“非モテ処女”を女にしたのは…イケメン薬膳師!今話題の「メディカルハーブ美女」になれる?

文芸・カルチャー

2015/2/28

「…私を女にしてほしい」と、一度で良いから言ってみたい。日々、あくせくと働く中で、睡眠不足も肌荒れも日常茶飯事。「女子力」など皆無の生活の中で覚える危機感。おそらく多くの働く女性は失われていく若さを感じつつ、不健康な自分を恥じつつ、「“本当の女性”になりたい」、「このままだとマズイ…」と焦りを抱えていることだろう。ああ、男の包み込まれるような優しさを感じながら、美しく健康的な女性になれたらどんなに幸せなことなのだろう。その願望、もしかしたらこの本を手にすれば、満たされてしまうかもしれない。

南部くまこ著『王先生の薬膳レストラン』は、彼氏いない歴=年齢の非モテ女が、イケメン薬膳師に出会うことで、人生の彩りを取り戻していくストーリー。3月25日にはシリーズ第2弾『王先生の薬膳レストラン~春のレシピ~ 』も発売される今注目すべきライトノベルである。「好きな男は胃袋を掴んでオトせ」などというが、女だって、男に胃袋を掴まれたら、イチコロ。イケメン薬膳師が作り出す料理は、本から良い香りが漂ってきそうなくらい美味しそう…。おまけに作ってくれるのは、一度見たら忘れられないほどのイケメン…!この本はときめく健康レシピ本と言っても過言ではない!本を読みながら、ニヤニヤが止まらない。「頼む、こんな男性が、私の目の前に現れてくれ!!!」と乞い願ってしまうのは、私だけではないはずだ。

主人公は、大手食品メーカーの契約社員・島村日夜子。ある日、通勤途中に貧血で倒れた彼女は、王と名乗るイケメン薬膳師に助けられる。彼は、日夜子の心と体を癒す料理を提供し、日夜子はみるみるうちに回復。実は、彼は中国歴代皇帝に仕えてきた歴史ある食医の一族の末裔なのだという…!そんな彼が働く、世田谷区奥沢のレストランには個性的な仲間たちが集う。王の相棒を自称するオーナー・橘。漢方を処方してくれる中医師の美女・小百合。王やその仲間たちに少しでも近づきたい日夜子は薬膳の勉強を始め、次第にその魅力に惹かれていく…。

契約社員として働く日夜子の悩みは、OLならば誰もが一度は感じたことがあるもの。何かを諦めているように日々を過ごしている日夜子に読み手は共感してしまう。夢も希望もなく、どうしてこんな仕事についているのかもわからない。正社員になれるチャンスもあるにはあるが、身体が丈夫ではなく、人付き合いも上手ではない彼女は正社員として仕事を全うする自信がない。そんな、心も身体も疲れきっているタイミングで王先生は彼女を救うのだ。王は、少食で満足に食事もできない虚弱体質である日夜子の身体の状況を見抜き、彼女にあった薬膳料理を提供してくれる。

「私が見たころ、日夜子さんはもともと虚弱な体質で疲れやすい。その疲労が蓄積して、中医学的にいえば“気虚”“血虚”という状態になっています」

「日夜子さんのような体質の方は、すこし調子が悪いなと思ったら、滋養があって胃腸に負担のすくなく、からだをあたためる作用のあるスープを召し上がるといい」

こんなに自分のことを心配してくれるイケメンがいたらなぁ…と、羨ましくなる。王先生のアドバイスを聞いているうちに日夜子だけでなく、本を読む私たちも自然と薬膳に興味を持ち始めていることに気が付くはずだ。

「人は女に生まれるのではない。女になるのだ」という言葉がある。女を女たらしめてくれるのは男の存在。日夜子は、王先生への恋心と薬膳の力で少しずつ本来の自分の魅力を取り戻していく。その様子に、こんなにも癒され、こんなにも微笑んでしまうとは。美しく健康になるために、女を取り戻すために、オススメしたい1冊。

文=アサトーミナミ