“なんとなく休む”は絶対NG! どんなに忙しくて不摂生でも「疲れ」を翌日に持ち越さない方法

健康

更新日:2014/11/26

 「ち 地球のみんな! たのむ! たのむから元気をわけてくれ!」

 無敵になりたい。悟空になりたい。元気玉が作れるようになりたい…。年齢のせいなのか。過労のせいなのか。疲れがなかなか取れない最近、ふとキーボードを叩きながら、そんな妄想にふけるのである。

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 今日はこれをして、あれをして、とスケジューラーを眺めながら、毎月毎週毎朝、きちんと計画を立てるにも関わらず、どうも体がだるくて、集中力が保てない。かといって「睡眠、栄養バランスのよい食事、リラクゼーションタイムをたっぷり取る」なんていう医師が言うようなことを守ったら、明日の締め切りを落として自滅するのが目に見えている。それが医学的にどんなに正しくても、今の自分には実行不可能。ああ、24時間、不眠不休で働いても疲れない体さえ手に入れば、もっと働けて、もっと稼げるのに…。社会人なら、誰しも一度は願ったことがあるだろう。

 そんな折、経営者でコンサルタントで医師という、なんとも輝かしい肩書きを3つも持っているスーパーサイヤ人のような裴英洙氏の近著『なぜ、一流の人は「疲れ」を翌日に持ち越さないのか』(ダイヤモンド社)を手に取った。すると、「今の疲れを100としたら、それを1にまですることが可能」「今までの10分の1の時間で回復させることもできる」と書かれてある。

 そのコツというのが、疲れをV字回復できるように「見える化」を心がけること。ハイパフォーマーの人たちも、実は疲れていないのではなく、疲れからのV字回復を実践しているため、疲れに対して何もアプローチをしない、もしくは誤ったアプローチをしているU字回復タイプのそこいらの凡人と比べて、バリバリと働けるのだと同氏は主張する。

 まず、手を上げて元気玉をつくろうとすると、肩甲骨がガチガチで手すら挙がらない…という「昔は悟空かぶれ、今はただの中年」の我々が押さえておきたいのは、自分の疲れのタイプを知ることだ。疲れには、肉体的疲労(筋肉を動かすためのエネルギーが不足している状態)、精神的疲労(人間関係や悩み事などのストレスを原因とする心の疲れ)、神経的疲労(長時間のデスクワークや細かい作業などで、目の神経や脳が緊張した状態が続くことによる頭の疲れ)の3種類あり、互いに密接に関係しているため、放っておくとお互いがタッグを組んで悪さをするのだとか。この対処法として、一番ダメなのが「なんとなく疲れているから、なんとなく休む」こと。疲れたと感じたら、その日1日、または数日前の行動をしっかりと顧みて、疲労を起こしている問題を明確にし、それに対する解決策を探り出す必要がある。そのために、カラダの体調について○△×などで記載する「カラダ手帳」をつけ、疲れの「見える化」を実践。自分の体を知るために、点ではなく、線でとらえるのだ。「なんとなく疲れた」の「なんとなく」の部分を見える化することで、1.疲れを緩やかにし、2.疲れの底を浅くし、3.疲れからの回復(立ち上がり)を早くするという、疲れからのV字回復が可能となる。

 同書には、このほかにも疲れのV字回復に近づけるポイントが満載なのだが、中でも今すぐできそうなのが「休息も仕事のスケジュールに組み込むこと」。1日は9時~12時+ランチタイム、13時~15時30分+おやつタイム、16時~18時30分+夕食タイム、1週間は月~水+水曜夜の自由時間、木~金曜、土曜~日曜の休息と、時間を3区切りにして“戦略的な休息”をスケジュールにはじめから入れてしまう。空いている曜日に飲み会やジムの予定を入れるのではなく、最初から休息の時間を決めてしまう。また、高級マットレスや枕を買わなくてもホットミルクで安眠を促せることや、「とりあえずビール」をやめると二日酔いや悪酔いになる率が低下すること、朝目覚めてから13時間を過ぎると人間の集中力は低下するため、朝を充実させることなど、同氏のアドバイスは無理なくビジネスパーソンの生活に取り込めるものばかり。

 疲れはこびりつくまえに落とすのが一番。「ためない生活」を心がけたい。

文=山葵夕子