「桑原由気」声優インタビュー&撮り下ろしグラビア【声優図鑑】

アニメ

更新日:2015/7/8

桑原由気

これからの活躍が期待される声優に、声優を目指したきっかけや、初めてのお仕事、そしてプライベートなことまで、気になるあれこれについてインタビューを行い、さらに撮り下ろしのミニグラビアも交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

第24回となる今回は、アニメ『ひめゴト』の有川ひめ役などを演じ、声優ユニット「あいまいみーまいん」のメンバーとしても活躍中の桑原由気(くわはら ゆうき)さんです。

――昨年オンエアされたTVアニメ『フリージング ヴァイブレーション』のラトル役は、食べる姿がかわいい…と評判でした!

桑原:親からも「食べるところ、似てるね」って言われてました(笑)。じつは、私自身もよく食べるキャラで (笑)。ラトルは貧しい階級の出身で、飢えから逃れるために戦うことを選んだ女の子なんです。だから、すごくたくさん食べるんですよ(笑)。

――初のレギュラー出演でしたね。アフレコで工夫したことはありますか?

桑原:ラトルはいつも不安を抱えている役なので、おどおどしたり緊張したり、そういった感情を乗せられるように意識しました。例えば「やったね」っていうセリフにも不安な気持ちを乗せたりとか…。

――細かな役作りですね!

桑原:初レギュラーで自分自身も不安だったので…。もしかしたら、その不安が重なって、偶然ラトルのおどおどした感じが出ていたかもしれません(笑)。
 

――現在放送中の『ひめゴト』ではヒロイン役(!?)を! 有川ひめくんはなぜ男の娘に?

桑原:ひめくんは、親に莫大な借金を押し付けられて。貧乏でお金がなくて、怖い人に追われているところを生徒会の3人に助けられて。生徒会が借金を肩代わりしてくれることになったんです。そのときの交換条件が「お前は女装して過ごせ」というもので…。

――“飼われている”状態なんですね。

桑原:そうなんです! 生徒会の3人からは「生徒会の犬となれ」と言われています(笑)。

――まるで“ドM”ですね!?

桑原:じつは、ひめくん、だんだん目覚めてきているというか…(笑)。原作のなかにも、生徒会の人が犬を連れてきて「こっちのほうがかわいいな」と話してたら、ひめくんが自ら首輪をつけてくる、という場面があるんです(笑)。だから、イヤイヤ言いながらも、じつはそういう一面もあるかもしれません。もう、最終的には女の子になっちゃうんじゃないかと(笑)。
 

――ひめくんの声は、女の子なのに少年っぽさも感じられて不思議な感覚です!

桑原:もしかしたら男性の方が演じても雰囲気が出ると思うんですけど、ひめくんって見た目がすごくかわいいじゃないですか。細くて、ロングヘアで。だから、私はどうしても中性的な感じを出したくて。じつは、原作者の佃煮のりお先生とお話する機会があったときに、「やっぱりかわいく演じてほしいなあ」っておっしゃっていたんです。でもやっぱり男の娘なので、声は男で作ってきてほしい、と。今まで男の娘はもちろん、少年役も演じたことがなかったので、けっこう試行錯誤しました。

――それまで「男の娘」に触れる機会は?

桑原:一度、役作りのために秋葉原の「男の娘カフェ」に行ったんですよ。それが、皆さんめちゃくちゃかわいくて! 髪がサラサラで、お化粧が上手で。びっくりすることに、すっごく透き通った高音の方もいらして。仕草とかもかわいくて、心から女の子って感じで、私は女としてすっかり負けた気分でした(笑)。

――桑原さんを含むメインキャスト4人は、アニメが始まる前から、声優ユニット「あいまいみーまいん」として活動されていますね。『ひめゴト』ツアーでOP曲、ED曲の披露もあったそうで。

桑原:はい。ツアーではソロ曲も発表させていただきました。私は福岡の会場で、作詞にも挑戦した「ゆめいろリボン」を披露しました! 最初にメロディをいただいたときに、かわいらしいメロディでどことなくホワホワしていたので、夢のような歌詞にしたいなと思って。それに、じつは私、悪夢しか見たことなくて(笑)。いつもうなされて目が覚めるんですよ(笑)。それもあって、楽しい夢の歌を作りたい! と。眠る前に歌って楽しい夢が見られたらいいなぁって、願いを込めて書きました。
 

――ファンの皆さんの反応は?

桑原:「かわいい歌詞で癒されました」とか「振り付けもかわいくて、あってたよ」とか優しいコメントをいただきました。本当に嬉しかったです! ひとりで歌ったときは相当緊張してたと思うんですけど(笑)。

――「あいまいみーまいん」の4人が一緒にいるときはどんな感じ?

桑原:それが、本当に騒がしいんです(笑)! 2月の結成からまだ数ヶ月ですけど、ラジオに出たり、イベントに出たり、朝から晩まで一緒にいることも多いので、短期間のうちに仲良くなりました。ラジオなんて、驚くほど快調で(笑)。素のままでワチャワチャとしゃべっていて、普段もあのまんまなんですよ! 誰ひとり取り繕っていないんです(笑)。

――桑原さんは、メンバーのなかでどんなポジション?

桑原:お笑い担当だと思います! 自称ですが(笑)。けっこう引っ掻き回すことは多いと思います(笑)。そういえば、ラジオで2回泣いたことがありまして(笑)。一度は、誕生日にサプライズでケーキをいただいたとき嬉しくて泣きました。もう一回は、摩天楼由香ちゃんの誕生日にまたケーキが出てきたとき、なぜかまた涙が出てきて(笑)。「なんでおまえが!?」っていう雰囲気になったんですけど(笑)。けっこう私は爆弾かもしれません(笑)。
 

――みんなそれぞれキャラは違うんですか?

桑原:本当にいい感じにバラバラだと思います! 東條(日沙子)さんはクール系で…といってもけっこう天然なところがあると思うんですけど(笑)。摩天楼(由香)ちゃんは明るくて、元気さがトレードマークで。小野早稀ちゃんはホワホワしていてマイペースな癒し系ですね。で、私がお笑い系です(笑)!

――声優ユニットは「アイドル」という側面もあると思いますが、時には大変なことも?

桑原:やっぱり、私たちはアイドルである前に声優でありたいと思っているので、しっかり演技ができて、なおかつ歌やダンスでも楽しんでいただけたらって常に考えています。でも、アイドルが集まるライブに出演させていただくこともあって、他の方々を見ていると、笑顔とか自分の見せ方が上手いなぁって思います。私たちは楽屋でもうるさいし、いろいろ学ぶところは多いですね(笑)。

――「あいまいみーまいん」の活動で、これから楽しみにしていることは?

桑原:『ひめゴト』のように、また4人で作品に出たいです! 私たちのドタバタ感ってけっこう息が合っていると思いますし(笑)。アフレコやラジオでは、お互いフォローしながら支え合って、みんなで作り上げているんだなあって思います。また4人で挑戦できたらいいなって!
 

――では、桑原さんご自身のことも伺いますね。好きな漫画は『NARUTO』ということですが、少年漫画系がお好きなんですか?

桑原:はい! 「週刊少年ジャンプ」の作品がすごく好きです。声優を目指してからずっと戦いたいって思っていたので、『フリージング』ではその夢のスタートラインに立てたなって思いました。「ジャンプ」の作品でも、戦いながら輝いているヒロインって、いますよね。女の子って普段戦うことはないので、アニメでしかできない体験がしたいなって思っていました。

――戦っている系で、ほかに好きなキャラクターは?

桑原:『銀魂』の神楽ちゃんです! 演じられている釘宮理恵さんの声がかわいいのですが、話す内容は毒舌で(笑)、しかも戦いに強いというギャップが好きで。私、ギャグ漫画とかギャグアニメが大好きで。学生のころからギャグを見ては笑っていました。
 

――では、ほかにも好きなギャグ漫画&アニメが?

桑原:はい! 外せないのは『ギャグマンガ日和』ですね。5分アニメなのにめちゃくちゃ内容が濃くて、本当に心の底から笑えるようなテンポのいい作品です(笑)。繰り返し観ていたので、たぶん、ここに映像があったらセリフが全部言えちゃうくらいです(笑)。『ひめゴト』のお話をいただいたときも、あんな感じの濃い5分間に仕上がったらいいなあって思っていました(笑)。あとは『ボボボーボ・ボーボボ』とか『男子高校生の日常』とか…。

『バカとテストと召還獣』も好きです! アニメが面白かったので後からライトノベルを読みました。キャストの方の工夫がすごく感じられて感動して。まず、声がキャラクターに合っているし、キャストの方の言い回しによって、ギャグのテンポがより一層面白くなっていて。積み重ねてきた演技の経験ってこういう風に出るんだなって。あと、秀吉っていう男の娘が登場するのですが、ひめくんを演じるときに影響されているかも(笑)。

――ギャグと言えば、お笑いの経験があるそうで。ぜひ詳しく教えてください!

桑原:高校のとき、誰でも出られるエントリー制のお笑いライブがあって、「漫才やろうよ!」って友達を誘って出演しました(笑)。そのとき2人で考えたネタが「恋愛ができない女の子」っていうテーマで。2人とも6年間女子校に通っていたこともあって男性が苦手で、上手く話せなくて。それをデフォルメした作品です。女子校時代はそんな感じで楽しかったです(笑)。部活の茶道も、6年間でお免状がもらえるくらい頑張っていました。

――お笑いは今でも見ますか?

桑原:時間があればライブに行ってます! 最近、芸人さんのサインを集める手帳を作ったんです。芸人さんがやっているラーメン屋さんに行ったりして(笑)。まだ10人くらいなのですが、『ひめゴト』の佃煮のりお先生も入ってます(笑)。「軽く絵を描いていただけたら嬉しいです!」と伝えたら、すごくクオリティの高い絵を描いてくださって! いい感じの手帳に仕上がっています(笑)。
 

――では、声優としてこれから挑戦してみたいことは?

桑原:憧れているのは沢城みゆきさんです。ちっちゃい女の子から人間以外の生き物まで、すごくリアルに演技をされているので。たとえば『ジュエルペット』のラブラちゃんと、峰不二子の声を聞き比べるとすごいと思います! 初めて聞いたときは沢城さんって分からなくて、あとで衝撃を受けました。

――最後に、記事を読んでくれた読者にメッセージを!

桑原:『ひめゴト』は初めての主役で、初めての男の娘役ですごく緊張したのでが、面白い作品に仕上がっていますし、これからもいろんな役に挑戦していきたいです! 私がアニメから元気をもらってきたように、私の演技で誰かが元気になったり、笑ったり泣いたりしてくれたら、これ以上嬉しいことはないと思っています。いろんなことに挑戦していきたいので、応援お願いします!


――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!
 

桑原由気

・桑原由気(マウスプロモーション)
http://www.mausu.net/talent/tpdb_view.cgi?UID=217

・桑原由気 on Twitter
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・桑原由気のぽかぽかにっき!
http://ameblo.jp/ufufu0624/

(取材・文=麻布たぬ、撮影=山本哲也、キャスティング協力=吉村尚紀)