雑誌FRaUが「フラウ文芸大賞」「フラウマンガ大賞」発表! 今、女性が読むべき1冊とは?

文芸・カルチャー

2014/7/11

人の心に残る本とは、読む者の姿を写す鏡のようであるし、未知の世界へいざなう扉のようなものでもある。覗き込めば、自分に生きる糧を与えてくれたり、冒険へと連れ出してくれたりする。読書家はいつだって、そんな本を求めてあらゆる本を読むのだ。しかし、現実にはなかなかそんな本には巡り合うのは難しい。本屋をさまよっても、そこはまるで迷路。好みの1冊が見つからず、悔しい思いをすることも少なくはないだろう。だが、7月11日(金)発売の『FRaU
』8月号「進撃の読書 心が“ふるえる”本とマンガ」に紹介された、日本初の、女性による、女性のための文芸賞「フラウ文芸大賞」や、働く女性がハマるべき2014年の BESTマンガ「フラウマンガ大賞」にノミネートされた本はどの作品も、どの本も私たちに、素敵な冒険を届けてくれる。何を読んだらいいか迷っている人がチェックすべき情報がぎっしり詰まっているのだから、読まない手はないだろう!

「フラウ文芸大賞」「フラウマンガ大賞」とは、この1年に発売された多くの本の中から、FRaU世代の女性書店員との選考委員によるアンケート選考を元に、今、もっとも女性にすすめたい本を選出したもの。昨年2013年にフラウで創設され、今年で第2回目というこの賞の選考基準は「女性のために」本当にすすめたいかということだ。世の中で話題になるような芥川賞や直木賞、本屋大賞も良いが、今を生きる女性たちの心に響く本をセレクトしているこの賞からも本好きは目が離せない。

第2回「フラウ文芸大賞」では、大賞作に藤野可織氏著『おはなしして子ちゃん』が選出された。これは、奇妙な10編の短編小説が詰まったもので、名久井直子氏著による装丁も美しく女性たちを贅沢な気持ちにさせる作品。小学校の理科準備室にあるホルマリン漬けの小猿が話し出す表題作品を始めとして、不可思議な主人公たちが語る「おはなし」からは「生」の息づかいとともに忍び寄ってくる「死」の匂いが感じられる。選考委員のひとりであるコラムニスト・山崎まどか氏は「女性の作家には“等身大の女性を題材にしたいい話”っていう枷をはめて書いてほしくない! 読書をする楽しみの種類を制限しない作品を書いてほしい!」と述べているが、そんな思いを体現したように、藤野氏のこの作品はクセも毒も広がりもあるいろいろなジャンルの作品が積み込まれている。山崎氏は藤野氏について「芥川賞の印象を払拭している感じで『おはなしして子ちゃん』と『ファイナルガール』を書いた今が最も面白い!」とも絶賛しており、思わず、藤野可織氏の今の作品を手に取りたくなってしまう。

一方で、「フラウマンガ大賞」では、海野つなみ氏著『逃げるは恥だが役に立つ』が大賞を受賞。就職活動に失敗し、派遣切りされた主人公・みくりが父親の紹介で会社員・平匡の家事代行を始め、人に必要とされることに喜びを感じ、平匡に契約結婚を提案するというこの物語は、女性の旬の問題をコミカルに描いている。晩婚化、少子化、就職難が進む時代の中で、夫=雇い主、妻=従業員、という新しい結婚の形を描いたユーモラスな展開だけでなく、登場人物も個性的。バブル女子の伯母、平匡の同僚でイマドキな男子の風見君など、リアルさに読者の共感度はかなり高い。海野氏は「相手のダメさを許せた時、自分を許せるんです」と作品内での結婚の形について述べているが、読者もそんな関係に憧れてこの本を手にしているのかもしれない。

「フラウ文芸大賞」「フラウマンガ大賞」では、大賞作以外にも多くの賞があるのも大きな魅力だ。たとえば、「フラウ文芸大賞」では、「人気作家賞」に柚木麻子氏著『本屋さんのダイアナ』。「マンガ大賞」では「女の老後賞」に池辺葵氏著『どぶかわ』、「女の本音賞」には岡村星氏の『ラブラブエイリアン』が選ばれている。賞のネーミングもユニークだが、受賞作はどの作品も、本を読むだけで気分があがるようなキュートな内容の中に、女性の内面にひそむ毒がこめられているのが良い。今の時代だからこそ感じる女性としての悩みを描くだけでなく、その一歩先へと歩を進め、読む者にあらたな世界を見せてくれる作品ばかりだ。

「フラウ文芸大賞」はノミネート作品15作、「フラウマンガ大賞」はノミネート16作。大賞受賞者である藤野氏と海野氏へのインタビューに読み応えがあるのはもちろんのこと、ノミネート作それぞれの魅力についてアツく語られた選考委員座談会の記事も興味深い。『FRaU』8月号の表紙にはなんと諫山創氏描き下ろし、読書にふける『進撃の巨人』リヴァイ兵長が登場。作者・諫山氏のロングインタビューが載っているのもファンにはたまらないだろう。また、AKIRAや藤原竜也等の今もっとも旬な人達が選んだ「心が“ふるえる”本とマンガ」も掲載。8月号を熟読すれば、アナタの良き本選びの指針になってくれるに違いない。今年読むべき、最強の1冊に巡り合えること間違いなしだ!

文=アサトーミナミ

『FRaU』(講談社)