パロディだけじゃない! 大人もアニオタも楽しい『妖怪ウォッチ』の魅力は落差ギャグにあり!?

マンガ・アニメ

2014/10/31

TVアニメ『妖怪ウォッチ』公式サイトより

 今年、おそらく一番世間を賑わしているであろうアニメ『妖怪ウォッチ』。ゲームとしてニンテンドー3DSで発売し、アニメ化された途端に爆発的に大ヒット。マンガ化や玩具の商品展開も盛んに行なわれ、今やアニメ、ゲームに興味のないかたでも名前ぐらいは聞いたことのあるビッグタイトルに成長しました。

 また最近では第39話を一部放送局が放送休止にするということでもネット上でニュースもありました。その原因は明らかにされていないのでここでは触れませんが、これだけ話題になっていると、そろそろ「社会現象として勉強しておかないといけないのではないか」という向きも出てくるころでしょう。今回はそんな「出遅れてしまった大人たち」に、アニメ版『妖怪ウォッチ』を楽しく観るためのポイントをご紹介します!

 

■ものすごく簡単に『妖怪ウォッチ』をおさらい

 『妖怪ウォッチ』のアニメ版は2014年1月より放送開始。登場人物や基本的な設定などはゲーム版を踏襲しており、ゲーム版からアニメに、アニメ版からゲームに入っても違和感なく楽しめます。

 制作は『ポケットモンスター』などキッズ向けアニメのヒット作を生み出しているOLMが担当。『妖怪ウォッチ』原作元のレベルファイブとは、タッグを組んで『イナズマイレブン』、『ダンボール戦機』など数々のヒット作品を生んでいます。

 監督はウシロシンジ氏。これまでウシロ監督は『おまもりひまり』、『祝福のカンパネラ』、『俺たちに翼はない』など若い男性向けの作品を多く手がけ、その演出手法で高い評価を受けていました。今回は打って変わってのキッズ向けでしたが、大成功を収めています。

 そんな本作品の魅力はさまざまにあります。キャッチーなオープニング、エンディングもそのひとつ。オープニング『ゲラゲラポーのうた』やエンディング『ようかい体操第一』、25話以降からのエンディング『ダン・ダン・ドゥビ・ズバー!』など、どれも耳に残るものばかり。振付も楽しいです!

 あるいはキュートなキャラクターデザインも魅力です。赤い猫妖怪で本作の顔ともいえる大人気キャラ「ジバニャン」をはじめ、個性的なキャラクター達が人気を後押ししているといえるでしょう。

 しかし、それらは本作に一時でも触れれば、すぐに理解できる部分。今回焦点を当てたいのは、アニメ版のストーリー部分です。多くのお父さん、お母さんが『妖怪ウォッチ』に触れた時、もっとも驚くのがここではないでしょうか。一言で言うと、「これ本当に子供向けなの!?」という驚きがあるのです。

 

どこまで破天荒なんだ! 落差ギャグにシビれる!

 最近では「ロボにゃん」というキャラがお尻を薙刀でグリグリされ、あまりの快感に悶絶してしまうという描写が話題になりましたが、子供向けという殻に萎縮することなく自由で楽しいストーリーが展開されています。また続きものではなく各回独立したストーリーになっているのも、結果的に自由度を高くしているポイントとなっています。

 『妖怪ウォッチ』と言えばパロディが話題に上がることも多いですが、特に私は「落差」を使ったギャグが秀逸だと思います。一例を挙げると、とあるエピソードでは舞台が刑務所です。キッズアニメで舞台が海外のムショ。ここで警察にご厄介になっているじんめん犬が、脱走しようと試みるというストーリーなのですが、舞台も展開もとてもキッズ向けとは思えません。

 あるいは、突然キュートだった妖怪達がブルース・ウィル●やウィル・ス●スの顔になってしまったり、同じくかわいらしい妖怪であるコマじろうがDJの格好をしてクラブで皿を回してみたり、といったところもキュートからリアルへの「落差」を使ったギャグとしてきれいに成立しています。

 そんなことをやっている一方で、突然泣ける話を差し込んでくるのもまた面白い部分です。第25話「ジバニャンの秘密」は、脚本が本作品のクリエイティブプロデューサー・企画・シナリオ原案である日野晃博氏、絵コンテがウシロ監督(駒屋健一郎氏と共同)という超重要回。かつて車に轢かれて地縛霊となってしまったジバニャン。その際、飼い主に見放されてしまったと思っていたのですが……その真実とは? 『妖怪ウォッチ』を語るなら必見の回になっています! これもまた、普段のギャグ回だと気軽に構えていた視聴者に対し、落差による大きな衝撃を与えました。

 

■10月から少しリニューアルした『妖怪ウォッチ』

 本作品はこの10月からオープニングが2種類になったり、新コーナーが始まったりと、少し装いを変えました。その新コーナーのタイトルが「給食のグルメ」。これはわかる人にはわかる孤独のアレのパロディ。主人公のケータくんが給食を食べて、五郎風に語り始める……というより、顔がすでに五郎風です。ここまでくると一体誰向けに作っているのか、とすら思えますね。

 と『妖怪ウォッチ』の魅力を落差ギャグという点を中心に語ってみましたが、とにかく毛嫌いせずに一度観てほしいというのが本音です。明らかに子供ではなくもっと上の世代に向けているとしか思えないネタも満載なので、観ていて飽きるということがありません。装いも少し変えたばかり。「出遅れてしまった」方々も、この機会に『妖怪ウォッチ』を楽しんでみてはいかがでしょうか?

文=錦糸町介 編集=はるのおと