夢のマイホームをゼロ円でゲット!年収200万円以下でも東京脱出で人生は好転する!?

暮らし

2015/3/18

 「働けど働けど我が暮らし楽にならざりby 石川啄木」。6人にひとりは貧困層といわれる今、そんな消耗するだけの都会生活にピリオドを打つことができて、しかも0円で家が手に入るとしたら…?

 『0円で空き家をもらって東京脱出!』(朝日新聞出版)は、漫画家を目指して上京したものの、まったく芽が出ず、本屋のバイトで生計を立てながら貧乏ライフを送っていた著者・つるけんたろうさんが、友人からの電話をきっかけに移住生活に興味を持ち、着の身着のまま訪ねた広島尾道の空き家を0円でゲット、その後の暮らしや地元の人たちとのリアルな生活を描いたコミックエッセイだ。

 地元の人たちに協力してもらいながら自分の家を直したり、空き家を利用して卓球場をつくったり、ゲストハウスの店長になったり、「お金のプレッシャー」によって東京脱出を決断した著者の生活は驚くほどに好転しているように見える。年収200万円以下でも楽しく快適に暮らせるという尾道の生活について、つるさんに伺った。

――東京の国立から尾道に引っ越してきて不便は感じないですか?

 尾道は昔栄えた町で、都会と田舎の中間にあるような町並みなので、車がないと何もできない、というほどではありません。歩いて買い物にも行けるので、特に不便は感じませんよ。

――リノベーションにかかった金額はいくらくらいですか?

 2008年3月に引っ越してきて、リノベーションはまだ終わっていないのですが(笑)、今のところ内装に掛かったお金は大体30万円くらいでしょうか。外観補修に関しては尾道市歴史的風致維持向上計画の重点区域にある空き家を改修して移住する場合、市が一部の経費を助成してくれる制度もあります。自分の家だけじゃなくて、人の家の直しを手伝ったり、ゲストハウスを直していたりするので、なかなか自分の内装の直しが終わらないのですが(笑)、まぁ、のんびりやります。

――尾道の人たちは物々交換ならぬ、労働交換を行うのが得意なように思えるのですが、実際のところはどうでしょう。

 皆じゃないかもしれませんが、少なくとも僕が接している人たちは気軽にそういう話をしてますね。それぞれの特技をうまく交換しながら暮らしています。人に頼みごとをすることも、頼まれごとをすることも東京ほど重くないんですね。旧市街地の山手地区は坂が急で道路の幅も狭くて、車が入れない場所が多いから、結果的に若い世代が去ってしまって空き家が多い。そういった事情から空き家の再生がよく行われているので、「石段の上に材料を運んでくれたら、晩御飯おごるよ」くらいの感覚で、肉体労働をお願いしたり、されたりします。「頼み事をする=お金が必要」という意識は低く、誰かが困っているから助ける、もしくは自分が困っているから助けてもらう、という感覚ですね。

――尾道に来てからのほうが、つるさん自身、活動的になっているように思えるのですが、その辺はいかがでしょう。

 人間、いい意味での勘違いって必要ですよね。尾道に移住してきた当初は、お金のプレッシャーが重かったから、むしろ都落ちのような負の気持ちが非常に強かった。漫画家をやめようと思っていたので、地方の町でワイワイするというより、妻とふたりでひっそりと暮らすのかな、と思っていて、何かを新たに始めようなんていう前向きな気持ちはそこまでありませんでした。
 でも、「尾道空き家再生プロジェクト」をやっているTさんに出会ってから、どんどん変わっていきました。TさんもTさんの周りにいる人たちも「やっちゃおう」と発想してから実際に「やる」までのハードルが低くて、思いついたら、即やっちゃう(笑)。その影響は大きいです。

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