特集番外編2 2009年4月号

特集番外編2

2009/3/10

編集N

みなさんは、図書館といわれたらどんなところを想像しますか?

ひとそれぞれ、理想の、思い出の図書館があることでしょう。

わたしの場合は、高校の図書館。

天井までとどく本棚にはしごがかかり、わたしたちはそれをのぼって、しゃがみこむしかできない細い通路をうろうろと、目当ての本をさがしました。

あのとき、あの瞬間にしか出会えなかった本、というのにもたくさん出会いました。

大人になって、なかなか図書館に行かなくなって、時間もないから、そんな「偶然の出会い」をすることが減りました。

視線の高さに見つけた本を、なんの気もなしにとって読む。

そんな味わいを、どこかにおいてきてしまった気がします。

もちろん、本屋でだって、地元の図書館でだって、いまもたまにすることはあるけれど。

10代の、学生時代の、放課後というどこかなぞめいた甘酸っぱい響き、窓辺からさす夕陽、もてあます時間や、制服や、本のことを好きなだけ語り合うお友達や……

図書館、という場の内包していた魅力は、そんな、いまはもう届かないものたちにも牽引されていたのかもしれないとおもうのです。

図書館、という響きにわたしが惹かれてしまうのは、失ったものへの憧れもあるのかもしれません。

もちろん、想いはひとそれぞれ。

今回の特集でご紹介している本たちも、ひとくちに「図書館」といっても、ミステリーにコメディ、恋愛まで、幅広いジャンルにわたっています。

あなたの一番のお気に入りを、どうぞ見つけてください。

橋本紡さん書き下ろしのショートストーリー、今日マチ子さんが小説『吉野北高校図書委員会』(山本渚)からすくいあげた描き下ろしマンガ、どちらもかなり胸キュンです。お見逃しなく。

それから、イメージ写真の撮影には、小田原市立図書館にご協力いただきました。貸し出しカードが残っていたり、木の机や本棚が味わいを出していたり、とても素敵な場所でしたよ。

すぐそばにゾウさんがいたりします。お近くにお立ち寄りの際は、ぜひ。