Facebookに料理の写真なんて欧州では考えられない【サンドラ・ヘフェリンさんインタビュー前編】

社会

2015/2/25

 90年代終わりから00年代はじめまでTBS系列で放送された『ここがヘンだよ日本人』、最近ではテレビ朝日系列で放送されている『世界が驚いたニッポン!スゴ~イデスネ!! 視察団』。

 『ここがヘンだよ日本人』では、外国人から見た日本のヘンなところを取り上げ、『世界が驚いたニッポン!スゴ~イデスネ!! 視察団』では、外国人が見た日本のステキなところを取り上げている。ヘンかステキか視点の違いはあるものの、こういった番組ができるのも文化の違いがあるからこそ。

 そんな文化の違いを知るべく、日本と海外の文化の違いを紹介する『満員電車は観光地!?~世界が驚く日本の「日常」~』(KKベストセラーズ)や『ドイツ育ちの“ハーフ”は知っている! 日本人、ここがステキで、ここがちょっとヘン。』(大和出版)などの著者であり、日本人とドイツ人のハーフであるサンドラ・ヘフェリンさんにインタビューを行った。日本歴17年のサンドラさんから見た日本はどういったものだろう。

 インタビュー前編では、文化の違い、そして、日本はここがヘンからここがステキに変わった理由についてお話を伺った。

本でとり上げている、日本と海外の違い

――『日本人、ここがステキで、ここがちょっとヘン。』を発売したきっかけについて教えて下さい。

 元々は、ハーフをテーマにした『ハーフが美人なんて妄想ですから!!』(中公新書ラクレ)や、『ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ』(メディアファクトリー)という本を書いていました。そこからハーフだけに絞らず視野を広げて、ハーフの視点で見た日本と外国の違い、両方の国で生活していないと見えないようなことにスポットを当てて書いてみたのがこの本です。

 この本の表紙は穏やかでかわいい感じなんですけど、仕事の話も多く、ブラック企業や日本企業における有給休暇のとりにくさなど、シビアな話題も取り上げています。マンガだからこそ柔らかく書けるのかなと思いました。

――具体的にはどんな内容なのでしょうか?

 例えば、“愛社精神”って言葉があるじゃないですか? 日本の会社ではよく出てくる言葉ですが、この「愛社精神」という言葉は英語やドイツ語などに訳すとかなり違和感があるんです。なぜかと言うと、愛って言葉はドイツ語だとLiebe、英語だとLoveですけど、Loveというのは、恋人とか、奥さんとか、子どもとかに使うものなので仕事や会社に対して使う言葉ではないんですよ。ですので「愛社精神」という言葉を無理やり英語やドイツ語に翻訳しても、ドイツ人やイギリス人には上手く伝わりませんね。やっぱり愛社精神というのは日本独特なのかもしれませんね。

――『満員電車は観光地!?』ではSNSの使い方について取り上げています。

 いろんな国の迷信や、Facebookにアップするものの違いを載せています。日本人や東洋人は食べ物の写真が多いんですね。

 私も一時期、Facebookで食べ物の写真をたくさんアップしていました。日本人からはいいね! や、おいしそうだね。と、コメントがついたりしました。しかし、ヨーロッパ人の友達は「私と会うとサンドラって食べ物の写真多いよね」「あれ載せて、楽しいの?」「なんで、載せてるの?」って、冷めた感じで聞かれました。確かに彼らのFacebookは、食べ物をあんまりアップしていないんですよ。

 日本人や中国人、アジア圏の人にとって食べ物は1つのコミュニケーション。おいしそうって誰かがコメントして、じゃあ、今度一緒に食べに行こうね。となるけれど、ヨーロッパの人って、あんまり食べ物にお金を使わないし、みんなで食べたりもしないんです。結局、コミュニケーションツールとしての食べ物というのは成り立たないから、Facebookにアップしても意図がわからないんでしょうね。

 ヨーロッパの人が食べ物の代わりにどういうものをアップしているかと言うと、ダーリンの写真。ラブラブな写真です。今日のダーリン、明日のダーリン、明後日のダーリンって。カップル社会です。(笑)
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