アイデアがドンドン飛び出す会議をするために、司会者が心がけるべき3つのポイント

仕事術

公開日:2014/7/3

 ダラダラと長いだけで「時間のムダ!」。会議の意図がわからないから「とりたてて言うことがない…」。部長がしゃべり倒して終わるけど「オレ、いる意味ある!?」。これぞ典型的な“ダメ会議”の特徴だ。

 しかし、社歴を重ねると、社内会議を切り盛りする“司会者”役が回ってくることも。みんなが活発にアイデアを出してくれる最高の会議を実現するには、どうすればいいのだろう?

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 『会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ』(毎日コミュニケーションズ)など“マグロ船ビジネス書シリーズ”で名を馳せた人材コンサルタント・斎藤正明さんが教える『そうか! 「会議」はこうすればよかったんだ』(マイナビ)をひも解いてみよう。

 斎藤さんいわく、99%以上の企業が「会議中に活発な意見が出てこない」などの会議にまつわる悩みを抱えている。しかし、企業は会議を避けては通れない。なぜなら、「社内で上意下達するだけでは、市場や顧客の求めるニーズから外れていく一方」だからだ。

「すでに過去の成功体験だけでは通用しない時代なんです。やはり現場の人たちの声を吸い上げ、若い人たちの感性もどんどん取り入れていかなければなりません。その過去と現在の知恵を融合する場が“会議”です」

 会議は司会者の腕前によっては、劇的に面白く、価値あるものに変わる! しかも、司会者に特別なリーダーシップや知識は必要ない。会議が“うまくいく型”を知っているか、知らないかだ。本書が教える、イイ会議を行う上でのポイントをざっくり3つにまとめてみよう。

●ポイント1:「目的」と「目標」をハッキリと設定すべし
「何がしたくて会議をするのか(目的)」と、「何が決まれば終わるのか(目標)」を明確に設定しよう。

●ポイント2:目的&目標に「議題」を加えてレジュメを作るべし
上記の「目的&目標」に「何について話しあうか(議題)」を加えたレジュメを作成。参加者全員に会議の意味をインプット。

●ポイント3:会議では2つのステップを踏むべし
会議の際は、「アイデア出し」と「とりまとめ」の時間をハッキリ分けること。斎藤さんいわく、これぞ「会議の生産性を高めるためのキモ」だという。なぜなら…。

「全国の99.5%ぐらいの企業で“1,アイデア出し”と“2,まとめる過程”、この二つの作業を分けることができていないと感じています。(中略)それができないから“会議なんてやっても意味ない”という社員が出るような混乱した会議になるんですね」

 「アイデア出し」段階のコツは、質を問わず、思いついたことはどんどん発言してもらうこと! そのためのなごやかなムード作りも司会者の仕事だ。

 よくあるのは、意見が出るそばから「“それをあるのにいくらコストがかかると思っているんだ!? 完全に予算オーバーじゃないか!”とその意見を潰してしまう」こと。これを許すと、会議はどんどん発言しにくい場になってしまう。大切なのは、司会者としてそういった発言はうまく退け、一切の制限をとりはらうことだ。

 さて、アイデアを出し尽くしたら、次は「意見をまとめる」ステップへ! とはいえ、単純にふるいにかけるだけでは不十分。なぜなら、「一つだけでは使いようのないアイデアも、別のアイデアと組み合わせることで、見違えるように素晴らしく輝くケースがある」からだ。まとめタイムは、個別に出てきたアイデアを眺めながら、“組み合わせ”も含めて考えてみよう。

 会議の後、「いい戦略が決まった」「若手のアイデアが意外だった」「先輩の考え方が勉強になった」などの声が聞こえてきたなら会議は成功、司会者のミッションもコンプリートだ。手ごたえのある会議作りのコツ、司会者に任命された折にはぜひ一度お試しあれ。

文=矢口あやは