魂が宿る本とは!? 不思議な古本屋を舞台にした物語 第2回ダ・ヴィンチ「本の物語」大賞受賞作決定!

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/21

第2回ダ・ヴィンチ「本の物語」大賞の大賞受賞作が、三萩せんや氏による「裏道通り三番地、幻想まほろば屋書店」に決定した。三萩氏には賞金100万円が贈られる。
※画像は第1回大賞受賞作品『初恋は坂道の先へ』(藤石波矢)

同賞は「ダ・ヴィンチ文学賞」がリニューアルして創設されたもので、今回が2回目の開催。応募規定として、本がストーリーの中で重要なアイテムだったり、書店や図書館が舞台だったりと、「本にまつわる物語」でなければならない。本についてさまざまな情報を多くの読者に届けてきた『ダ・ヴィンチ』ならではの文学賞だ。

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選考は『ダ・ヴィンチ』編集部の他に、読者審査員および書店員審査員178名で行われた。

「裏道通り三番地、幻想まほろば屋書店」審査員講評抜粋
●人間の汚さや、狡さはたしかに存在するものだけれど、それよりもきれいで大切な何かが残る、心に沁みる物語。人間以上に人間臭い本や、浮世離れした店主、手先も生き方も不器用な主人公。それらを優しく見守り背中を押す周りの人々。どれも魅力的だった(33・女・書店員)
●読後、思わずほろりと涙をこぼしてしまった。本好きなら誰でも訪れてみたいと思えるような場所が描かれていて、作者はきっと心から本を愛する人物なのであろうなあと思った(21・女・書店員)
●本好きの友達に薦めたい物語ナンバーワン。僕もいつかまほろ本に巡り合いたい、そう思わせてくれる素晴らしい本の物語だった(20・男・学生)
●本に生命があるという設定に、冒頭から引き込まれた。不思議な古書店の主とヨミ、サクヤの関係にどんどん引き込まれていった。ぜひ、アニメ・実写の映画でこの作品を見てみたい(50・女・主婦)
●瑞々しい情景描写が魅力的な作品。「本」とはどういう存在なのか、もう一度見つめ直したくなった。読了後、本がより愛おしい存在に感じられた(47・女・パート)
●本屋さんに行くとワクワクするのは、もしかしたら、本棚の中にまほろ本がひっそりと収まっているからかもしれない。豆本の子犬・豆太が走り回っているような本屋にぜひ行ってみたいですね(59・女・会社員)
●魂の宿る生きた本という設定は独特で、作中のキャラクターはそれぞれ魅力がある。あやうく、まだ発売していないことを忘れて、どこかで語りそうになるほど魅了されました(31・男・会社員)

2015年1月6日発売の『ダ・ヴィンチ』2月号では、受賞者のコメント、受賞作のあらすじが掲載され、2月6日発売の『ダ・ヴィンチ』3月号では、受賞作の一部が掲載される予定。