実践して気づいた! 猫背を治すための一番の方法とは?

健康

公開日:2014/11/3

 幼い頃から猫背だ。ふと鏡を覗いた時、老人のように丸まった背に辟易とする。どうにかして背筋がピーンと伸びた美しい姿勢になれないものだろうか。しかし、意識している時は良くても、気を抜くと、気が付けば、背中が曲がっているということの繰り返しだ。

 『ねこ背を治したいにゃー』(イースト・プレス)は、25年間ずっと猫背だという漫画家・はませのりこ氏が猫背改善のためあらゆる方法に挑戦した奮闘記である。そもそも猫背とはゆるやかなS字カーブを描くことでバランスを保っていた背骨がくの字に曲がり、重心が前のめりにズレている状態のこと。猫背になると、背骨は、平均4キロもの重さのある頭を支えることができなくなり、筋肉や神経を圧迫するようになる。そして、肩凝りや腰痛だけでなく、バストやヒップの垂れ下がり、肌荒れ、ぽっこりお腹など、健康面・美容面に悪影響が生じるのだ。ということは、猫背を治せば、身体に良いことばかりなのではないか? どうせだったら、猫背を治し、健康的な毎日を取り戻そうではないか! というわけで、はませ氏が実践したいくつかのことを私も試してみることにした。

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■猫背が解消された姿勢は“ヒザ立ち”で実感!

 まずは、グッズを使わないものから挑戦してみることとしよう。猫背を治すためには、最初に背筋が伸びた状態というのがどういうものなのかを身体に教えることが大切だ。方法は簡単。つま先は立てずに足の甲を寝かせて、ヒザ立ちをしてみるだけ。すると、どうだろうか! 気持ちいい程、姿勢が良くなっている自分に気がつくことだろう! ヒザ立ちは人間の構造上無条件で骨盤に大腿骨が安定して乗るポーズ。安定した骨盤の上では背骨は自然とキレイに伸びることができるのだという。さらに、この背筋が伸びた感覚を忘れないうちに肩幅くらい足を広げて立ってみよう。土踏まずのちょっと後ろに重心が来るように意識しつつ微調整するとヒザ立ちと変わらない感覚の場所がある。これこそが猫背が解消された姿勢といえるらしい。

 実際にやってみると、正しい姿勢が面白いように分かる。だが、その姿勢のまま1日を過ごそうとすると、どうも肩凝りが悪化したような気がするし、座るとすぐに姿勢が悪くなっている自分に気が付いた。

■正しい姿勢で座るコツ

 そこで今度は座る姿勢にも気を配るようにした。はませ氏によれば、正しい座り方を身につけるためには「坐骨」を見つけることが必要だという。座骨とは背筋を伸ばして座った時におしりにゴツゴツと当たる骨のこと。堅い椅子であればある程見つけやすいというこの骨が下に感じる位置で座る。机の高さも自分に合った高さに変えれば、より姿勢がピンと伸びる。試してみると、確かに姿勢が伸びて、気持ちがいい。だが、これもまたすぐに戻ってしまう。どうやら人間の身体というのは、形状記憶されるらしく、姿勢を伸ばしても気を抜けば、すぐに背中が丸まっている。筋肉が強張ってしまっているのだろうか。

■一番効果的だったのは“ウォーキング”

 はませ氏に一番効果があったのは、筋肉を柔軟にする効果があるというウォーキング。大股で後ろ足を地面に残すイメージで歩くと良いようで、確かに実践してみると、爽快感がある。しかし、私は、3日目くらいで「今日は寒いからウォーキングなんてしないで早く部屋でぬくぬくしたい」という欲求に打ち勝つことができなかった。はませ氏は「猫背を治すぞ」という強い信念があったからウォーキングが続いたのだろう。思えば、いろんな方法を試そうとするその根性に頭の下がる思いがする。

■結局、猫背解消で大事なことは?

 この本の中で、はませ氏は、バランスボールやストレッチポールで運動してみたり、姿勢矯正インナーを着用したり、座る姿勢をサポートするBackjoyという座布団(?)を使ってみる等、他にもあらゆる方法を試して効果を挙げている。私はこれら全ては試しておらず、猫背改善に挑戦したのも1週間程。はませ氏のように効果を出すためには自分に合った方法を見つけるために様々な方法を試し、それを持続する時間が必要らしい。しかし、私が治すべきなのは、猫背よりも、「ねこのようにコタツの中で丸くなっていたい」という自分への甘えではないか。日本人の7割は身体の不調に悩むだけで猫背を改善できないでいる。こんなことではいけない。はなせ氏の挑戦を元にいろんな方法にチャレンジしてみよう。大切なのは方法ではなく、「猫背を治してやるんだ!」という強い思いだということに気が付いた次第である。

文=アサトーミナミ(猫背代表)