【HIROが著書で告白】EXILEはなぜメンバーを大幅増員し、活動分野を拡大するのか?

芸能

2014/7/27

 「第4章を迎えたEXILEが、5人増員。史上最多の19人で“新生EXILEとして”始動!」――4月、こんなニュースに「EXILEって今、そんなにいるの?」と驚いた人もいるのではないだろうか。確かに、2001年のデビュー時には、彼らは6人組だった。ネット上で「EXILEがこのペースで増え続けると2134年には世界人口を上回る」というネタが出回ったのも、このころだ。

 もしくは、夏クールのドラマ『GTO』(フジテレビ系)で主演を務めるAKIRAのほか、同じく俳優業に挑むMAKIDAIや『バイキング』(同)で司会を担当するTAKAHIROなど、「EXILEって歌ったり踊ったりする人たちじゃなかったの?」と感じている人もいるかもしれない。

 EXILEの増員や、EXILEメンバーの他分野での活躍。これらの謎を解くカギが、『ビビリ』(HIRO/幻冬舎)である。著者のHIROは、言わずと知れたEXILEの元パフォーマーであり、EXILEらが所属する事務所・株式会社LDHの代表取締役社長だ。

 実は、冒頭の増員やメンバーの活動範囲の拡大は、HIROのパフォーマー引退と無関係ではない。彼は現在、45歳。しかし、その引退の理由は年齢によるものではなかった。

「EXILEをいつまでも輝かせるために、僕は引退した。/この先、20年も30年も輝き続けるチームを作りたいと僕は思っている。そのために僕は引退したのだ」

 その真意はこんな風に語られる。

「生身の人間の集まりには、限界があるのだ。/そうした固定したものではなくて、どんどん変化しながら、日々新しく生まれ変わっていく生き物のようなものに、EXILEがなればいい。(中略)たとえば皮膚が若さを保てるのは、古くなった細胞がどんどん死んで新しい細胞と入れ替わっていくからだと聞いたことがある。(中略)新陳代謝というやつだ。/EXILEの新陳代謝を起こせばいいんじゃないか。そうしたら、死すべき運命をひっくり返して、いつまでも輝き続けることができるかもしれない」

 HIROがこのように“EXILEの延命”を考え出したのは、2006年ごろ。“第一章”と呼ばれる初期のボーカルのひとり、SHUN(清木場俊介)が脱退したタイミングだった。同年、EXILEはオーディションで選ばれたボーカリストTAKAHIROと新しいパフォーマーAKIRAを加えて“第二章”をスタート。2009年には、“第三章”として弟分グループの7人を迎えた。前述の引用は、こう続いている。

「新しいボーカルを選ぶためのオーディションも、メンバーを倍に増やしたのも、そして今回の引退も、すべてはこの(注:EXILEに新陳代謝を起こすという)アイデアの延長戦上にある」

 つまり、今回の増員もまた、EXILEに新陳代謝を起こし、永続させていくための手段だということだ。とはいえ、HIROはEXILEという名前を冠したグループが、ただ生き延びていくことを望んでいるわけではない。

 HIROは、かつて所属していたZOOの解散後、芸能界で鳴かず飛ばずの活動を続けながら、再起を図ろうとしていた。その夢を叶えた“チーム”こそ、EXILEだった。ゆえに、HIROはEXILEを「みんなの夢をかなえるのに適した」チームであることにこだわっている。

「メンバーそれぞれの夢や想い、生きざまを大切にして、EXILEの魂を仲間から仲間へと、リレーのバトンのように受け継いでいくのだ。/そうすれば、EXILEは永遠に輝き続けることができる」

 だからこそ、AKIRAやMAKIDAI、TAKAHIROのように、パフォーマー以外の分野に挑戦していくメンバーがいなければならない。

「それは、新しいメンバーが入って新陳代謝を起こすだけでなく、僕のように道を譲った先輩メンバーも、EXILE一族として新境地を切り開いていくという続きがあることだ。(中略)つまり、上はさまざまな方面に広がり、下からは新しい風が吹くのがEXILEであり、アメーバのように自由自在にいろいろな形になって成長していくのがEXILEのあり方なのだ」

 そして、引退後にLHDの社長業に専念することになったHIROは、「会社全体に今まで以上にコミットすることで、みんなの夢をかなえる会社としてのLDHの動きを、もっともっと加速していくつもりだ」と話す。しかし――HIROはただあいまいに夢を語るだけでEXILEを成功に導いたわけではない。それを示すのが、こんな一節である。

「失礼のないように、過激なことをするタイプかな。準備とか根回しは、ものすごくちゃんとする」

 HIROは自身が「ビビりだから」リスクを想定し、準備や根回しをするという。彼の壮大なビジョンは、おそらく優秀なブレーンがいてこそ実現しているに違いない。ただ、彼らを動かすのはやはり、HIROの情熱と天性の嗅覚、そして「ビビり」ゆえの慎重さなのだろう。

文=有馬ゆえ