足が臭いのは蒸れているだけ…とは限らない!『危険な病気の意外な予兆69』

健康

公開日:2015/2/2

 仕事をしていると足の臭いが気になる
 Yさんは訪問入浴サービスの仕事をしている。専門学校時代、老人ホームで研修を繰り返していたころ、とある医師に触発された。「たとえ動けない方でも、お風呂に入れてシーツを替えて、洗濯したパジャマを着せてあげるだけで、とってもいい笑顔を見せてくれます。清潔というのは高齢者を元気にする力があるのです」。体が大きくて力もある若い自分こそ、訪問入浴サービスの仕事が天職だと思った。

 しかし、実際に仕事を始めてみると、思っていたよりも難しいことが多い。「気遣いが足りない」、「先回りできていない」…。指摘されると初めて自分の足りないところに気がつき、体じゅうから汗が吹き出てくるようだ。そして冷静になると、いつも気になるのが汗の臭いだ。とくに足が臭う。「靴の中で足が蒸れたのかもしれない」と思い、靴の中敷を消臭効果のあるタイプに変えてみた。仕事で履くサンダルも通気性のよいものに変え、制汗剤もまめに使った。

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 しばらくして、裸足でお客様の入浴をサポートしていたときのこと。足下にあるホースを取ろうとしたとき、自分の足から強い臭いがしてくるのに気がついた。自宅で見ると、足の指の間の皮膚がふやけて皮がむけている。そういえば、このところかゆみを感じて足の指を爪でかいてしまうことがある。
 これは何かおかしいと思い、皮膚科に行くことにした。医師はYさんの足の皮膚を少し削り取って顕微鏡で確認すると「これは水虫ですね。気になる臭いは水虫のせいかもしれません」といった。(『危険な病気の意外な予兆69』本文より(C)Junko Ichikawa)

 『危険な病気の意外な予兆69』は、医師ではなく患者からの視点の本。病気の症状は「病気になっている場所」だけに症状が出る訳ではありません。ちょっとした不調だと思っていたら、実は重大な病気からのサインだということも!
 「どこがどのくらい痛かったら病院に行けばいいの?」「内科?耳鼻科?どこにいけばいいの?」「意外なものでアレルギー?」など、予兆を知って生まれた疑問や不安、困惑を患者側の視点で伝えてくれます。

・指先がいつも冷たい原因は「膠原病」
・食べられない原因は「慢性閉塞性肺疾患」
・眠れないほどのかゆみの原因は「橋本病」
・咳が続く原因は「マイコプラズマ肺炎」

 69の予兆をびしっと教えてくれる医事アドバイザーの医師は、テレビなどで活躍している行列のできる医師軍団。脳外科、呼吸器科、皮膚科などの医師が診療科を超えて解説してくれます!

■『危険な病気の意外な予兆69
著者:市川純子
医事アドバイザー:伊藤康信(総合南東北病院 副院長)
定価:本体1,000円+税
発行:宝島社