キティちゃんを超えてゆけ!! 国民的キャラ・なめこと旅に出る

テレビ

公開日:2014/10/17

 なぜ、なめこと日本全国をめぐらなくてはいけないのか…?

 そんな疑問から購入してしまった『なめこと日本全国めぐり』(せきちさと:著、BeeWorks/SUCCESS、河合真吾(ビーワークス):監修、亀井洋子 :イラスト/岩崎書店)。47都道府県の特徴と、日本地図を「ご当地なめこ」と一緒に楽しく学べる絵本である。対象年齢は3歳。不惑を前に、思いっきり惑ってしまった格好だ。
 「お子様にプレゼントですか?」
 書店員の気配りが、胸を刺す。ああ、そのとおり。そういうことにしておこう。子どもなんていやしませんが…。いかがわしい本を買ったような後ろめたさを感じながら、さっそく絵本を開いてみた。

 内容は可愛らしい「なめこ」が、チャチホコやまりも、ちんすこうといったご当地の名産品や観光地、偉人に扮し、1つの都道府県を1ページで紹介していくというもの。平仮名で綴られた解説は目に優しく、紹介された数々の方言に心温まり、「あ! おおもりごはんたべよう、あおもりけん」といった「おまけのだじゃれ」は子どもにとって、明日使える有益な情報であると推測される。しかし、そこに「なぜ、なめこなのか」という必然性は記されていなかった。

 この本を読んで、「なめこと日本をめぐること」に特に意味はないことを知った。この「なめこ」自体がカリスマ性を持ったキャラクターであったのだ。この絵本に登場する「ご当地なめこ」も、実際に各観光地とタイアップした「ご当地キティちゃん」と同様のものであるらしい。

 もともとは「おさわり探偵小沢里奈」なるゲームのサブキャラであったそうだが、見た目の可愛さと、「んふんふ」としか発しないミステリアスさで大ブレーク。今やアニメ、アプリ、お菓子、絵本などさまざまなメディアに登場する活躍ぶりだ。ググってみると専用のWEBサイトまであるではないか…。聞けば、彼? がブレークしたのもかなり前の話だとか。知らぬということは、それだけで罪なのである。

 今さらではあるが、絵本の一件をきっかけに「なめこ栽培アプリ」を始めてみたのだが、この「なめこ」が実に愛らしく、放っておけない魅力がある。設備を整え、餌をやり、「なめこ」を栽培し収穫するだけのゲームなのだが、不思議とハマってしまう。にょきにょきと生え、一瞬で収穫されてしまう…。その姿は、どこか健気で、はかなさを感じさせる。

 こいつと一緒なら、どこに行っても楽しいはず。「なめこ」を知ることで、この絵本が何十倍にも魅力的に感じるようになった。この絵本を片手に、今すぐにでも「なめこ」と旅に出たい――。そんな衝動に駆られてしまう。ただし、しばらくは休めそうにない。とりあえず、今夜のみそ汁の具は「なめこ」にしてみようと思う。

文=関口宏(Office Ti+)