『嵐が丘』も『トワイライト』も好きな大人のための大型ファンタジー

ピックアップ

更新日:2011/11/25

世界観を知るためのキーワード

【物語の舞台は“ソサエティ”】
仕事も、結婚相手も、死期も定められた
近未来の管理社会(ディストピア)

人類が自ら引き起こした地球温暖化により文明が滅びた後、人々の自由と引きかえに平和で秩序ある世界を再構築した管理社会。すべてにおいて相性(マッチ)を重視し、仕事も、結婚も、死ぬ年齢さえもすべてコントロールされ、争いや死に至る病や殺人がなくなった世界で人々は安楽に生きている。食事は仕事の効率と健康のために用意された料理がソサエティから配給され、睡眠も労働内容もすべて個人データはソサエティに記録され、すべての人間は管理されている。

【マッチ・バンケット】
17歳を迎えた男女に結婚相手が選ばれる日

身体的にも精神的にも健康な子孫を残すことが、ソサエティにとっては最重要課題である。そこで17歳になった男女は、ソサエティにより最適の結婚相手が選ばれ、21歳で正式に婚姻契約を交わし、男女の繁殖力のピークである24歳で子どもをもうけるように設計されている。マッチ・バンケットとは、17歳になった男女に結婚相手が発表されるパーティのこと。

【秘密のコンパクト】
代々守り抜いてきた
秘密の詩が隠された形見

カッシアが大切に持っている人工遺物。人工遺物とは、長年にわたって物事を大切に引き継いできた祖先を持つ者がひとつだけ持つことを許されている形見のこと。カッシアのコンパクトはおじいさんから譲られたもので、もともとはおじいさんの母親であるひいおばあさんの持ち物だった。コンパクトの中にはソサエティのルールに反する“百の詩ではない詩”が書かれた紙が隠されている。

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【3色の錠剤】
すべての人間に与えられる
青色、緑色、赤色の錠剤

ソサエティの人間に配られる赤、青、緑の3色の錠剤。緑の錠剤は、緊張や不安を抱えたときに気持ちを落ち着けるために飲んでもいい薬。青い錠剤は、危険なときに備えるためのもの。ソサエティで「死の錠剤」と噂されている赤い錠剤は、何のために飲む薬なのかカッシアはまだ知らない。
【百の詩、百の絵、百の歌】
歴史に残すべきものとして
選別された芸術作品

人間の文化があまりにも雑然としすぎていると判断したソサエティが「百の選別委員会」を設けて、過去に生み出された膨大な詩や絵、歌、物語のなかから保存すべきだと判断して選んだ百の芸術作品。それ以外のものはすべて永遠に排除された。ソサエティでは、選ばれた百の作品以外のものに触れた場合、違反を犯した者とみなされ厳しく罰せられる。

【ファイナル・バンケット】
ソサエティで決められた最期の祝宴

ソサエティでは、死にいたる病のほとんどが根絶され、完璧に近い人類の健康管理が実現した。そしてあらゆる研究調査をした結果、人間は80歳で死ぬのが最善であると立証された。そのためソサエティでは80歳の誕生日に死ぬことが定められている。ファイナル・バンケットとは最期の宴のこと。当事者は、人生の映像と記録を収めたマイクロカードを進呈される。また、自分の細胞組織を採取・冷凍保存してもらう資格を得られた者は、その組織標本を自分が選んだ人物に託すことができる。