特集番外編2 2010年2月号

特集番外編2

2010/1/10

特集番外編2

編集I

このたび恩田陸さんの単行本と特集を担当した編集Kです。みなさん、いつもご愛読ありがとうございます。

恩田さんは『幽』で連載してくださっていました。多数連載を抱えていらっしゃる恩田さんから原稿をいただくのは至難の業でした。それでも雑誌の校了目前に原稿をいただけるという、ひやひやぎりぎりの進行の中、1回も連載を落とすことなく終了しました。今回はその原稿を単行本にするというこで、早々進められるとおもっていたら、ラストに収録させていただく書き下ろしに着手していただくのに、ものすご〜く時間がかかってしまいました。

とにかく周囲は恩田さんを知り尽くした辣腕、敏腕編集者ばかり。その編集者たちの攻撃はすさまじいものだ、と全部終わってから知りました。私なんで超、弱腰でした。その編集者たちの隙をついて、原稿を書いていただかなくてはいけない。雑誌でなく単行本という締め切りがあってないような状況の中で、恩田さんのモチベーションを上げていただくのは、恩田さんの本がはじめての私には無理でした……。ということで、ずっと負け続きでしたが、ようやく泣き落としで、ダ・ヴィンチの特集と連動させるという無理やりな締め切りを設定し、単行本の校了2週間前という土壇場になって書いていただき(恵比寿で原稿を受け取ったときは感動して、新人編集者のように原稿を抱きしめてしまったほどです)、無事、校了まで持っていくことができました。スタッフ、印刷所の皆様には本当に感謝です。

久々の緊張する仕事で、少し、太りました…(汗)。昔は痩せたのにな……(悲)。

そして出来上がった『私の家では何も起こらない』。エレガントで不穏なデザインに仕上げてくださったのは名久井直子さん。新刊台には必ず名久井さんがデザインした本を見かけることができるほどの人気デザイナー。

上野リチさんのおしゃれな壁紙(工業デザイナー)の写真を京都の美術館から借りて、お話に出てくる洋館の室内を演出してくださいました。素敵でしょう。

今回の特集では、恩田さんと名久井さんにおしゃれしてきていただき、青山にあるお庭の綺麗なフレンチレストランで撮影、対談しました。雰囲気ばっちりです。しかしこの対談のときは書き下ろしがまだだった……(恐)。

また南條竹則さんの解説による、英国幽霊屋敷そぞろ歩きMAPもいい感じにまとまりました。今回は入門編ということですが、またいつかマニアック編というものもやってみたいし、自分も英国に行って、幽霊屋敷ツアーに参加したいと思っています。イギリスの幽霊たちは、ツアーなどで人間が幽霊をちやほやするもんだから、幸せそうな感じがします。妖怪も生霊も、幽霊もみんな「ゴースト」。妖怪が混じっているからか、明るい感じがします。古いものを大事にする文化というのも素敵です。

日本は何でも新しいもの、太陽が素晴らしい、というふうに推奨しますが、イギリスは古いものに価値がある。私の友人はこの特徴を「日本は木の文化で、イギリスは石の文化だからそうなる」と説明してくれました。なるほど〜。私は石も大好きで木も好きで、どちらのメンタリティにも馴染みがあるような気がします。

なんだか徒然になってしまいました。

恩田さんの新刊『私の家では何も起こらない』は少女マンガ好き、洋館好き、お屋敷もの好きにはたまらない一冊になりましたので、ダ・ヴィンチの特集とあわせてお楽しみいただければと思います。恩田さんの初めての幽霊屋敷物語。どうぞ、お入りいただき、ごゆるりとなさってください。