60代の「ネット書店」利用が浸透 10代を上回る利用率に

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/21

 実際の書店である「リアル書店」と、ネット通販の「ネット書店」。利用実態を調査したところ、意外な数字となっている。全国の10代から60代の男女1,000人を対象に調査(日本通信販売協会「JADMA」調べ)したところ、60代の「ネット書店」利用率は約45%と、10代の36%を上回る利用率であることが明らかになった。

また、購入傾向をジャンル別に見ると、「リアル書店」ではライトノベルや小説、雑誌といった流行や旬の情報を求め、「ネット書店」ではコミックス、趣味の本といった、タイムリーではないが興味分野の深堀りをしたい時に多く利用されているようだ。

「リアル書店」利用率は約74%、「ネット書店」利用率は約45%
過去1年に書籍を購入したと回答した715人に本を買ったことがある場所を質問したところ、「リアル書店」は73.7%、「ネット書店」は44.8%という結果となった。「リアル書店」での購入が7割以上と多いものの、「ネット書店」での購入もほぼ半数まで浸透していることが分かる。

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  • JADMA

60代の「ネット書店」利用が浸透。10代を上回る利用率に。
同じ質問で、回答を年代別に見てみると、60代の「ネット書店」利用率が39.6%と、10代の36%を上回り、シニアへの「ネット書店」の浸透度の高さが明らかとなった(青の星印)。一方、40代の「リアル書店」利用率は67.6%、「ネット書店」利用率は57.7%で差分はわずか9.9%と、リアル/ネット書店をほぼ同じ割合で利用していることが分かる(赤の点線)。

  • JADMA

「リアル書店」で旬の情報を、「ネット書店」で興味分野の深掘り情報を。
書籍のジャンル別のランキングトップ3を見ると、書籍のジャンルによって、リアル/ネット書店を使い分けていることが分かる。

「リアル書店」の利用率が高い書籍ジャンルトップ3
1位 ライトノベル 77.4%
2位 小説/ノンフィクション 76.0%
3位 雑誌 75.6%

「ネット書店」の利用率が高い書籍ジャンルトップ3
1位 コミックス 59.7%
2位 趣味の本 56.1%
3位 小説/ノンフィクション 53.7%

「リアル書店」は、書店の平積みコーナーでの流行作家の書籍の物色や、雑誌からの最新トレンド情報入手などを行い、「ネット書籍」では、コミックスは続刊の場合は物色の必要が無く、また趣味分野の専門書籍などは、欲しいものが決まっているため、店頭に出向く必要性が少ないと言える。

 趣味や興味がはっきりしている場合、「リアル書店」よりも「ネット書店」のほうが探しやすく、手間なく入手できるというメリットを感じている傾向がはっきりと出るようだ。「リアル書店」と「ネット書店」での使い分けが進むことで、「ネット書店」の購入率は、今後もさらに増えていくのではないかと予測される。