「遠藤ゆりか」声優インタビュー&撮り下ろしグラビア【声優図鑑】

アニメ

更新日:2015/7/10

遠藤ゆりか

これからの活躍が期待される声優に、声優を目指したきっかけや、初めてのお仕事、そしてプライベートなことまで、気になるあれこれについてインタビューを行い、さらに撮り下ろしのミニグラビアも交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

第14回となる今回は、TVアニメ『Z/X IGNITION』御影藍那役、ゲーム『魔都虹色幽撃隊』曳目てい役などを演じながら、アニソンアーティストとしても活躍している遠藤ゆりかさんです。

――昨年2013年の春、ユニットとしてデビューされたのですね。

遠藤:はい。「第2回ぽにきゃん 声たまグランプリオーディション」をきっかけに、第1回でグランプリだった高橋花林ちゃんと「YURI*KARI」というユニットでデビューしました。

――ユニット結成までにどんな経緯が?

遠藤:オーディションのとき、会議室のようなところに呼んでいただいて、そこに花林ちゃんが座っていたんですが、「あなたがグランプリですので、2人でユニットとして歌ってもらいます」とお伺いしまして。もともとグランプリの人は『断裁分離のクライムエッジ』のエンディング曲でデビューすることになっていたんです。でも、実感はなかったですね。ジャケット撮影も歌の収録も初めてで、花林ちゃんも同じように初めてで、同い年だし、助かりました。緊張もプレッシャーも半分コ、楽しいことは一緒に味わって。2人で活動できるのは嬉しかったです。

――その後、声優活動をスタートして、今年1月から放送された『Z/X IGNITION』では初のメインキャラクターを。御影藍那ちゃんはどんなキャラクターでしたか?

遠藤:私と年頃も近い高校生で、等身大の魅力があるすごく純粋な女の子です。『ゼクス』はバトルものですが、藍那ちゃんは戦いには加わらないヒロインです。ごく普通の女の子だったんですけども、面白いのは物語の軸に直接関わってくるキャラだったことです。昔からモンスターたちに憎しみを抱いていて、自分は強い人間じゃないから、そのことは心の片隅において生きていたんですけど、ある強い女の子に出会うことで仕舞っていた弱い部分が出てきて…。かと思えば、主人公のひとりである飛鳥のことが好きで、盗撮した写真をスマホで拡大して見てるような積極的なところも(笑)。物語のなかでは、人の感情をダイレクトに伝えてくれる役割だったと思います。

――初めてのメインキャラは、大変なこともありましたか?

遠藤:藍那ちゃんは叫ぶセリフが多くて、それが本当に難しく感じました。怖くてたまらなくて叫びだすんですけど、日常生活でキャーって言うことはあまりないので(笑)。メイン回では、先輩方が集っているなかでひとりでマイク前に立つのは…。すてきな経験になりましたが、心のなかでは“藍那ちゃん頑張ろうね”って思いながら(笑)、頑張りました。

――では『桜Trick』の坂井理奈ちゃんはどんな女の子でしたか?

遠藤:生徒会の副会長で、真面目なしっかりものです。女の子同士ですけど生徒会長の美月ちゃんに恋心を抱いていて、美月ちゃんの前だとオロオロするんです。そういう女の子らしいところが可愛らしくて。私のなかでは、ニコニコしながら亭主関白の旦那さんにそっとついていく嫁さんみたいなイメージでした(笑)。でも、いつもニコニコしている反面、心の奥が見えない部分もあり…。これは美月役の藤田 咲さんとお話したときに言われたことで、“は~、確かに”って思いました。だから、掘り下げたら面白いキャラクターかもしれません。アニメでは出番が少なかったんですけど、原作では大学生として出てきているので。

――スピンオフとか!

遠藤:見たいですね(笑)!


――4月に発売されたゲーム『魔都紅色幽撃隊』についても聞かせてください。どんなキャラクターを演じましたか?

遠藤:曳目ていという巫女さんを演じさせていただきました。完全に巫女萌えですね(笑)。しかも眼鏡っこで、スタイルも抜群という。誰にでも優しくて、戦闘のときはきりっとして。ゲームなのでボイスは多くないんですけど、技名を言ってみる試みがあったりして、アニメーションらしい“非現実世界”のキャラクターを演じた感じがありました。

――エンディングテーマ「黄昏ジュヴナイル」は6月4日にサントラCDとしてリリースされますが、どんな曲に仕上がりましたか?

遠藤:今年2月リリースのデビューシングルで歌わせていただいた「モノクロームオーバードライブ」は作品に寄せてキャラクターらしく歌声を作り込みましたが、「黄昏ジュヴナイル」は今まで培ってきた声色や歌い方を使ってどう作品に寄せていくかという挑戦をさせていただきました。素に近い歌声なので、2曲のギャップを楽しんでいただきたいですね。歌詞は、今井秋芳監督が自ら書かれているので作品にピッタリ合う世界観ですし、ハーモニカが夕暮れの哀愁漂う感じを演出していただいてます。そういった作品の世界観を表現した部分を見つけて楽しんでいただくこともできますし、ゲームをプレイしてくださった方は、自分の好きなシーンを思い浮かべながら聞いてほしいですね。

――ところで、もともとアニメ好きで知られる遠藤さんですが、アニメを見はじめたきっかけは?

遠藤:小さいころから本や絵本を読むのが好きで。特に絵本は、アニメーションのようなイメージで読んでいたんだと思います。幼稚園のときは『おジャ魔女どれみ』や『クレヨン王国』を見ていた世代でした。再放送ですが『カードキャプターさくら』を見たのもこの頃ですね。小学校に入ってからは漫画が好きになりまして。架空の世界で、自分たちの考えられないところで戦っていたりとか、いろんな能力や魔法を使ったりとか、そういう非日常の世界観に憧れたんだと思います。いろんな作品を読みましたね。

――アーティストとしては、高校でバンドをやっていた経験が生かされているのでしょうね。

遠藤;高校時代は自分のなかでも純粋に楽しい時期で、たぶん人生のなかでいちばん得たものが多い時期なんじゃないかなあと思いますね。

――得たものは今、どんな形で生かされていますか?

遠藤:私、昔からあんまり人と話すのとか、仲良くなるのが得意でなくって。バンドをやっていたし、今は人前に出させていただくお仕事ですから「嘘だろ!」って言われるかもしれないんですけど。小学生、中学生のときはうまくいかないことがたくさんあったので、人と仲良くなるのが苦手だったんですね。学校では話すけど遊びに誘うようなことができなくて、家でアニメとゲームと漫画ばかりでした。でも、その時期があったからこそ今があると思っています。高校では、生涯つきあっていけるお友達もできたし、ゲームでいう◯◯ルート、じゃないですけど、高校時代は人生の分岐点だったんですよ。

――生涯つきあっていける友達、いいですね!

遠藤:アニソンに興味を持ち始めたことも、周りにアニメ好きな友達が集まったからだと思います。バンドは幾つかやっていましたが、そのひとつがアニソンのコピーをやろうという主旨で集まったバンドで。その子たちとアニメの話をしたり、あのシーン良かったね、あの曲良かったよねって話し合うのが純粋に楽しくて、アニメに対する興味も大きくなったんじゃないかと思います。あの時期がなかったら、今こうしてインタビューしてもらうようなこともなかったんじゃないかと思いますね。
 

――しみじみ…いいお話です。ちなみに、アニメにハマった学生時代、好きなキャラの能力を真似たりとか、中2病が発症したことは…?

遠藤:『鋼の錬金術師』が大好きで、本当に錬金術が使いたくて羨ましいなと思ってたら、夢で錬金術が使えるようになりましたね(笑)。

――おおっ!

遠藤:私、音楽が好きだから、自分流の物語のイメージにあうテーマソングみたいな曲もあって(笑)、その曲を流したまま寝ると、夢のなかで錬金術を使っている夢が見れる、みたいなことが本当にあったんですよ(笑)! ほかにもオープニングやエンディングを聴くのが好きで。ポルノグラフィティさんが歌っていた「メリッサ」を聴くと夢のなかでエドに会える! とか(笑)。 あと、ほんとにこれは自分の勝手な都合なんですけど、そのときエミネムをよく聞いていて、「Mockingbird」っていうすごく暗い曲なんですけど、エド兄弟とお父さんの関係と共通点があって。

――歌詞がですか?

遠藤:はい。音楽を聴くときはいっつも歌詞を見ながら聞くんですよ。本を読むのと同じような興味だったと思うんですけれども。その曲を聞きながら勝手に「はがれん」の夢を見ようって思ったんだと思います(笑)。…懐かしい話! でも、いまだにありますね、今日はカッコよく戦う夢みたいなあと思いながら音楽聴いたまま寝てます(笑)。は、恥ずかしい……(笑)。

――アニメや漫画で好みのキャラはいますか?

遠藤:中性的で美少年風のキャラクターが大好きです! 髪はサラサラで白髪か銀髪か、でも黒髪も捨てがたい…。でもやっぱり白髪がいいかな。そして、肩くらいの髪が望ましい。その条件が揃っていたらだいたい好きになっちゃいます(笑)。性格はいろんなタイプがいますね。大人っぽいキャラクターも魅力的ですけど、可愛い系が好き。『カードキャプターさくら』の雪兎さんみたいにずっと優しいキャラもいいし、逆に、意地悪なキャラクターも好きなんですよ。

――グッズを買うことも?

遠藤:学生のころは買ってました! 今は置く場所がないので少なくなりましたけど。一番くじをやったり、アニメイトに通ってました。アキバとか、池袋とか。学校帰りは渋谷のアニメイトに行ったりしましたね。
 

――今日の撮影は明るめのファッションが印象的でしたが、自分でセレクトを?

遠藤:せっかく写真を撮っていただくので春っぽい格好をしてきました。今日は違いますが、普段はワンピースが好きです。“ラクかわいい”から(笑)。声優として出させていただくときはかわいい感じで、アーティストとしてはカッコいいロックな曲が好きなので、黒っぽい服とか、カッコいいテイストのものが多いです。自分のなかで、声優とアーティストはいい具合にリンクすることもたくさんあるんですけれど、服装は区切りをつけていたりします。

――休みの日は、何をしていますか?

遠藤:家から出ないです(笑)! ゲームをしています。相変わらずネットゲームが多いのですが、今はちょうど『魔都紅幽撃隊』のプレイ真っ最中でして。

――寝る前に「黄昏ジュヴナイル」を聴いたら…いい夢が見れそうですね!

遠藤:幽撃隊の一員となって戦う夢を見てほしいですね! ぜひ(笑)。

――夢にゴーストが出てきても怖くないですか?

遠藤:このゲームに出てくるゴーストはそんなに怖い幽霊じゃなくて、モンスターに近い描かれ方なんですよ。アドベンチャーとしても遊んでいただけるので、幽霊だと怖がらずにプレイしてほしいです!

――ほかに、最近おすすめのゲームはありますか?

遠藤:昔から大ファンの『逆転裁判』の1~3までがセットになったものが最近発売されまして、ぜひやってみてほしいです。私はそれぞれ6周くらいやっていました! 逆転裁判って、裁判中のパートで証拠品をつきつけて矛盾を探すんですよ。それで「待った!」で揺さぶりをかけて相手からボロを引き出したりするんですけれど、関係ないところで「待った!」をかけると、クスッてなるような小ネタが出てくるんです。1回目はストーリーを進めたいので真剣に攻めるんですけど、2周目では小ネタを探します。定番なのは、“はしごネタ”ですね。大好きな『STEINS;GATE』もそうですが、何回も繰り返してプレイするのが好きです。でも、いろんなゲームがやりたいので、どうしても時間が(笑)。

――いろいろ同時に進めても、最後までプレイを?

遠藤:ちゃんと最後までプレイしますね。ただ、RPG系は最後までたどりつくことが苦手かな。アドベンチャーのように早くストーリーを見たいほうなので。RPGだと、レベル上げの戦いがだんだん作業になってきちゃうんです。
 

――では、これからどんな声優・アーティストになっていきたいのか教えてください。

遠藤:声優さんのお仕事はまだ始めたばかりですが、いずれは原作ファンの方に「この役は遠藤ゆりかちゃんだよね」って言ってもらえるようになりたいです。まだまだ勉強中ですけど、自分の個性を見つけて伸ばしていけるように頑張りたいです! 声優としては今は可愛い役が多いのですが、アーティストとしてはカッコいい音楽が好きなので、「意外とカッコよくもいけるじゃん」と言われるように修行したいです。坂本真綾さんに憧れているのですが、音楽活動と声優のギャップを感じながら楽しんでもらえる、エンターテイメントを発信していけるような存在になれたらと思っています。みなさん、よろしくお願いします!

――ありがとうございました!


次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

遠藤ゆりか

・遠藤ゆりか OFFICIAL WEBSITE
http://yurika-endo.com/

・遠藤ゆりか ポニーキャニオンアーティスツ
http://www.pc-artists.co.jp/voice_actor/endo/

・遠藤ゆりか(endo_yurika) on Twitter
https://twitter.com/endo_yurika

(取材・文=麻布たぬ、撮影=山本哲也、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト」)