なぜ彼女はダメ男ばかりと付き合うのか? 恋愛での失敗を防ぐ方法

恋愛・結婚

2014/9/11

 白馬の王子様は向こうから現れるものではない、こちらから仕留めるものなのだと今になってようやく気が付いた。だが、素敵な伴侶を見つけるノウハウなど知るよしもない。好きになるのは似たような“だめんず”ばかり。どうして自分は同じような人ばかり好きになってしまうのだろう。一体どうすれば、この呪縛から逃れられ、素敵な恋ができるのか。

 精神科医の岡田尊司氏著『なぜいつも“似たような人”を好きになるのか』(青春出版社)には、素敵な恋をするための秘訣がふんだんに盛り込まれている。なぜ人は似たような相手を好きになり、似たような過ちをおかしてしまうのか。岡田氏は、その一番の原因はアナタが自分自身や相手の「パーソナリティ」を理解していないことにあると考えている。「パーソナリティ」とは人それぞれの固有の認知(受け止め方)、感情、行動の様式のことで、その土台は、母親との関わりにとって形成され、「どのような対人関係に安らぎを覚えるか」をも規定する。一旦出来上がると、約7割の人で変わることなく維持されるというこの特徴を知ることが出来れば、相手との恋愛のプロセスや相性、安定性、その未来や困難を予測することができるのだ。岡田は精神医学や臨床心理学が長年培ってきた経験知を結集させて、人の「パーソナリティ」を9つに分類し、各々の恋愛観や恋に落ちる瞬間を解き明かして見せる。

 たとえば、現代人に増えている“草食系”は、心理学的にいえば、「回避性パーソナリティ」。岡田氏によれば、このタイプに属する人は、いつも親から厳しい視線を浴びせかけられた人が多いようだ。人と必要以上に距離を取り、親しくなるのを避けようとするため、直に関係するよりもネットや手紙を介した関係を好むようだ。プライドは人一倍高いのだが、失敗をすることに臆病で、好きな人も出来にくい。自分で決断が苦手であるため、付き合ってみたものの、相手のことが好きか分からないと思い悩む者も多いという。そんな相手を魅了するためには、喜怒哀楽は控えめに淡々と接するように心がけよう。徐々に距離を縮めつつ、さりげなく相手を褒めるようにすれば、相手はアナタに心地良さを感じ始める。注意すべきことは、このタイプは強気なタイプが苦手ということ。気の強い人が居れば、“かかあ天下の妻と気の弱い夫”の組み合わせのように上手くいきそうに思えるが、回避性タイプの者が支配されることを煩わしく思う場合も少なくない。回避性タイプを攻略するためには、本心をさらけ出せる場を少しずつ作っていく必要がある。近しい距離感に恐れを感じやすいこのタイプを相手にしたら、焦らず、ゆっくりと関係を進めるように気をつけよう。

 一方で、恋愛をする前には、自分自身についても知っておく必要があると岡田氏はいう。女性に多いのは、いつのまにか相手に尽くしてしまいがちな「依存性パーソナリティ」だろうか。これは、親に支配されていた場合、もしくは、とても親に大事に育てられたために反抗することが出来なかった場合になりやすいタイプ。自己主張せずに人の顔色を伺うことで、自分の使命を果たそうとする傾向がある。そんな人が惹かれる対象は、自分をしっかり持った存在で尊敬できる人、そうでないなら、弱くて自分がそばにいてあげないとダメになってしまいそうな人だという。そんな相反する2つの嗜好が存在しているため、両方を兼ね備えた相手を見つけると、周りが見えなくなる程の恋に落ちてしまう。そのため、「依存性パーソナリティ」の者はいつでも人に利用されやすい。反社会的な性質を持つ人でも頼りがいを感じ、そのタフさを魅力的に思ってしまうことだってあるのだ。

 たとえば、衝動的な行動をとりやすく、大切な人に見捨てられるのではと不安になりがちな「境界性パーソナリティ」タイプの者に出会うと、依存性タイプの人は地獄までどこまでも落ちていってしまう。その代表的な例といえるのが、太宰治をめぐる女たちの存在だろう。最初の妻・小山初代にしても、玉川上水で心中を遂げた山崎富栄にしても、頼れる人を見つけると無心に尽くすタイプの女性だったからこそ、太宰が臨むことならば何でも叶えようとし、共に死ぬことすら選んでしまった。それは極端な例だとしても自分が“だめんず”ばかりに引っかかると思う人には心当たりがあるのではないだろうか。

 恋をすると、人の脳内にはドーパミンやエンドルフィンのような脳内麻薬が増加し、高揚状態となる。理性が失われてしまうのは医学的に見ても、仕方のないことなのだ。だが、一度、自分自身のこと、相手のことを振り返れば、不幸せな恋を防げるかもしれない。相手との未来にどんな展開が待ち受けていそうか、心理学的に分析してみれば、素敵な恋ができる可能性が高まりそうだ。

文=アサトーミナミ