妻がオッサン化! これが女の最終形? あの頃に戻ってと願う夫をリアルに描く

コミックエッセイ

更新日:2014/11/22

俺が結婚したのってオッサンだったっけ?
結婚当初はあんなにかわいかったのに…
(周囲には理想の夫婦で通っている以上)休日ばったり同僚になんか会えない。
これが、結婚の現実か。

 そんな思いを抱える世の夫たちの気持ちを代弁するコミックエッセイ『妻がオッサンになりました。』(あさ出版)が10月末に発売された。書店を見渡してみると、夫婦の日常を描いたコミックエッセイは実に多く、いまや人気ジャンルのひとつだ。『ダーリンは外国人』(小栗左多里、トニー・ラズロ)や『結婚一年生』(入江久絵)、『うっかり結婚生活』(池田暁子)など、女性作家さんが描くものが目立つが、本作は36歳1児のパパ・yasu33yasu3939さんが妻のオッサン化についての悩みを綴っている。

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 付き合い出した当時から18kgも巨大化し、体型は「ボンレスハム化してきている」妻・わかこ。その姿を嘆く夫・のりやす。食べ物に目のない妻の暴走を止めようと、自ら台所に立ってカロリー控えめの料理を作ってみるも(直接痩せてほしいと言わないのが偉い)、お肉が足りない~と妻からクレームが入る。

 着られなくなってしまった妻の洋服の断結離を手伝う協力的な夫。昔の女の子らしい可愛い絵柄のものが、時代を経るにつれて柄はなくなり色味も消え、カワイイ妻絶滅に向かう事態に絶望する夫の姿は、なんとも切ない。

 妻が昔の会社の友人を我が家に呼ぶというシーンでは、「ママ以上の(オッサン化した)先輩が来たらどうしよう…」と落ち着かない夫の予想に反して、妻の友達とは思えない美人の登場に「こんな人が奥さんだったらなぁ――妻よゴメン…でも妄想くらい許して」という夫のホンネが。

 と悩みは絶えず、切なさすら漂うが、夫は、決してオッサン化してしまった妻を否定しているわけではない。そんな妻が愛らしくもあり、温かく見守ろうともしている夫は、“等身大の幸せ”を噛みしめているようにも見える。ほのぼのとしたタッチのイラストがより現実味を増し、のろけではないのがまた清々しいのだ。

 結婚して何年経ってもいい関係でい続けられる夫婦というのは、この2人のような感じなのかもしれない。