『ストロボ・エッジ』実写映画化! 廣木隆一監督のリアル「壁ドン」演出を観よ

アニメ・マンガ

2015/3/24

 昨年テレビアニメ化&実写映画化された傑作『アオハライド』で注目を集めた咲坂伊緒は、「告白」のマンガ家だ。ぐるぐるもやもやと内面モノローグを重ねる少女が、恋する気持ちを声に出して「告(い)う」、その瞬間のときめきを、少女マンガならではのキラキラした絵と文法で表現し続けてきた。

 福士蒼汰と有村架純のW主演でついに実写映画化された『ストロボ・エッジ』は、マンガ家にとって最初の代表作であり、『アオハライド』の原点と言える一作だ。ど真ん中に据えられているテーマは、「好きな人に、他に好きな人がいたらどうする?」。この視点は、多くの少女マンガが排除しているものだ。物語はまごうことなき王道(こんがらがってしまった赤い糸は、いつかほどける……)をゆくが、赤い糸のきらめきをより輝かせているのは、こうしたリアリズムの存在だ。

 映画版でも、原作譲りのリアリズムがさまざまに導入されている。特に注目すべきは、2014年の流行語大賞トップテンにも選ばれた「壁ドン」の演出だろう。男の子に壁際に追い詰められて、逃げ場を腕でドンと封じられる。このシチュエーションって実は女の子にとって、すごく怖いものではないか? 人間ドラマの名手・廣木隆一監督の演出が冴え渡っている。そのシーンがあるからこそ、ラストシーンにとびきりの解放感が宿るのだ。

文=吉田大助/『ダ・ヴィンチ』4月号「出版ニュースクリップ」より