重たいファッション誌もスマホで楽々――講談社、紙の雑誌の購入者に無料で電子版を提供

暮らし

公開日:2014/10/28

 コンビニで気になる表紙の雑誌を見つけても、「かさばるから」「重たくて持ち歩けずスキマ時間に読むのに向いていないから」という理由で購入をためらったことはありませんか。特にファッション誌は上質な紙を使っており、版も大きいため重たくて、一番のスキマ時間ともいえる電車の中で、つり革につかまりながら片手で読むのは無理ですよね。スマホやタブレットで読めれば楽なのに――。

 10月28日、講談社は「新規事業発表会」を行い、「講談社女性誌デジタル本棚(仮)配信サービス」を発表しました。これは、女性誌の『ViVi』『VOCE』『FRaU』『with』4誌購入者に対して、スマホやタブレットで読めるデジタル版を無料で提供するというものです。

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 サービスを利用するには、あらかじめ会員登録をしておき、専用のデジタル本棚アプリをダウンロードしておく必要があります。どの書店、あるいはコンビニエンスストアなどで購入しても、雑誌に印刷されているパスコードを専用サイトで入力すれば、自分のスマホの専用アプリに自動的にダウンロードされます。しかも、誌面そのままで原則として全ページ掲載。別冊付録も対象になっています。

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 これならいつどこにでもお気に入りの雑誌を持ち歩いて、片手で楽に読むことができます。ただし、本棚に登録できるのは12冊まで。それ以上増えた場合、古いものから順に削除されていくとのことです。

 開始は2015年1月23日からで、各誌とも2015年3月号からとなっています。

●デジタルファーストな新媒体の発表
 また、ミドルエイジ向けにスマホやタブレットで手軽に読める、デジタルファーストな新しい雑誌2誌が発表されました。『FORZA STYLE(フォルツァスタイル)』と『mi-mollet(ミモレ)』です。どちらも講談社としては初めて外部から編集長を迎えました。

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    左から干場義雅氏、大草直子氏、講談社社長・野間省伸氏

 FORZA STYLEは「イケフォー(イケてる40代)」「知色人(ちしきじん。知性と色気を備えた男性)」「エコラグ(エコノミックラグジュアリー。お金をかけるべきところにかけ、消耗品などについてはコスパの良いものを選び、ラグジュアリーなスタイルへの近道をする人たち)」という3つのキーワードを軸に、女性の本音を交えつつ、日本の男たちをカッコよくしていこうという雑誌。編集長は『LEON』『OCEANS』など数々の雑誌編集に携わった干場義雅氏です。

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 mi-molletは、これまで人気ブログを通じてインフルエンサーとして活躍してきた大草直子氏が、読者のリアルな声を拾い上げてその声に答えていくというコンセプトの雑誌です。「ファッション誌を読んでいて『自分はこんな高価なものを買えないし、こんな素敵な場所に行けない。自分とはかけ離れた世界だ』『ライフスタイルがあまりに違いすぎて焦る気持ちになってしまう』と感じることはありませんか?」と大草氏。ミモレな(未熟から成熟へ向かう45歳世代)女性たちに「あなたは、あなたのままでいい」というメッセージを発信。同世代の人たちが感じている悩みや不安を共有し、ほんの少しのステップアップを助けるために「近くにいる頼れる存在」を目指すとのことです。

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    50代60代の女性向けに風吹ジュンさんを毎号の表紙にした
    『おとなスタイル』もデジタルでの展開を開始しました

●共同事業や資本提携の発表も
 そのほかにも、日本経済新聞との共同事業として、第4日曜日に日経新聞に折り込まれる新しい女性ファッション誌『THE NIKKEI MAGAZINE STYLE Ai』や、人気のあるファッションコーディネートアプリ「iQON(アイコン)」を提供しているVASILYとの資本提携も発表。既存の女性誌のデジタル化も含め、まずは女性をターゲットにしたマーケティングを展開していく同社の取り組みがうかがえる発表会となりました。

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    発表された2誌を含む6誌によって、
    ハイティーン以上のすべての年代の女性向け媒体を展開していく

文=渡辺まりか