もしも500円しかなかったら 本とカレーどちらを買いますか?

食・料理

公開日:2014/6/13

 右手には本屋さん、左手からは香ばしいカレーの香り。そして財布には500円玉が一枚だけ。さて、あなたならどっちを選びますか? 本とコミックの情報誌『ダ・ヴィンチ』7月号の巻頭特集「禁断の最終決戦!本VS.カレー」特集。同特集内で実施された、カレー&本好きにとって究極のアンケート。注目の結果から見えてきたのは、カレーという食べ物だけがもつ不思議な中毒性だった!

 神保町の古書店街には、カレー店が多いという。カレーなら本を読みながら食べられる、というのがその理由らしい。カレーと本の組み合わせは、日本人にとってお花見と団子、花火とスイカにも劣らない相性抜群のコンビネーション。

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 では、仮にどちらかしか選ぶことができないとしたら?

 この究極のアンケートに対して「断然カレー!」と答えた人は全体の約半数。「カレーは世界一好きな食べ物。毎日でも食べたい」「人生でカレー屋さんをスルーするのはムリです」といった根っからのカレー愛好家たちに加え、「スパイスの匂いを嗅いだら食べずにはいられない」「カレーのことを思い浮かべたら、頭の中がずっとカレーです」などの意見もあった。食べる予定がなくても、ついつい食べたくなってしまうのがカレーの怖いところ。カレー特有のスパイスの匂いは、人間の意思をねじ曲げるほどの力がある?

 一方、本を買うと答えた人たちには「本のほうが長く楽しめるから」「本はずっと手元に残るから」といった堅実派が多い印象だった。「カレーは自宅で作るもの」「外ではカレーを食べない」などのように、カレー=家庭料理というイメージを持っている人たちも少なからずいたようだ。「本を読みながらカレーの味を空想する」「カレーの出てくるマンガを読んで、食欲も満足させる」など、想像力で空腹感に打ち克たんとする意見はいかにも活字マニア揃いの『ダ・ヴィンチ』読者らしい。

 アンケートの結果を見ていて気がついたのは、カレーという食べ物のもつ不思議な吸引力だ。「他のメニューなら我慢できるけど、カレーは我慢できない」と答えた人が思いのほか多かったのだ。こうなるとカレーは単に、食欲を満たすためだけの代物ではない。本好きにとって、好きな本を買うことは何物にも代えられない楽しみ。それを我慢してまで食べたくなってしまうカレーには、どうやら日本人を虜にしてやまない魔法がかけられているようだ。

 読者からの熱いコメントは下記に一部抜粋する。

【断然本! 派コメント】
●本は何度でも味わうことができるから。ゆっくり読んでも、冷めないから。(ベゴ・女性・28)
●カレーは一瞬、本は一生。(K・女性・40)
●物語で空腹を誤魔化せると思うから(夢中で)。最終手段は、ヤギのごとくページを食う。(クルーソー・男性・20)

【いやいやカレーでしょ! 派コメント】
●カレーは裏切らない。日本中どこで食べても外れがなくて美味しい。子供からお年寄りまでみんな大好き。これってものすごいことなのでは?(hanaちゃん・女性・35)
●カレーも本も同時に楽しみたい!が本音だが、どちらか一択というならカレー。一度読んだことのある本でも、脇にカレーがあれば絶対面白さが増すような気がする。お気に入りのミステリーとカレーなんて最高の組み合わせですね。(大阪秀吉・男性・29)
●カレーの匂いには人間の意思をねじ曲げる、とてつもない力がある(笑)。だれかあの罪な効果を研究してください。(赤信号・女性・37)

 特集では「本VS.カレー」のアンケートのほかにも、吉木りさ、斎藤工の「カレーグラビア」や、「本好きに薦めるカレーの銘店」としてミステリー、青春小説などジャンル別にカレーの銘店を紹介する。さらに「あのコミック、あの小説の中のカレーを再現」では読者の支持がもっとも高かった『3月のライオン』(羽海野チカ 白泉社)に登場する「あかりさんの唐揚げ&温泉たまごトッピングカレー」を再現。レシピを公開している。

取材・文=朝宮運河/ダ・ヴィンチ7月号「禁断の最終決戦 本VS.カレー特集」