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「ヒーローのかっこよさは、戦闘じゃなくて人を救うこと」 『僕のヒーローアカデミア』堀越耕平インタビュー

“個性”がなくても僕は最高のヒーローになる!──夢と勇気あふれる、少年デクのまったく新しいヒーロー・ストーリーが、大きな共感と熱い支持を受けて「次にくるマンガ大賞」第1位獲得! 作者の堀越耕平さんに創作の秘密をインタビュー。

 第1位獲得おめでとうございます!

「ありがとうございます。とても嬉しいです。信じられなくて、あまり実感がわかないです」

 特殊能力=”個性”が当たり前となり、ヒーローが職業として脚光を浴びる世界。”無個性”で生まれてしまった少年・緑谷出久(みどりやいずく)、通称デクは、それでもヒーローを志す。『僕のヒーローアカデミア』は、彼が最高のヒーローになるまでの物語だ。堀越耕平さんは、現在デビュー8年目。『週刊少年ジャンプ』での連載を続けているが、『僕のヒーローアカデミア』誕生は自身のつまずきがきっかけだった。

「この作品は、デビュー翌年に描いた読切『僕のヒーロー』がもとになっています。前の連載『戦星のバルジ』が短期で終了して、<もうマンガ描けないや>みたいな気持ちになってすごく落ち込んでしまって……。新しいネタも思いつかないので過去の作品を振り返っていたら、そういえば『僕のヒーロー』が一番描きやすかったなと。虚弱体質なのにヒーローになりたいサラリーマンが主人公で、当時あまり悩まず出てきたものをサラッと形にできた。<よし、これでリベンジしよう!>と思いました」「僕のヒーロー」に始まり、今花開いている”ヒーローが日常にいる”という設定。特別な法律があったり、ヒーローが事務所に所属していたりとディテールまで作り込まれ、とても面白い。このインタビューは堀越さんの仕事場にお邪魔したが、ヒーローのフィギュアでいっぱいだった。スパイダーマンやバットマン、もっとコアなアメコミのキャラまで。この趣味がアイデアにつながっているのだろうか?

「発想のもとはあまり覚えてないんです。でも『X-MEN』みたいなマーベル・コミックの作品の影響は大きいと思います。ヒーローものはもともと好きで、サム・ライミ監督の映画『スパイダーマン』から入って、ほかのアメコミにも手を出すようになりました。フィギュアは、最初の連載『逢魔ヶ刻動物園』が始まった頃から集めています」

『僕のヒーローアカデミア』は、今までで一番楽しく描いているという。

「主人公のデクに、自分の気持ちを乗せて描けていると思います。デクのセリフや行動が、頭で考えずに自然に出てくるので。勢いで描いたものが正解だなと思えています」

 デクは、とにかく魅力的な少年だ。強力な個性を持つ幼なじみの勝己にいじめられているが、決して夢を諦めない。将来のため、詳細すぎるヒーロー分析ノートを作る”行動派オタク”。そして、いざというときは危険を顧みず人を救う。弱さを内包しつつも、つねにそれを克服する強さがある。読者は彼に大いに共感し、同時に励まされる。弱いけどかっこいい、デクは次世代のヒーロー像だ。

「僕は、ヒーローのかっこよさは、戦闘じゃなくて人を救うことにあると思っています。デクもウジウジ迷わずに、他人を救けに飛び出せる奴として描いています。弱さという点では、デクってすぐ泣いちゃうんですけど、僕はそれを描くのが好きなんです。自分も涙腺が弱くて、緊張したりするとすぐ涙が出ちゃうので……。〈こんなとき僕も泣くな〉と思いながら、いつも描いています」

ほりこし・こうへい●1986年、愛知県生まれ。2006年、第72回手塚賞佳作を受賞し、翌年デビュー。14年より『週刊少年ジャンプ』で『僕のヒーローアカデミア』を連載中。他の代表作は『逢魔ヶ刻動物園』『戦星のバルジ』など。

僕のヒーローアカデミア』1~2巻 (堀越耕平/集英社)
多くの人間が“個性”という特殊能力を持つ超人社会。爆発的に増加した犯罪と戦うヒーローが脚光を浴びていた。緑谷出久は“無個性”にもかかわらずプロのヒーローを夢見ているが、幼なじみの勝己にいじめられる日々。しかし、憧れのNo.1 ヒーロー・オールマイトと出会い、大きな一歩を踏み出すことに!

■これぞ少年マンガの王道。とにかくアツい! そして泣ける!キャラクターも魅力的でこれからが楽しみ(23・女)
■初回からワクワクドキドキが止まらず、一気にはまった。ヒーローものは好きだったけど、これは今までと違う面白さ(29・女)
■デク君の涙腺がブチ切れるたびに、私の涙腺もブチ切れている(24・女)

取材・文=松井美緒/『ダ・ヴィンチ』3月号「次にくるマンガ大賞2015」特集より

ダ・ヴィンチ

『ダ・ヴィンチ』2015年3月号

KADOKAWA メディアファクトリー
定価600円(税込) 電子版500円(税込)

・第1特集 次にくるマンガ大賞2015
これから売れてほしいマンガTOP20
本にしてほしいWEBマンガTOP10
神田沙也加 エレ片 松岡茉優
un:c M.S.S Project 仮面ライアー217、他
・第2特集 柳広司の世界
伊勢谷友介 亀梨和也、他

※堀越耕平さんのインタビューの続きは
ダ・ヴィンチ3月号の「次にくるマンガ大賞2015」特集をチェック!



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