文系には理解不能な理系あるある ―理系の人に見えている世界とは?

暮らし

公開日:2014/7/2

 少し前から、何かと注目を浴びるようになった理系の人たち。文系の人からすると「その発想はなかった!」というようなことをぽろっと呟いたり、力説したり。一体どんな思考回路で生きているのか不思議に感じることが多々ある。

 そんな中、書店で見つけたのがこの本『理系あるある』(小谷太郎/幻冬舎)。この本には、「ナンバープレートの4桁が素数だと嬉しくなる」、「花火を見れば炎色反応について語り出す」、「揺れを感じると震源までの距離を計算し始める」、「液体窒素でバナナを凍らせる」など、文系からすると衝撃的すぎるあるあるがずらりと並んでいる。こ、これは本当なのだろうか?

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 そこで、実際に理系の人たちに本書を見せつつ、あるあるを聞いてみた。

【まずは、本書の内容について】

●1000mgは1gだろ、と突っ込む(P.21)
「これは表記の仕方で求める精度が変わってくるため、区別する人が多いと思う」

●数は0から数えないと気持ち悪い(P.25)
「1から数えるのは違和感」「プログラミングをやっている人は特に思いそうです」

●円周率は美しいと思う(P.32)
「円周率πよりもオイラーの公式とか、e^iπ+1=0(小説・映画『博士が愛した数式』で有名)の方が美しいと思う」「どっちかというと、簡潔な式に美しさを見い出す人が多いように思います」

●標本の少ないアンケートに冷笑する(P.41)
「その標本の選び方は無作為か、という事も大切」

●救急車のサイレンを聞いて、「ドップラー効果」という(P.105)
「あるある! 言うと友人に“?“って顔をされます」

●ブレーキがかかると「慣性の法則」と思う(P.110)
「よく思う。カーブを曲がるときにも思います」

【“理系の会話あるある”もあるそうだ】

●専門用語で会話する
「ちょっと障壁高くて学校行かれない(かったるくて学校行く気も起こらない)」
「あそこが律速なんだね(列の流れを悪くしている原因(遅いレジ打ちなど)を指していう)」
「n度寝した。やばい(二度寝、三度寝を繰り返すこと)」
「プラチナは恋の活性化エネルギーも下げるんだよ☆(活性化エネルギーが低くなると反応速度が上がる)」

●男女で例えて説明する
「+と-は引き合うんだ。男と女みたいにね」

 理系の皆さま、いかがだろうか? “あるある”になっているだろうか?
 全然あるあるじゃなかった上よく分からなかった筆者は、やはり文系なのだと確信した。この他にも、「理系っていっても学部や職業によって違う」のだそうで、農学部あるあるや医学部あるあるなど、様々なあるあるが飛び出した。いつもの何気ない日常も、理系の人といると思いがけない世界を覗くことができそうだ。また、理系の人には分からない文系あるあるも多くありそう。いろんな人の話を聞いて、新しい発想を手に入れて楽しい日々を送ろう!

文=月乃雫