年収400万円のシングル女子が老後を生き抜くのに必要な貯金額とは?

マネー

更新日:2014/11/22

 一生、結婚できなかったらどうしよう…未婚女性なら誰しも一度は考えたことがあるはずだ。30、40と年齢を重ねて行くたびに、不安は現実に近づいていく…。

 一生シングルの場合、一番の不安はやはり“お金”ではないだろうか。筆者は今年、30を迎えた。なぜか、30という数字を目にした途端、一生ひとりだったらどうしよう。という不安が芽生えた。老後はどれくらいお金がかかるのだろう? 貯金はいくらぐらい必要なのだろう? 疑問は増えていくばかり。

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 『「おひとり」を不安0で生き抜く女子貯金』(横山光昭/祥伝社)では、一生シングルで過ごす女性に向けたお金の問題と解決方法が書かれている。本書からお金の不安なく充実したシングルライフを送る方法を探ってみよう。

■老後の生活費はいくら?

 老後の生活にはどのくらいお金がかかるのだろう。

 総務省の家計調査による、60歳以上の女性単身世帯の平均消費支出は月15万円。一般的な企業の定年は65歳。女性の平均寿命は87歳ということで、90歳まで生きたとして、65歳~90歳までの25年間のお金を計算してみよう。

 月額支出15万円×12か月×25年=4500万円

 老後25年間、毎月15万円かかるとすると単純計算で4500万円は必要になる。しかし、4500万円は最低限の生活費でしかない。
 医療費や介護される費用、家の修繕などその他に臨時の出費がかさむこともある。そう考えると老後は誰しも5000万円~7000万円ほど必要と考えた方が良い。

 5000万円~7000万円は、とてつもない金額だがここに厚生年金や共済年金などの収入もあり全てを貯金しなくてはいけないわけではない。

■実際に貯金しなければいけない金額は?

 では、実際に必要な貯金額はいくらだろう。貯金額を計算する前に65歳以上のおひとり女子の平均的な収入を見てみよう。

 収入の核となる年金支給額は、現役時代の収入や加入期間によって異なる。現役時代の平均年収が400万円の場合、厚生年金や共済年金で月12万円ほど確保できる。これを25年間で計算してみよう。

 月額収入12万円×12か月×25年=3600万円

 単純計算しただけでも3600万円ほどになる。もし、老後5000万円ほどの資金が必要だと考えるなら、差額の1400万円を貯めておけばよいという計算になる。1400万円…結構な額である。やはり、計画的に貯めるべきだろう。

■どうやって貯金すればいい?

 計画的にとはいえ、どのように貯金をすれば良いのか。貯金の基本は「自分の出費の中身を把握すること」と著者の横山氏は言う。

 まず、はじめに行うのは“出費”を3つにわけること。
・生きていくうえで必要不可欠な「消費」
・ムダ遣いや、よくよく考えれば不必要な「浪費」
・自分の将来のためになるお金の使い方「投資」

 この3つの分類を、まずは1カ月行ってみよう。買い物をしたらレシートを必ずもらう。1日の終わりにレシートを「消費」、「浪費」、「投資」に分類する。1カ月経ったら集計をしてみる。

 理想的な数字は「消費:浪費:投資=75:5:20」。この数字に近ければ近いほど貯金しやすい人と言える。そして、貯金が出来ない人は、浪費が多くなる傾向にある。

 出費の種類がわかることで、貯金ができない原因もわかり、お金の使い方もわかってくる。これが見えてくることによって自然とお金が溜まりやすくなっていく。

 おひとり女子は、介護費用やマイホーム問題など、ファミリーとは違った目線で考えなければいけない老後の課題が多い。

 本書では、おひとり女子が急に結婚することになった時の対処法も書いてある。結婚してもしなくても、自分にとって有益な情報が得られるに違いないはずだ。

文=舟崎泉美