モー娘。10期のまーどぅー。「好きな木は何ですか?」の質問で見えてくるメンバーの本音

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更新日:2014/11/21

 2014年下半期、ハロプロに激震が走っている。モー娘。の12期メンバー加入とグループ在籍期間歴代最長かつ8代目リーダーを務めた道重さゆみの卒業、前ぶれなく発表されたBerryz工房の無期限活動休止、スマイレージの3期メンバー加入と改名の発表、そして、℃-uteの矢島舞美をリーダーに据えたハロプロの新体制発足と、トピックを挙げればキリがなくなるほどだ。

 アイドル戦国時代が叫ばれるよりもはるか前から、いくつもの伝説や歴史を築き上げてきたハロプロ。アイドル業界が過渡期を迎えた今、ハロプロへの注目が高まっている空気も感じられる。

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 かくいう私も、2010年頃から追い続けてきたアイドルの世界にわずかながらの閉塞感を抱く中、今さらながらその魅力に気づいた一人だ。正月にたまたま知人に誘われた中野サンプラザでのコンサート『Hello! Project 2014 WINTER ~GOiSU MODE~』で見た、Berryz工房のパフォーマンス、そして、ファンも含めた会場全体を包み込む現場の完成度の高さに一発で魅了されたのを覚えている。

 ただ、十数年と積み上げてきた歴史を今からたどるのは、どれほど時間があっても足りない。分からないことが分からない。何から知ればよいのかも手探りではとてもつかめないほどだが、元来のハロプロファンである知人から1冊の本をすすめられた。今年10月に発売された『まーちゃんくどぅーのハロプロ先輩探訪団』(竹書房)である。

 2011年の「モーニング娘。10期メンバー「『元気印』オーディション」にて加入した佐藤優樹(愛称・まーちゃん)と工藤遥(愛称・くどぅー/ハロプロエッグ出身)が記者として、自由奔放な掛け合いのもとに、ハロプロの先輩たちへ思いつくままの質問をぶつけるのだが、そのやりとりがとんでもなく奇抜である。

 佐藤記者の「好きな木は何ですか?」という予想だにしない質問へ困惑する先輩たちを見かねて、通訳と称される工藤記者が修正したり、先輩たちをさしおいて自分たちの思い出「ハワイ号泣事件」をいきなり語りはじめてしまったりと、独特のリズムの中でインタビューは進んでいく。もう一人の登場人物、影の仕切り役である担当編集者がタジタジになっている様子もうかがえるが、いわゆる「プロのインタビュアー」では引き出せないメンバーひとり一人の本音や人間性、キャラクターを、ハロプロの一員である2人だからこそうまく浮かび上がらせてくれている。

 Berryz工房、℃-ute、真野恵里菜、スマイレージ、そして、ハロプロのパフォーマンスを影で支える振付師・YOSHIKO先生、プラチナ期を支えてきた元メンバー・新垣里沙、アイドル界の伝説ともいえる8代目リーダー・道重さゆみへのインタビューを新たに収録した1冊。ハロプロファンだけではなく、アイドルに興味がある人の心をきっと、熱くさせてくれるはずだ。

文=カネコシュウヘイ