「会席料理と懐石料理」「魚介類と魚貝類」「海老と蝦」は何が違う? 辞典編集部が教える、今さら聞けない日本語

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更新日:2015/1/14

 新しい年を向かえ、新年会のお誘いも多く来るころ。例えばこんなメール。

「新年明けましておめでとうございます。新年会は、会席料理を予約しました。魚介類が美味しく、伊勢海老がオススメのお店です。」

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 友人から来るような何気ないもの。でも、何か気にならないだろうか? そう、会席料理も、魚介類も、海老も、“懐石料理、魚貝類、蝦”と別の漢字が存在する。同じ読み方なのに別の漢字を当てはめてしまうと、違う意味になるのは日本語の難しいところ。

日本人ですが、ただいま日本語見習い中です!』(ふじいまさこ:イラスト、学研辞典編集部:監修/学研教育出版)では、普段使っている日本語について、辞典編集部員が詳しく解説している。

 冒頭に書いたような同じ読み方なのに、意味が違ってしまう漢字は日本語にはとても多い。まずは、冒頭文を解説してみよう。

会席料理…一般的にお酒を飲む宴席に出される料理のこと
懐石料理…茶の湯の席で、茶をすすめる前に出す簡素な料理

魚介類…魚貝類にエビやカニなどを加えた水産動物全般のこと。“介”は「鎧」「殻」の意味で、かたい殻を持つ生き物をさす。
魚貝類…魚と貝のこと。貝にはタコやイカも含む。かつては「ぎょばいるい」と読んでいた。

海老…伊勢エビなどの歩くタイプのエビ。
…クルマエビやボタンエビなどの泳ぐタイプのエビ

 覚えたつもりになっていても、いざ書こうとすると、どっちがどっちかわからなくなるのは筆者だけではないはず。

 他にも、同じ読み方で間違いやすい漢字といえば“おじさん”“おばさん”だ。こちらもおさらいしてみる。

<おじさん>
小父…年配の男性のこと
伯父…母または父の兄
叔父…母または父の弟

<おばさん>
小母…年配の女性のこと
伯母…母または父の姉
叔母…母または父の妹

 この他にも本書にのっている同じ読み方で意味の違う、間違いやすい漢字をいくつか紹介しよう。

<こたえる>
答える…返答
堪える…耐え忍ぶ
応える…反応する・報いる

<せいちょう>
静聴…静かに聞くこと
清聴…相手が聞いてくれることをいう尊敬語

 など、うっかり間違えてしまいそうな言葉が多い。

 ちなみに“辞書”と“辞典”という言葉に明確な違いはないそう。また、“字引”という言葉も同様だ。

 本書では同じ読み方で意味が違ってしまう漢字以外にも、言葉の語源や、間違えやすい敬語の使い方、言葉の雑学などをわかりやすく解説している。自分の日本語が不安という方はぜひ読んでみてはいかがだろうか。

文=舟崎泉美