寝かせてもおいしくならない!? 知られざるカレーの秘密

食・料理

更新日:2014/6/17

 日本人の国民食ともいうべきカレー。だがひとくちにカレーといっても、それぞれ頭に浮かぶカレーは千差万別だろう。『ダ・ヴィンチ』7月号の「本VS.カレー」特集では、カレーとスパイスの伝道師として知られる渡辺玲氏が、知っているようで知らないカレーの豆知識を披露している。

●カレーは寝かせてもおいしくならない!?
 カレーは翌日のほうがおいしいといわれますが、少なくともインドカレーは一晩寝かせてもおいしくはなりません。何度も煮返すとスパイスの風味が落ちて香りがダウンしてしまうので、保存食には向かないし、せいぜい翌朝までに食べたほうがいい。日本のカレーは出汁が入っているので煮返すほどに味が沁み、肉・ジャガイモ・人参が煮溶けるので舌触りのよさが出てきて、翌日以降もおいしいと感じるのでしょう。が、近年は「日本のカレーも香りが落ちるから寝かしてもおいしくない」という方もいますね。

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●インド人は、それほどナンを食べない!?
 カレーライスなのかライスカレーなのか、という論争があるように、日本人にとってカレーと米はセット。だいたいの人はそれと同様に、インド人はいつもナンを食べているイメージを持っているでしょう。が、ナンを焼くのに必要な窯を自宅に持っている人はそうそういませんし、米なのかナンなのか、はたまた別の何かなのかは、カレーごとにあわせるもの。インド人にとってナンは、必ずしも主食ではないんです。

●お酒にもカレーが合う!
 カレーにお酒はあわせにくいと思われがちですが、そんなことはありません。ビールはおなかいっぱいになってしまうので賛否両論ありますが、ビーフカレーなど色の濃いカレーには赤ワイン、スパイシーなカレーにはきんきんに冷やしたシャブリのようなキレのある白ワインがよくあいます。意外と日本酒やどぶろくも飲み心地がいいですよ。

 同誌ではほかにも、カレーの歴史から日本に存在するカレーの種類、スパイスの種類、健康とカレーの関係など知っておくべき基礎知識をさまざま紹介。また、「ロジカルなスパイスを楽しむ本格ミステリー好きへ薦める本格インドカレー」や「がんばる人たちを応援 青春小説好きに薦めるオリジナルカレー」など、本の情報誌ならではの切り口でカレーの銘店を紹介している。

取材・文=立花もも/ダ・ヴィンチ7月号「禁断の最終決戦!本VS.カレー特集」