16年間、カラスをペットとして飼い続けて分かったこと【けっこうカワイイ?】

コミックエッセイ

更新日:2020/5/11

 先日、車で田舎道を走っていたら、道路の真ん中に黒々としたものが。スピードを落としてよけると、目に入ったのは猫の死体と数羽のカラス。猫は見るも無残な姿に。カラス憎し、猫あわれ…。

 では、これが逆だったらどうだろう? 傷ついたカラスを見ても、多くの人はおそらくたいしてなんとも思わないのではないだろうか。

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 ところが、そんなカラスを助けた人がいる。それが漫画家の犬養ヒロさん。元々動物看護士として動物病院に勤務したことがあるくらい、根っからの動物好き。ある日、猫に羽をかまれて飛べないでいたハシボソカラスのヒナを見つけたそうだ。そこでかわいそうに思った犬養さんは、愛情深い親ガラスに襲われつつもなんとか保護。傷が治ったら自然にかえすつもりが、動物病院で一生飛べないと診断されたために、自宅で飼うことに。コミックエッセイ『カラス飼っちゃいました』(ぶんか社)で、かいがいしく世話をするカラスライフを披露する。

 そもそもカラスを飼うことができるのか? NPO札幌カラス研究会によると、カラスを含める野生動物をペットとして飼育することはできないそうだ。ただ、傷ついたカラスを「傷病鳥獣」として保護した場合、元気になるまで飼育することは仕方がないとの見解を示している。ということは、やはりカラスをペットにするなんて貴重な経験なのだ。誰も飼おうと思わないだろうから、うらやましく思うこともないだろうけれど。

 そして、実際、この本を読むとカラスがいかにペットに向かないかがよくわかる。スズメやカラスの巣の下がフンだらけであることからわかるように、鳥類はよくフンをする。空を飛ぶときに身を軽くするため、ひんぱんに排泄を繰り返すのだ。カラスも例外ではなく、犬養さんもカラスの“かぁ子りん”のうんこの処理に日々明け暮れている。しかも、犬養さんはほかの犬や猫とともに放し飼いに近い状態で飼っている様子。かぁ子りんは、鳥の特徴である尿と便が一緒になったものを所構わずべちゃっと落とす。このため、犬養さんは「うんこ鳥」と何度となくかぁ子りんをののしっている。