。チュニジア、フィリピン、イギリス、日本育ち。文系オタク路線、変な物のコレクション、そして珍書の3つの柱を軸に、常時30企画を進めている。手掛けた主な作品は『いんちきおもちゃ大図鑑』『超高層ビビル』『世界飛び地大全』『共産趣味インターナショナル』シリーズ等。
- 1位
- そのまんまに見えて奥が深い!
- 著者名:三尾 章子
- 発売元 : 書肆侃侃房
- 価格:1,296円
書名を見て思わず嫉妬した本。「タスマニア」や「ゲルマニア」等でも応用可能だ。『ルーマニア』の「ルー」の部分に下線を引くという高等戦術でも成り立つかとも思ったが、その場合、「ルー大柴マニア」とか「カレーのルーマニア」と勘違いされる恐れもあるので、やはり『ルーマニアマニア』が無難か。ついでに述べると『アニマルマニア』という回文の書名の本もあるのだが、複数冊出ているので選書から漏れた。(ハマザキ)
- 2位
- 「共和国」は汎用性高し!
- 著者名:田中 淳
- 発売元 : 講談社
- 価格:1,200円
漢字の語呂合わせという難易度の高いものであるにも関わらず、発音は元の言葉と全く同じという素晴らしさ。強いて言うなら中国は毎日大変そうなので「今日も酷」としたい所。また「朝鮮民主主義人民今日は酷」など「共和国」であれば他でも成り立ってしまうのもマイナスポイント。『中華人民今日はコック』という中国の一般人が造る食事のレシピ集も造れそうだ。性文化については『中国セックス文化大革命』が刊行されている。(ハマザキ)
- 3位
- 風味堂のベストアルバムとも違います。
- 著者名:梅田カズヒコ
- 発売元 : 戎光祥出版
- 価格:1,337円
エレベーターマニアによる本。ちょうど『超高層ビビル』を刊行した時と同時に刊行された。この本の難点は余りにも自然なダジャレの為、Amazonで検索しても勝手に山の「エベレスト」に置き換えられてしまう事。「○○をする人」の事を「ナントカ+ニスト」と言うが、もう一つの言い方である「○○+ター」でも良かったのではないだろうか? しかしそうすると『エレベーター』、あるいは『エレベーターター』になってしまうが。(ハマザキ)
- 4位
- 星なし議員から三ツ星議員まで
- 著者名:ミンシュランリタイヤ(シンクタンク)
- 発売元 : 第三書館
- 価格:648円
2009年に自民党から民主党に政権が変わる直前のタイミングで刊行された本。この時、一般国民には民主党所属議員に馴染みがなく、とても有意義な企画だった。語呂合わせだけでなく『ミシュラン』のパロディ風の造りも秀逸。その後、自民党が巻き返してくると『ジミンシュラン』という続編が出たが、こちらは『自民シュラン』でも良かったかもしれない。尚言うまでもなく『ミシュラン』のダジャレ本には他にも『庶ミンシュラン』『恨ミシュラン』等多数出ている。(ハマザキ)
- 5位
- STAP騒動に終止符を打つ一冊!?
- 著者名:きむら 秀一
- 発売元 : 暗黒通信団
- 価格:432円
『月刊円周率』などで知られる暗黒通信団の新刊。「STOP」を「STAP細胞」に掛けているのはもちろん、その本来の意味である「止めろ」にも意味を持たせ、「論文捏造」を否定する事にも成功した二重のシャレが秀逸だ。ソフトバンクのサイエンス・アイ新書のパロディ風カバーにしたのも芸達者。尚、暗黒通信団は『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』のパロディ『童貞が教える本当に気持ちのいいセックス』でも知られており、そのセンスの良さにはいつも敬服している。(ハマザキ)
今回の駄洒落書名本では5冊しか選書できなかったが、他にも国名駄洒落本では『スットコランド日記』や『ブラジ流』、雑誌の駄洒落書名『写GIRL』や『サラBLOOD!』など沢山あり、面白い物を全て紹介は出来なかった。
別の機会に改めてダジャレ本を紹介したいとの事だ。
文=ハマザキカ?