特集番外編1 2010年9月号

特集番外編1

更新日:2013/8/9

男が読んでも無我夢中でした

関口 靖彦

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これまでほとんど少女マンガを読んだことがなかったのですが、少女マンガのオールタイムベストをまとめる今回の特集を機に、数々の名作に触れることになりました。アンケートを集計する過程では、多くの読者・書店員のみなさんのコメントの熱さに興味をそそられ、ランキングがまとまれば記事を構成するために各作品を読んでいきます。中でも世代別ランキングの上位に輝いた作品は、第1巻の持つ“引力”が並外れていたように思います。魅力的なキャラクター&気になる展開……と言ってしまえば、あらゆる名作・ヒット作に共通する要素ですが、中でも『ガラスの仮面』『ときめきトゥナイト』『フルーツ・バスケット』の第1巻はすさまじい威力。希望と絶望、かわいらしさと切なさ、仲間意識と孤独感……一見相反する要素が不可分にからまり合い、しかも高速で展開していく様は圧巻でした。残業中の午前4時でも一気読みさせられてしまい、帰宅が朝になることもしばしば。みなさんもご自宅の本棚の名作を、あらためて引っ張り出してみては。

 

 

 

少女マンガは少女時代の記憶とともに

編集H

 

今回、少女マンガのオールタイムベストランキングを作るにあたって、特に女子は、世代によって青春時代を共に過ごした少女マンガが全然違うはず! ということで、現在、アラハタ(16〜25歳)、アラサー(26〜35歳)、アラフォー(36〜45歳)、アラフォー以上(46歳〜)の方たちに、それぞれのマイベスト少女マンガを聞き、「世代別ランキング」を作ってみたのですが、各世代の特徴とか、当時の風潮なども見えて、作っているほうも本当に楽しい特集でした!

 

最近では、マンガも明確に、少女向け、少年向け、子供向け、大人向け、と定義しづらくなっていると思いますが、今回の特集を通して、やっぱり「少女マンガ」って特別なんだな、というのをあらためて実感しました。

ダ・ヴィンチ読者&書店員さんから募ったアンケートも本当にたくさん集まったのですが、皆さんのコメントの熱いこと! ばっちり世代差が出たのも興味深かったです。

 

私はアラサー世代なのですが、小中学生の頃、女の子たちはみんなで同じマンガに夢中になり、語り合ったものです。大人になって、当時夢中になって読んでいた作品とは疎遠になっていたのですが、読み返すと当時の思い出ごと蘇る蘇る!

 

特集を一緒に作ったライターさんたちも、アラサー、アラフォーの女性だったので、打ち合わせのときもおおいに盛り上がりましたし(一緒に特集を担当した、うちのマンガ担当の男性編集Sも、今回ばかりは一緒に盛り上がれず聞き役になってました)、編集部内でも、この特集を作っている間中、いたるところで女性陣が「私の学生時代には……」と、自分が少女時代に読んでいたマンガの話をして盛り上がっていました。

そう。こうやって誰でもつい盛り上がってしまうところもまた「少女マンガ」の魅力なんだと思います。ぜひ皆さんにも、お友達と一緒に、この特集を見ながら少女時代の話題で盛り上がっていただきたい!

 

特集では、ランキング結果のほか、世代別1位作家(美内すずえさん!池野恋さん!高屋奈月さん!)のインタビュー、ランキング上位には入らなかったけど、少女マンガ史を語る上で欠かせない作品についてのコラム、また、マンガ読みの方に聞く「いま注目の作品」なども紹介しています。

女性はもちろん、男性にも楽しんでいただける、充実の内容になっていますので、ぜひご自宅に一冊、保存版でお持ちいただけると幸いです。