【スター・ウォーズが辞書に!】“As you wish”も載っている! 「ダークサイド」かつ「エンパイア」な英和和英辞典

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/21

分厚い紙製の辞書や辞典というのは、デザインも中身も味気なくて、役には立つが決して面白いものではない。まあそもそも勉強に使うものだから、面白味よりも利便性が大事なもの。仕方ないことではあるのだが…。しかも最近では電子辞書やスマートフォンの辞書アプリに取って代わられている紙製の辞典、「そういやここ最近使ってないな」という人にぜひ手に取ってもらいたいのが、新作の撮影が始まった映画『スター・ウォーズ』の人気キャラクター、シスの暗黒卿ダース・ヴェイダーと、帝国軍の兵士であるストームトルーパー仕様の『パーソナル英和和英辞典』(学研教育出版)だ。

英和と和英で18万5500項目を収録した、横約9cm、縦約16.5cm、厚さ約3.4cm(外箱実測値)のコンパクトでハンディなサイズで、『ダース・ヴェイダー版』はベース色が黒でマスクの右半分の写真が、『ストームトルーパー版』は白で、こちらはヘルメットの左半分の写真がデザインされている。箱から中身を取り出してみると、どちらも光沢のあるビニール素材のカバー(外箱と同じく『ダース・ヴェイダー版』は黒、『ストームトルーパー版』は白)で、表紙には「STAR WARS」のロゴと、単純化された各マスクのイラスト、地には帝国軍の紋章があり、すべてがエンボス加工されている。そして表紙を開くと、帝国軍の誇る宇宙要塞デス・スターや、宇宙戦艦スター・デストロイヤー、ヴェイダー卿専用のタイ・ファイター、四足歩行をする兵器AT-ATの図解があり、その各所が英語で説明されているという、ファンならニヤニヤしてしまうような装丁になっている。

さらに辞典の巻頭には「ヴェイダー卿の英会話」という14ページに渡る読み物があり、例文も映画の中のセリフから抜粋されていて、「That is correct.」(その通りだ)、「As you wish」(仰せのままに)、「Take her away!」(連れて行け!)、「Luke… it is your destiny.」(ルーク…それがおまえの運命だ)、「Leave that to me.」(それは私に任せろ)などがあり、文法的かつ映画の中でのセリフの役割を丁寧に解説している。

advertisement

ただ「ヴェイダー卿の英会話」というだけあって、ジェダイや反乱同盟軍の合言葉である「May the force be with you.」(フォースとともにあらんことを)や、「スター・ウォーズ」シリーズで必ず出てくるセリフ「I have a bad feeling about this.」(嫌な予感がする)は解説されていない。ヴェイダー卿もアナキン・スカイウォーカーのときにこのセリフを口にしているが、暗黒面に堕ちてしまったので、すっかり忘れてしまっているんでしょうかね…(笑)。

表紙などのデザイン以外は『ダース・ヴェイダー版』『ストームトルーパー版』ともに内容は一緒だ。肝心の中身である辞書は2000年に初版が発行され、海外旅行からビジネスまで使えて、巻末には英文メールなどの書き方まで掲載されている実用的な『パーソナル英和和英辞典』だ。ちなみに「Dark Side」や「Empire」を引いてみたが、「Dark Side」という項目はなく(“闇の勢力”を意味する「Dark forces」はあった)、「Empire」は「帝国、絶対の支配」という真面目な記述だった(当たり前か)。

ルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミル、レイア姫役のキャリー・フィッシャー、ハン・ソロ役のハリソン・フォード、R2-D2という往年のファンも楽しみなオリジナルキャストが登場し、『スター・ウォーズ:エピソードVI ジェダイの帰還』の30年後を描く『スター・ウォーズ:エピソードVII』。2015年12月に公開予定ということなので、今からこの辞典で暗黒面を楽しみながら(?)英語を勉強すれば、日本語字幕なしで映画を楽めるかもしれない!?

文=成田全(ナリタタモツ)