世の女性達はダメな旦那とどう向き合っていけばいいのか?

恋愛・結婚

更新日:2016/3/14

 「うちの旦那、ダメなのよねぇ~」という“オバサンの口癖”を、アラサーになると友人たちがこぞって発するものだから、歳を取ったなと思う。未婚のわたしは彼女たちの話を「ウンウン、大変ダネ」と聞きながら、(何が悲しくてダメ男と一生、暮らさなきゃならないんだ)と、結婚願望がますます遠のいていくのだ。

 コレが負の連鎖となって、女性の生涯未婚率が過去最高の10.6%(2014年度調査)という深刻な社会問題に発展したのではと、考えられなくもない。現状を打破する策として、国に「25歳以上の女性(結婚を意識し始める年頃)は『ダメダンナ図鑑』(井上ミノル/創元社)必読」という法を定めることを提案したいくらいだ。

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 本書では、ダメダンナの肉体構造(「目=節穴」「口=コミュニケーション能力が低い」「耳=妻の話を聞いていない」)、ダメダンナの脳内(「感情より理論」「結論へ最短距離」)、ダメダンナの誕生と進化(始まりは、強い遺伝子を残せないとダメな「アウストラロダンナ」※200万年前)など、ダメダンナの生態について詳細に解説している。まずは「旦那って、ほんとダメだな」という現実と向き合うことが肝要だ。

 さて覚悟を決めて、「うちの旦那、ダメなのよねぇ~」(前述)が口癖の奥サマになったとき、どのようにダメダンナと向き合っていけばよいか。著者は、自らの経験と周囲の声を元に、ダメダンナを“タイプ別”に分類し、傾向と対策を陳述している。

 例えば、“買い物スキルが低すぎるダンナ”。「スーパーに小麦粉が売ってなかったんだよね。薄力粉? 強力粉? とかはあったけど」などと言って、“ほめてくれオーラ”全開。これは非常に多くの奥サマが腹を立てるシーンである。我が家でも、“ワケギ”(ネギの一種)を買ってくるよう頼まれた父が、「売ってなかったよ」と何も買わずに帰ってきたため、「そんなハズはない」とよくよく聞いたところ、父は八百屋で「“わき毛”をください」と言ったことが判明して母が激怒した、という逸話が残っている。

 買い物以外でも、ダンナは味覚レベルが低すぎたり、逆にやたらグルメだったり、思いやりに欠けていたり、マザコンだったり、夢見がちだったりと、本当にダメダメなのだが、著者は対策として以下のような見解を示している。

「ダンナと思うから腹が立つ。ゴールデンレトリバーを飼っていると思えばよい。ムツゴロウさんのような寛大な気分で『よーしよしよし!』」

 ゴールデンレトリバーだと思えば、わたしの父も、「八百屋まで二足歩行で辿り着き、“ワケギカッテキテ”という飼い主の言葉を“ワキゲクダサイ”に変換した天才的な動物」として、母に寵愛されることであろう。今からでも遅くはない。お母さん、お父さんはゴールデンレトリバーなんだよ。

 このように、扱い方さえ間違えなければ、ダメダンナたちは愛すべき存在なのである。本書を「適齢期の女性・必読書」に認定すれば、必ずや未婚率は急低下し、第三次ベビーブームが到来。少子高齢化に歯止めがかかり、日本の経済は活性化。明るい未来が待っているに違いない。あとは、「この人となら、一生一緒に暮らしたい」と思える相手を探すだけだ。……「だけ」なのだ。

文=尾崎ムギ子