ナチュラル「ショートカット女子」の魅力を再確認せよ! 「ドアノブ少女」「水中ニーソ」等フェチは多様化するけれど…

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更新日:2014/12/15

 『ドアノブ少女』(吾嬬竜孝:企画・撮影・著/えはらあい:撮影/アスペクト)、『水中ニーソ』(古賀学:著/ポット出版)という言葉に聞き覚えはないだろうか。どちらも少女たちをあるシチュエーション下に置き、撮影した写真集である。ドアノブを舐める、水中でニーハイソックスをはかせるなどの非日常感が魅力だ。

 そんな中、あえて日常の中でナチュラルな女の子を撮影した写真集がある。

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「女の子はショートカットにすれば、みんな可愛い」と語るのは、ショートカット少女たちの写真集『LIFE is SHORT (ライフ イズ ショート)』(ショートカット推進委員会:著/ショートカット推進委員会、塚岡雄太:編集/飯田えりか:写真/メタブレーン)の塚岡雄太さん。

「ツインテールやポニーテールなどアイドルがよくする髪型というのがあります。そこにはどうしても“アイドル”として作られた可愛さがある。それはそれで良さがあるのですが、ショートカットは作られた感がないのが魅力です」

 そんなナチュラルさが魅力だというショートカット。しかしショートカットにできる時点で、顔がある程度可愛いのでは…、と反論する筆者に対し、塚岡さんは笑顔で答えた。

「可愛さは、似合うショートカットのスタイルを自分で分かっているかどうかで決まります。誰にでも似合うショートカットが必ずあるはず」

 とは言え、髪は女の命…。長い髪をバッサリ切るには勇気がいるものだ。本書のモデルたちもショートカットにする時には、何かしらの理由や決意があったという。

「オーディション時に、ショートカットにした理由は必ず聞きました。失恋だったり、イメチェンして気分を変えたかったという理由も多い。アイドル活動をしていて、周りと差別化をはかりたいという子もいた。理由はいろいろですが、みんな何かのキッカケがあって髪を切っている」

 本書に登場する女の子たちは、オーディションに応募してきた500人を超える中から選ばれた17人だ。芸能事務所に所属している子もいるが、撮影時にはモデル経験がない子が大半だったという。

福永朱梨(ふくなが・あかり)

「撮影場所やシチュエーションはこちらで設定するのではなく、相談しながら決めました。その子が一番自然体でいられる場所、たとえばダンサーの子ならダンススタジオ、サブカル好きな子はヴィレッジヴァンガードの店内で。北海道出身のモデルを撮影した時、東京はたまたま大雪だったんですよ。色白で雪が似合う子だったので驚きました」

奈々瀬(ななせ)

 だからこそ、撮影に慣れていない女の子たちの自然な表情が引き出せたのだろう。

 そもそも本書が発行されたのは、塚岡さんがショートカット美女の写真を紹介するFacebookページを2012年秋にスタートしたことがキッカケだった。毎日2枚ずつアップし、1年後には膨大な写真がストックされた。それと同時に「書籍化プロジェクト」が立ち上がった。

 資金は、インターネットを通じて不特定多数の人々に比較的少額の資金提供を呼びかけ、一定額が集まった時点でプロジェクトを実行するクラウドファンディングサイトで用意したという。多くの人の協力と応援により、出来上がった手づくりの写真集だ。

「気づいたかもしれませんが、この本のタイトルはダブルミーニング。“ショートカットなしでは生きられない”という意味と、“人生は短い”という意味です。短い人生の中でも、女の子が輝いている時間は特に短い。最高に美しい一瞬に、この本のモデルたちがショートカットだった奇跡に感謝しています」

 ナチュラルで“普通”だけど、どこか気になってしまう可愛さを持つ女の子たち。それぞれが最も輝いている一瞬を、ぜひ覗いてみてほしい。

タナベアイリ

佐藤椿(さとう・つばき)

のざわうた

文=吉井あゆみ(Office Ti+)