いま世界で注目されている絵本「くまちゃん」シリーズのデイヴィッド氏が来日

文芸・カルチャー

更新日:2014/11/14

おめでとうくまちゃん』(シャーリーパレントー:著、デイヴィッドウォーカー:イラスト、 福本友美子:訳/岩崎書店)

 4匹のくまちゃんたちの愛らしい表情とシルエット、温かみのある柔らかな色彩が特徴で、世界中の読者を魅了する絵本「くまちゃん」シリーズ。『おすわりくまちゃん』『だいすきぎゅっぎゅっ』ほか、14作品が翻訳され、累計40万部を突破。そんな人気シリーズのイラストを手掛けるのは、アメリカノースカロライナ州在住のイラストレーター、デイヴィッド・ウォーカー氏。このたび、最新刊『おめでとうくまちゃん』の発売とともに来日し、都内にてレセプションが開催された。

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 デイヴィッド氏は、「これほど素晴らしいたくさんの方が読んでくださって嬉しいです。関わってくれたすべての方に感謝すると同時に恐縮しています。」と謙虚に語った。

 父親でもあるデイヴィッド氏は、自身の子供たちから創作のインスピレーションをうけつつ、自宅のアトリエで、絵本やグリーティングカードを描いているそう。「登場するキャラクターは、形は動物でも、人間を描くときと同じようにキャラクターを作っている」という。

 最新刊『おめでとうくまちゃん』は、小麦粉を入れて、牛乳をまぜて、ケーキを作る。赤いリボンをかけてプレゼントを用意。ケーキが焼けたらクリームを塗って、ろうそく立てて、いよいよ誕生日会がスタートするという、思わず笑顔がこぼれる絵本だ。パステルカラーに可愛いくまちゃんたちに、子どもたちの優しい心、思いやりの心が育ち、大人も一緒に癒される。そんな「くまちゃん」シリーズはもはや日本の絵本界に欠かせない存在だ。

 翻訳を担当する福本友美子氏は、「はじめて『くまちゃんシリーズ』を手にしたとき、くまちゃんのあどけないしぐさに和みました。――デイヴィッドさんは、小さい子のしぐさを熟知した優しい方」と語った。また、子どもたちが普段使わない言葉「ハグ」を「ぎゅっぎゅ」と表現したことなどにも触れ、「小鳥、犬、小さなものたちが子供を見つめる中にも“らぶ”を感じます。デイヴィッドさんの作品にひとつ共通していることは、“らぶ”です」と語った。

「くまちゃん」シリーズは、いまや絵本の世界を飛び出し、ぬいぐるみや文具、洋品など、グッズ展開もしている。デイヴィッド氏が「これからもたくさんの作品を出して成功をおさめていきたい」と語ったように、今後も「くまちゃん」とともに、優しさや思いやりを世界中に届けてくれることだろう。