夏の大人向け『ドラえもん』で子どもゴコロを呼び覚ます!

映画

公開日:2014/8/9

『STAND BY ME ドラえもん』公式サイトより

『STAND BY ME ドラえもん』公式サイトより

 映画のダークホースとして『ドラえもん』に注目している。『ドラえもん』映画は毎年春の公開が恒例だが、今年は3DCGアニメ化した『STAND BY ME ドラえもん』として、夏にも公開される。

 今回の『STAND BY ME』は、「すべての、子ども経験者のみなさんへ。」と宣伝コピーをつけるなどターゲットは完全に大人だ。ストーリーは、ドラえもんが未来から初めてのび太の家にやってきた場面をはじめ、原作マンガの名作エピソードをちりばめて再構築している。出てくるひみつ道具は「どこでもドア」「アンキパン」「ガリバートンネル」など“オールスター”ぞろい。懐かしくもわくわくした気持ちになって、『ドラえもん』から想像を広げて夢見ていた“あの頃”に戻れる楽しさがある。

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 ドラ好きの人ほど、3DCGアニメは馴染むのか!? と違和感を抱くかもしれないが、見始めると3DCGと『ドラえもん』の世界が好相性だと気づく。タイムマシーンで22世紀に行ったドラえもんとのび太が未来都市をタケコプターで飛び回るシーンの疾走感は、タケコプターと100年後の世界を体感しているよう。未来の世界やひみつ道具は3DCGだからこそ表現できる質感があって、リアリティが加わっているのだ。大人になって忘れてしまった夢見る気持ちを、『ドラえもん』が呼び覚ましてくれる!

文=平山ゆりの(日経エンタテインメント!)/ダ・ヴィンチ9月号「出版ニュースクリップ」