第19回「手塚治虫文化賞」ほしよりこ『逢沢りく』がマンガ大賞に決定!

マンガ

公開日:2015/4/1

 朝日新聞社が主催する「手塚治虫文化賞」の第19回受賞作が2015年3月30日(月)に発表された。マンガ大賞は、ほしよりこ氏の『逢沢りく』(文藝春秋)が受賞した!

 ほしよりこ氏といえば、『きょうの猫村さん』であらゆる世代に圧倒的な人気を誇る漫画家。『逢沢りく』は、そんな老若男女の心を鷲掴みにしてきた著者が満を持して描いた長編コミック。『別册文藝春秋』連載時から話題となり、2014年10月に単行本として発売され、作家・女優・映画監督など、各界著名人から感動の声が続々と寄せられ、大きな反響を呼んでいる。

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マンガ大賞を受賞したほしよりこ氏コメント
 数ある素晴らしい候補作品の中で、賞をいただけたことを、ありがたく、とても畏れ多く思います。『逢沢りく』は、私の最善を尽くした作品です。自分は他の人とちょっとちがうやり方で描き続けてきました。その方法について、迷ったことは一度もありませんでしたが、それが世の中に受け入れられるかどうかということについては常に不安がありました。今は自信を持って、この物語に向って全力を出し切ったといえるし、終了したこの作品を清々しい気持ちで眺めることができます。

 本という形にするために、ご尽力くださった文藝春秋のみなさまと、期待より何倍も素晴らしい装丁デザインをしてくださったアリヤマデザインストアの有山さんと岩渕さんにお礼申し上げます。今まで支えて下さった、家族や友人、今もお世話になっている編集者さん、読者の皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです。

 また、新生賞には、障害者と「いじめ」という重い題材から力強い希望と再生の物語を紡ぎ出した『聲の形』(講談社)の大今良時氏が受賞。短編賞には、不条理ギャグから育児日記まで、独自の笑いのセンスにあふれた一連の作品に対して吉田戦車氏が受賞した。

 漫画文化の発展に寄与した人物・団体に与えられる特別賞は、半世紀以上にわたり書き続け完結させた業績で、みつはしちかこ氏の『小さな恋のものがたり』(学研パブリッシング)が受賞。

 第19回「手塚治虫文化賞」の贈呈式は2015年5月22日(金)午後4時から東京・築地の浜離宮朝日ホール(朝日新聞東京本社新館)で開催される。

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■「手塚治虫文化賞」
手塚治虫氏の志を継いでマンガ文化の健全な発展に寄与することを目的に、朝日新聞社が1997年に創設。「マンガ大賞」は年間を通じて最も優れた作品に贈られる賞。
⇒「手塚治虫文化賞」公式サイト

■『逢沢りく
著者:ほしよりこ
発売:2014年10月
定価:1,000円+税
出版:文藝春秋