「奈波果林」声優インタビュー&撮り下ろしグラビア【声優図鑑】

アニメ

更新日:2015/8/27

奈波果林

これからの活躍が期待される声優に、声優を目指したきっかけや、初めてのお仕事、そしてプライベートなことまで、気になるあれこれについてインタビューを行い、さらに撮り下ろしのミニグラビアも交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

第43回となる今回は、『ノブナガ・ザ・フール』のチャチャ役などを演じる奈波果林さんです。

――声優を目指したきっかけは、どんなことですか?

奈波:私、小学校のとき、クラスの仲のいい子たちと3人で、自由帳を使って自作の漫画を作っていたことがあって。自分たちをモチーフに、設定も深くして、続編や番外編まで作ったりしてました。

私は絵が描けなかったので、声担当だったのですが、 キャラクターの声を作って読み上げたりして遊んだのが楽しかったなって思い出して。その頃から、お芝居のお仕事を意識するようになりました。

――『ノブナガ・ザ・フール』のオーディションをきっかけにデビューされたんですよね。オーディションはどんな感じだったのですか?

奈波:はい。舞台とアニメを連動させたプロジェクトのオーディションで、それをきっかけに “くノ一”のひとり、チャチャ役を演じることになりました。
“くノ一”はチャチャ、ハツ、ゴウというキャラの3人の組み合わせなのですが、オーディションも私たち応募者同士が3人で組んで受けるという形式でした。最終審査では課題曲があり、ワンコーラスを審査員の方々の前で歌ったのですが、その課題曲の間奏が長くてドキドキしたことを覚えています(笑)。

――チャチャ役を選んで受けたのは、どうしてですか?

奈波:お姉さんで、リーダー気質で、ちゃんと引っ張ってくれるチャチャのことが大好きで憧れていたのと、3人のなかでいちばん共感できたからですね。


――昨年12月に舞台出演されて、その後すぐ、今年1月からTVアニメが放送。その両方でチャチャを演じた感想は?

奈波:舞台のほうは、動きの演技をする方と、声のキャストとが異なる珍しいステージだったのですが、私は両方演じました。じつは、舞台とアニメのチャチャのイメージがちょっと違ったこともあって、けっこう悩みました。アニメのチャチャは完全にリーダー気質のお姉さんで、ハツとゴウを叱りつける感じだったのですが、舞台でのチャチャは元気な感じで、3人とも対等な関係。割り切るのにだいぶ時間がかかりました。物語も、アニメのエピソード0が舞台で語られたりと織り交ぜられていて…。

アニメでは、オンエアを観るたびに、自分が思っているよりできていないことが悔しくて。でも、せめて役や作品への気持ちだけは乗せたい、と強く思いながら収録に臨んでいました。

――舞台からアニメへ、というビッグプロジェクトが終わったときに感じたことは?

奈波:私のなかには、このプロジェクトが1年くらいベースにあったので、終わってしまったときも実感がなかったです。これまであんまり振り返ったことがなかったのですが、今思えば、巣立ちするような気分でした。ここをベースに独り立ちしなきゃって。今後、大きく関わらせていただいた『ノブナガ・ザ・フール』の名に恥じぬように羽ばたいていかなきゃいけないと思いました。
あと、ハツ役の梅村結衣ちゃんと、ゴウ役の高橋紗紀ちゃんは舞台もアニメも一緒に乗り越えてきて、家族みたいな存在だったので、会えなくなるんだなと思ったら、泣いてしまいました。

――チャチャとも長いつきあいになりましたね。

チャチャを舞台とアニメ両方で演じさせていただくうちに、チャチャにも子供っぽいところがあることがわかりました。でも、戦国の時代に、無理矢理オトナにならなきゃいけないっていう意地も見えて。そういう部分を自分と重ねていくうちに、憧れていたチャチャがお友だちのようになって、そのうちお姉さんのような存在になりました。チャチャは今も心のなかにいて、いっつも応援してくれている。今までツラいことがあったときも、チャチャが応援してくれたし、一緒に頑張ってきたから、全然心細くなかったんですよ! チャチャのおかげで自信もついたし、とんでもなく大きなものをいただいたなあと感じています。チャチャはたぶん、この先も一生、私の心のなかにいると思います、ずっと。


――では、そんなデビュー作を経て、ほかの出演作も続きましたね。カードゲーム『ヒーローズプレイスメント』では、全部で3役を演じられて。

奈波:はい。1人目は石川県七尾市の畠山奈菜ちゃん、2人目は愛媛県松山市の大窪伊予ちゃん、3人目は和歌山県御坊市の日高みやこちゃんです。47都道府県、市区町村の女の子たちが出てくるカードゲームなのですが、あらためて日本って広いなあって思いました! その子たちが地元を背負って地元アピールをするんですよ。たとえば畠山ちゃんだったら和蠟燭とか。私、和蠟燭のことを知らなかったので、それを知るだけでも視野が広がりました。演じながら、いろんなところに行きたくなりましたね。初めてのゲーム収録だったので、すごく思い出深いです。

――『デュエル・マスターズ』には小ジローという役でご出演を。

奈波:小ジローは、4人兄弟の末っ子ということもあって、すごく自由な男の子です。音響監督さんも「本当に自由に演じてください!」とおっしゃっていたくらい。その4人兄弟がすごく貧しいんですよ。人の家のご飯の匂いを嗅ぎながら白ご飯を食べるっていう…。でも、小ジローがかわいいんです。弟にしたいくらい(笑)。

――ベテランのキャストも多数いらっしゃいますが、どんなアフレコ現場ですか?

奈波:『デュエル・マスターズ』は、テーマが熱血なんです。それだけに現場もアツくて。キャストのみなさんとスタッフさんの間では「死ぬ気で演じて!」とか「もっとアツく!」という言葉が飛び交っていて。でも、収録前後はみなさんが一緒になって遊んでいたりして。本当にあたたかくて大好きな現場です。私、声だけのオーディションで役をいただいたのが初めてだったので、それもあって、ちょっと前進できたかなって思えた大切な作品です。アラハートちゃんっていう火の鳥のクリーチャーを演じたときは、その子のグッズをお財布に入れて持ち歩いていたくらい、すっごく嬉しかったです。


――トライブクルクルにもご出演さえれておりますが、どんな役を演じているのですか?
ヒロインである音咲カノンの姉・キミカを演じさせて頂いています。

――音咲キミカを演じてみてどうでしたか?
妹のカノンちゃんは、ダンスが大好きで才能もあるのに、引っ込み思案な性格で…。
家庭や学校が凄く厳格な環境なので、周りに「ダンスが好き!」と言えず、自分を隠して踊っていました。そんな中、キミカは主人公・ハネル達と出会って変わっていく、カノンの小さな変化に気付いて時々、ぽんっと背中を押すんです。なんだか、キミカを演じて私もお姉ちゃんが欲しくなりました(笑)これからも、危なっかしいけど真っ直ぐなカノンちゃんをキミカと共に支え続けたいと思います。


――ちなみに奈波さんは、休日はどう過ごしていますか?

奈波:私、犬の散歩以外は外に出ないんですよ! 7年間ずっと一緒にいるダレンくんっていうポメラニアンと一緒に、ずっとテレビを観てるんです。早朝のニュース、深夜のドキュメントまで。お昼のワイドショーも好きですし、「旦那には言えない…」みたいなインタビューも観ますし、キューピー3分クッキングも好きです(笑)。特に好きなのは、ドッキリ系。あり得ない状況で人がどう反応するのか、すっごく興味があって。そんな感じでずっとテレビを観ています(笑)。

――ではこれから、どんな声優さんになりたいですか?

奈波:作品のファンの方が奈波果林なら安心して任せられるなと思って頂けるような声優になりたいです。原作が好きだったり、漫画家さんやキャラクターデザインの方が好きで観てくださる方々にも、「この人ならキャラクターとちゃんと向き合って、丁寧に演じてくれる」って思ってもらえるように。自分もアニメが大好きだから、好きなキャラクターは大切にしてもらえたほうが嬉しいんです。

――挑戦してみたいキャラクターは?

奈波:どんな役も演じてみたいですけど、いちばんは等身大の役かな。思いっきり演じてみたいです。あとは、観た人のやる気や元気が出るような作品づくりに、その一員として携わっていけたら嬉しいですね。

――もし「等身大の役」として、自分に似ている役を演じるとしたら、どんな役だと思いますか?

奈波:きっと、夢を追っているキャラクターじゃないかなって思います。大きな夢を持って、あきらめずに前に進んでいる、そんなキャラクターだと思います。


――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!


奈波果林

・奈波果林 on Twitter
https://twitter.com/nanamikarin0107

(取材・文=麻布たぬ、撮影=山本哲也、キャスティング協力=吉村尚紀)