これはバカにできない! ナウシカ気分で空撮を楽しめる週刊『スカイライダー・ドローン』は初心者にこそ読んでもらいたいシリーズだった

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更新日:2015/2/10

 『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』『紅の豚』――これらは宮崎駿監督のアニメ映画で、まるで自分も空を自由自在に飛び回っているかのような操縦者の目線での描写が爽快な作品だ。

 あんな風に空を飛びたいと考え、「メーヴェ計画」こと「オープンスカイプロジェクト」が実行されたのをご存知の読者もいるかもしれない。

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 人は昔から大空に憧れて、さまざまなものを発明してきた。単なる移動手段として空に舞い上がるのであれば、ずいぶん安価になったものだが、自由気ままに操縦できる装置を入手するのはごく一部のセレブな人達だけの特権だった。そう、「だった」。

 2014年あたりから、「ドローン」という言葉を耳にしたり見かけたりする読者も多いのではないだろうか? 最近ではこれは遠隔操作で飛ばす無人航空機のことを指す言葉となっている。「ドローンがどこそこに墜落!」「Amazonがドローンを使って配達!」などというニュースもあり、言葉としては一般的になってきたのではないか、と思う。

 さて、そんなドローンだが、最近では個人でも購入できる価格帯になってきた。わたしも「買いたいなぁ……」と思う1人なのだが、いかんせん、ゲームコントローラーすらまともに操作できないレベル。仕組みや使い方を懇切丁寧に教えてもらわないと、危なっかしくて購入などとてもじゃないけどできない。「墜落!」となれば、ドローンに費やした費用が水の泡になってしまうし。

 そんな折、デアゴスティーニが2月3日、週刊『スカイライダー・ドローン』を創刊した。これは、デアゴスティーニお得意の「分冊手法」により、最終的にドローンを完成させよう、というシリーズだ。これまでもロボットを組み立てるものなどがあり、週刊「ロビ」は好評のため第3弾が始まっている。

 このシリーズは、単にドローンを少しずつ組み立てていくだけでなく、その部品――例えばプロペラやモーター、舵を取るラダーなどの構造や機能を学びながら理解していくことができるようになっている。

 創刊号では基本4操作「ピッチ」「ロール」「ヨー」「スロットル」の方法とその仕組みについて解説している。この、「仕組みについての解説」が肝なのだ。わたしがガチガチの理系で、仕組みを理解しないと腑に落ちない性格だからかもしれないが、「なぜそのように動くのか」が詳しく解説されているおかげで、「なるほど!」と納得できるのだ。

 もちろん、納得したからといって上手に操縦できるとは限らないのだが……。

 そんな人にも配慮されている。このシリーズでは、創刊号から20号まで購入した人全員に、ドローンを操縦するための「プロポ」と呼ばれるリモートコントローラが提供されるうえ、パソコンを使って操縦をシミュレーションできるのだ。苦労して完成させたドローンを墜落させるリスクが非常に小さくなる、何ともありがたい工夫だ。

 このスカイライダー・ドローンは完全オリジナルモデルで、デザインは、フェラーリなどを手がけたデザイン会社ピニンファリーナによる。シリーズではカメラも提供されるので空撮も楽しめるようになっている。別途、市販のアクションカムを装備することもできるとのことなので、様々な空撮が可能だ。

 今後発売される毎号のマガジンには「空撮フォトグラフィ」という世界各地の魅力的な空撮画像を披露する章も掲載されるという。空撮のお手本になるだけでなく、モチベーションをアップするのにも役立ちそう。眺めてうっとりする、というのもありだとは思うが。

 全57号なので、少々完成まで時間はかかるが、完成したドローンを大空に羽ばたかせる日を夢見ながら、毎週少しずつその楽しさを味わうのもまた贅沢な時間の使い方ではないだろうか。

 そして、完成したあかつきには、あのアニメで見たような、「鳥の目」から見たような、迫力満点の映像を自分の手で撮影できるようになるのか、と思うと心が踊る。

 まだまだ先は長いので、じっくり構想を練るとしよう。

特設サイト

■週刊『スカイライダー・ドローン』(デアゴスティーニ・ジャパン)

文=渡辺まりか