塩湯を作ってあとは塗るだけ。美容と健康に役立つ“塩浴”を実践してみた

健康

更新日:2015/4/2

 塩はからだにいいらしい。身近なものでいえば、塩の入った歯磨き粉なんかは昔からの定番商品でもある。先日「(男なのに)乾燥肌で美容液が手放せないんですよ……」と悩みを吐露した中でも、ある編集者の方に「塩がいいんじゃない?」とすすめられた。そして、ここ最近では健康や美容のために「塩浴」と呼ばれるものもあるそうだ。

 「塩浴」は、入浴剤の一種であるバスソルトとも異なり、せっけんやシャンプーの代わりに「塩湯」をからだや髪に塗るだけ。やり方さえ覚えればおそらく、風呂へ入るのがおっくうだったり、からだを洗うのがめんどくさいという人にもきっと続けられる習慣である。

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 すでに「塩浴」をはじめている人からは、「かかとのガサガサが、はじめて1週間でツルツルに」「髪の毛に子どもの頃のようなハリとコシが出た」「肌荒れがなくなった」「下半身太りも気にならなくなった」という声が。このように、肌や髪トラブルを解消してくれる「塩浴」は、女性にとってとても嬉しい美容効果が得られる。

 そこで、「塩浴」が少しでも気になるあなたに一冊の本を紹介したい。塩のロングセラー「伯方の塩」でおなじみ、伯方塩業(株)創立メンバーを父に持つ、松本和子さんが著者を務めた『塩だけで髪もからだも洗ってしまう新習慣 塩浴生活をはじめよう!』(松本和子/KADOKAWA メディアファクトリー)である。なぜ今塩浴をすべきなのか、どうすれば塩浴を楽しめるのか、医師の指導のもとまとめられた書籍である。

 ただ、内容を紹介するだけではひじょうにもったいない。(男なのに)お肌を改善したいということもあり、せっかくの機会にと塩浴を体験してみた。

塩湯を作るのも簡単。塩浴がどんなものかを試してみた

1.塩湯の前に湯船でしっかりと暖まる

 塩浴の前にはしっかりと暖まるのが大事。毛穴を開き、肌表面にある古い皮脂や汚れをやわらかくする効果があるという。ちなみにこの日は寒かったのだが、湯船の温度は42度に設定してみた。おっさんの入浴シーンなど誰も萌えないと思うが、不快感を抱かれた方にはただただ申し訳ない……。

2.塩湯を作る

 塩浴には欠かせない塩湯。同書にしたがって材料を集めてみた。広口の容器に湯船と同じ温度で小さなペットボトル1本分となる500mlのお湯、それから無添加で粒があまり大きくない160g前後の塩があればオッケーだという。なお、著者への敬意も込めて、今回は「伯方の塩」をチョイスしてみた。

 準備ができたら、あとは材料を混ぜるだけ。ひたすらかきまわせばいいだけなので作業は楽ちんだ。ただ、今回は撮影用にテーブルの上で行ったが、本来であれば冷めてしまうので入浴しながら作ろう。

 容器の底に少し見えるくらいの塩が溜まるようになったら完成。特に、塩浴をやりはじめた頃は皮脂や老廃物の分泌機能を高めるために、ちょっと塩が残るくらいの濃さでやってみる方がよいそうだ。

3.作った塩湯を全身に塗りつける

 いよいよ塩浴スタート。どこから始めるかはお好みだが、髪の毛→頭全体(頭皮)→顔→首→上半身→下半身の順番でやると、自然と塩湯が下に流れていくので無駄がないという。

 ちなみに髪の毛を洗ってみたときの様子。筆者はたまたま切ったばかりだったので、思い切って洗面器へ頭まるごと突っ込んでみた。ただ、本来は髪の毛を浸してゆすぐように、100円均一ショップなどにあるドレッシング用の注ぎ口が細くなった容器を使って、頭皮の細かな部分にも塗りこむのもよいそうだ。

 目や鼻、口の中にも効果的だという塩湯。ただし、刺激に弱い部分でもあるため、濃度は低めに設定した方がよいという。目安となる分量は、水100mlに対して塩が約0.9g。筆者はついつい先ほど作ったものを使用してしまったが、このあとのちょっとした惨事はいうまでもない。そのまま、ダメ、ゼッタイ!

4.お湯で洗い流す

 ここまででひとまず終わり。時間があればもう一度湯船できちんと温まり、できれば最後にもう一度冷水かそれに近いぬるま湯で、全身を洗い流した方がよいそうだ。

次第にからだがピリピリと。外へ向けて体内から何かが出て行く感覚に

 さて、実際に塩浴をやってみたのだが、初めは正直「どうせ何も変わらないんじゃないか」と思っていた。しかし、塩浴を始めてから2~3分ほどしてからだろうか、皮膚の下で「確実に何かが起こっている」という感覚に陥った。同書にもあるが、おそらくこれが“浸透圧”により古い皮脂や老廃物が吐き出されている証拠なのだろう。

 また、洗い流してからもからだがポカポカする感覚もともなっていた。塩の成分がおそらく効いていたのか、変化がからだに生まれていたのは間違いない。入浴後、肌がつっぱらなくなったのだ。

 もっと継続できれば見えてくる部分もあるだろうが、やはり、「塩浴」に何らかの効果があるのは事実のようだ。健康や美容に興味がある人はもちろん、手順もだいぶ簡単なので、同書をたよりにぜひ一度試してほしいものである。

取材・文=カネコシュウヘイ、撮影協力=Masato