照ノ富士は横綱になれるのか!? やくみつる×デーモン閣下『勝手に大相撲審議会』

スポーツ

更新日:2015/3/20

 一時は不祥事に沈んだ大相撲だが、去年から今年にかけて遠藤、逸ノ城、照ノ富士などの若手力士の活躍や、18年ぶりに2場所連続で満員御礼になるなど活気が戻ってきた。白鵬の前人未到の33回目の優勝や、「スージョ」と呼ばれる女性ファンも増えるなど大相撲への注目は高まってきている。

 そんな中、相撲ファンとして知られるマンガ家のやくみつると、悪魔でアーティストのデーモン閣下が大相撲について大いに語り合った一冊『勝手に大相撲審議会』(中央公論新社)が刊行された。

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 その発売を記念して2015年3月15日(日)東京・池袋にて両名によるトークイベントが開催された。両名は高校・大学の同窓。デーモン閣下はやく氏を「先輩」と呼び、お互いの相撲知識へのリスペクトを表しながら、大相撲の今を熱く語りあうイベントとなった。

――とにかく大相撲をとりまく状況は刻一刻と変わってきていますが?

【閣下】 本の企画が立ち上がって3年、対談をはじめて1年半でしょ。だからその頃の場所の話なんて、本に使えないんだよね。誰もその相撲内容を覚えてないし。

【やく】 で、その頃は逸ノ城なんてのはカケラもないし。

――逸ノ城に関しては追加で対談していただきました。

【閣下】「ここまでの内容で本にしよう」といって文章をチェックするんだけど、その1カ月、2カ月の間にどんどん状況が変わって、こいつは番付変わってる、こいつはもう入幕しているなんて、どんどん修正が入る。

――引退した力士もいましたね。

【閣下】 そうそう。豊真将(ほうましょう)もこの本では現役だけど、引退したし、白鵬の優勝回数もこの時点ではまだ30回だった。

【やく】 まとめた編集者は本当に大変だったと思う。

  • 勝手に大相撲審議会

――今日は大阪場所の中日ですが、今場所の展望などを聞かせてください。

【やく】 今場所は、先場所後の白鵬の審判部批判問題を引きずったまま、ピリピリムードで始まったね。

【閣下】 表向きは何もなく、白鵬も勝ち進んでいるけど、白鵬は支度部屋では記者にずっと背中を向けているという。

【やく】 この問題には相撲協会も横綱審議委員会も関与しないという感じだから、もう閣下が仲を取り持つしかないんだよ。白鵬とマスコミの間を(笑)。

【閣下】 吾輩が白鵬とマスコミの間を!? 普通は親方とか…。でも間を取り持つって言ったってまずは白鵬が謝って……え、吾輩が詫びを入れるの?

【やく】 いや、横にいてやるとかさ。

【閣下】 横にいてやる!?(笑) 吾輩は別に白鵬の師匠ではないんだが(笑)。

【やく】 この件に関してはタイミングを逸しているという感じだからね。白鵬は評価を下げたまま実績だけが積みあがるというのはまことによろしくない。

【閣下】 オフィシャルな場できちんとした謝罪があればみんな納得するのではないかと思う。優勝翌日の会見などチャンスを活用してほしいね。

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