「吉岡麻耶」声優インタビュー&撮り下ろしグラビア【声優図鑑】

アニメ

更新日:2015/7/8

吉岡麻耶

これからの活躍が期待される声優に、声優を目指したきっかけや、初めてのお仕事、そしてプライベートなことまで、気になるあれこれについてインタビューを行い、さらに撮り下ろしのミニグラビアも交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

第21回となる今回は、『ガールズ&パンツァー』の近藤妙子・アンチョビ役、『普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。』の三ヶ月ゆい役などを演じる吉岡麻耶さんです。

――現在は『普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。』で三ヶ月ゆい(みこぜ・ゆい)役を演じていますね。

吉岡:はい! ゆい先輩と呼ばれていて、流川市のゆるキャラ「魚心(うおごころ)くん」の中の人を担当している女の子です。今まで演じたなかでは一番セリフが多いキャラクターで、大切に演じています。アフレコもすごく勉強になっています。

――ゆい先輩たちが歌ったキャラソン集が8月27日に発売されますね。

吉岡:この作品では本当に初めてのことをいっぱい経験させていただきました。キャラクターソングも初めてですし、ダンスも初めてで。(今年3月開催の)アニメジャパンでは、本当に魚心くんの着ぐるみの中に入ってブースを回ったんですよ。しかも、その着ぐるみのクオリティがすごく高いんです。『さんまのまんま』という番組の“まんまちゃん”という着ぐるみを作った方が手がけたものらしいんです。サプライズで着ぐるみの中に入っていて「じつは中に入っていたのは吉岡さんでした!」と紹介していただいて。中はすごく暑いので、入っているのは10分が限界なんですけど(笑)。


――吉岡さんと言えば、『ガールズ&パンツァー』(以下、ガルパン)の近藤妙子役も印象的でした!

吉岡:ありがとうございます! ガルパンは、たくさんの女子高校生が戦車に乗って、授業の一環で戦車道を競っていくアニメなんですけど、近藤妙子はバレー部のユニフォームを着て、バレー部の部員を増やすために戦車に乗る女の子です。

――この作品に出演するまで、戦車にどんなイメージを持っていましたか?

吉岡:じつは、あまり馴染みがなくて。戦車って何だろうっていうところから始まりました。『ガールズ&パンツァー』のパンツァーってドイツ語で戦車という意味なんですね。英語では「タンク」だし、最初はタイトルの意味もわかりませんでした。戦車って怖いイメージがあったんですけど、実際のストーリーでは誰もケガをせずに、安心安全に戦っているんです。今では、戦車のことがすごくかわいく思えるようになりました。

私たちアヒルさんチームが乗っている八九式っていう日本産の戦車には、私たちが「はっきゅん」っていう愛称をつけていて。今はファンの方々も制作の方もはっきゅんと呼ぶようになって。ちょっと前に「World of Tanks」というゲームのイベントでガルパンとコラボがありまして、そのときのサブタイトルに「はっきゅん」とつけていただいたくらいです。はっきゅんの後ろ姿ってかわいくてしょうがないんです。お尻がプリッとしてるんですよね。“アヒルさんチーム”という名称はその姿からきているそうです。

足周りを「履帯」というんですけど、走るときの音もかわいいんですよ! はっきゅんが写るたびに「はっきゅん超かわいい!」ってキャストのみんなが言うという現象が起きていて、私たちはずいぶん調教されたなって思います(笑)。

はっきゅんは実際にしゃべったりするわけではないんですが、キャラクターに見えてきてしまうというか。戦車の上でいろんな作戦を立てたり、戦ったりしているうちに、愛が強くなって。

――ほかのチームの声優さんと「うちの戦車のほうが!」と自慢し合うようなことも?

吉岡:あぁ、全然あります! でも、はっきゅんは戦力的には弱いんですよ。だけど、そこがまたかわいいです(笑)。ダメな子ほどかわいい…じゃないですけど(笑)。ファンの方々も「キャストの方がここまで楽しんでいる作品はあんまりないですよね」って言ってくださって。みなさんと一体となって盛り上がっているのはいいなぁって。


――アヒルさんチームは、キャスト同士も団結力が強そうですね!

吉岡:そうなんです。一緒にご飯を食べに行ったりします。バレー部はスポ魂らしく声を揃えるシーンが多いんですよ。「そーれ!」とか「それそれそれー!」という掛け声は、すごく団結力が見えるシーンなんですけど、収録ではなぜか声が揃わず(笑)。和気あいあいとしすぎているのか、それぞれ個性が立ちすぎているのか(笑)。だからアフレコのときは、みんなで笑ってました(笑)。テレビシリーズではバレー部自体がクローズアップされることはあまりなかったんですけど、OVAでははっきゅん大活躍です!

――OVAは7月25日にリリースされましたね。久々にキャストが集まったアフレコは、どんな雰囲気でしたか?

吉岡:ガルパンは3年くらい前から始まっていたので、OVAで久々にみんなで集まったら同窓会みたいな感じでした。みんなでお菓子を食べながらたくさんお話していたら、「これがガルパンなんだな」って改めて感じられて、すごく楽しかったですね。

――同作品ではアンチョビ役も演じていましたね。改めて、アンチョビがどんなキャラクターなのか教えてください!

吉岡:近藤妙子がいる大洗女子学園の敵対校となる、アンツィオ高校の女の子です。(バッグから、ケータイについた2つのラバーストラップを取り出して)こんな感じで、ドリル巻きのツインテールで、いかにも気の強そうな、いわゆるツンデレっぽいビジュアルです。高校のモデルはイタリアなんですけど、ざっくばらんでおおらかでみんな友達!っていう性格で、「ドゥーチェ(統帥)」って呼ばれるようなカリスマです。ガルパンって口調が柔らかい女の子が多いなか、ガツガツ言うタイプですね。かわいらしいルックスとは真逆に男前な一面を持っています。

――アンチョビは、OVAで大躍進したんですよね。

吉岡:はい! テレビシリーズでは息づかいだけの出演でしたが、OVAではメインキャラクターとしてクローズアップされたんです! その舞台挨拶ではアンチョビの衣装をフルコスチュームで着させていただいて。たぶんムチを持って登壇した声優は初めてじゃないかって言われるくらい(笑)。OVAで同じチームの早見沙織さんや大地葉さんと演じられてとても楽しかったですし、アンツィオ高校への愛がすごく深まりました。アンチョビはとても思い入れが強く、私のなかで大きな存在になっています。


――今改めて、吉岡さんがガルパンに感じている魅力は?

吉岡:戦車や友情はもちろんですが、茨城県の大洗町という聖地があったことが大きな魅力だと思います。戦車は絵も音もクオリティが高くてアングルもすごく臨場感があるから、実際と全く同じ風景を戦車が走り抜けたりすると、ガルパンの世界をリアルに味わえて、それだけで楽しいんです。

大洗の方々もすごくガルパンのことを愛してくださっていて。聖地巡礼するファンの方も多くて、地元で毎年行われている「あんこう祭」にも多くの人が訪れるようになったそうです。私もプライベートで大洗を訪れたことがきっかけで、ガイドブックのお仕事をさせていただきました。

町ぐるみで、地域の方々も私たちも一緒に盛り上がました。みんながいい意味で遊んじゃってるというか、地域の方の愛によってさまざまな相乗効果が現れて、予期していなかった盛り上がりが楽しめた作品だと思います。


――では、吉岡さんご自身のことを伺います。声優業の合間のお休みは、どんな風に過ごしていますか?

吉岡:お部屋の家具を動かしたりとか、インテリアにハマッていて。最近ソファを買ったのがきっかけなんです。小さなソファを買ったので、テレビ台の向かいに置いていたチェストをクローゼットにしまって…と。今、ウキウキです!

――そのソファに座ってアニメを?

吉岡:はい(笑)。最高です! あと黒猫を飼っていて、そのコとソファで遊ぶのが最高ですねぇ。のあっていう名前で、すっごくかわいいんですよ。フランス語で黒猫っていう意味らしいんです。知らなかったので偶然なんですけど。のあとの出会いは私にとって本当に運命でした。昔から猫が好きで、ずっと飼いたかったんですけど、引っ越しが多かったから飼えなくて。そんな時、生後一週間くらいののあを拾ったんです。まだ毛玉みたいでした(笑)。本当はお母さんがいないと死んじゃう年齢なんですよ。病院に行ったら失明寸前でした。でも、里親を探しているうちに愛着が湧いちゃって。


――休日の好きな過ごし方は?

吉岡:ゲームもします。対戦ゲームが好きで、10月に『モンハン(モンスターハンター)』が発売されるので、また眠れない日が続くんじゃないかってドキドキしてます(笑)。でも、下手なんですよ、すごく。コントローラーを切り替えているうちにやられちゃう(笑)。あと、最近までは『ろこどる』のキャラソンを歌ったこともあって、勉強を兼ねて音楽を聴くことも多くなりましたね。

――どんな音楽が好きですか?

吉岡:同じ事務所の喜多村英梨さんの歌が好きです! 喜多村さんは、事務所に入りたての頃から優しくしていただいて、「まぁにゃ」っていうあだ名をつけてくださったんです。ツイッターのアカウントにも「まぁにゃ」って入れているので、最近はみなさんがいろんなイベントで「まぁにゃ」って呼んでくださいます。喜多村さんとは、事務所が開催する11月のイベントでもご一緒します。私も歌うんですけど、人前で歌うなんて…イベントに出始めたのは最近なので、とても不安で。どちらかというと、ファンのひとりとして皆様と一緒にステージを楽しめたらと思ってます(笑)。


――では最後に、今後どんな声優になっていきたいですか?

吉岡:声優という職業は、キャラクターに声をあててエンドロールに名前が乗るという認識でしたけど、今日のように自分自身の写真を撮っていただいたり、幅広い仕事なんだって実感しています。シャイな方や、緊張しいの方も多いと思ってましたが、私も例に漏れずです(笑)。

でも、喜んでくれるファンの方がいらっしゃることがそんな私の心の支えになっています。最初のころはファンレターをいただいても「私なんて…」と萎縮することもありましたが、今は素直に嬉しくとてもとても感謝しております。演技も、誰かが喜んでくれるならどんどんトライしたい! 無茶ぶりに応えられる人になりたいんです(笑)。自分で枠を決めずに、もっとできる可能性を信じて、どんな過酷なことでも(笑)チャレンジして、ずっとずっと勉強していけたらって。いつでも初めてのことに挑戦していけるアクティブな声優になりたいです!


――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

吉岡麻耶

・吉岡麻耶(^・x・^)まぁにゃ(maya_no_a) Twitter
https://twitter.com/maya_no_a

・吉岡麻耶の「まや(^・x・^)のあ」-アメーバブログ
http://ameblo.jp/maya2noa/

(取材・文=麻布たぬ、撮影=山本哲也、キャスティング協力=吉村尚紀)