右翼と左翼のちがいとは? 街宣車はなぜ黒い?…漠然とした疑問を解決する本

社会

2015/4/5

日本では、デモ行進は「左翼」、街宣車は「右翼」が多い

 デモは本来、権力に対して自分たちの主張を届けるものである。本著によれば、日本では、労働者や一般市民も巻き込んでストライキや徒歩でのデモ行進を行うのは、非暴力を掲げる「左翼」のお家芸だったとか。一方の「右翼」はそれを妨害する立場で、街宣車を連ねて駅前で演説を行ったり することが多いという。

 ただし海外では「右翼」がデモを行うことは昔から珍しくなく、近年では日本でも「フジテレビ抗議デモ」や、新大久保で行われた「反韓デモ」のように、右翼的な主張を行うデモが行われるようになってきている。
もともと「右翼」は保守派なので、右翼デモの増加は、それだけ民衆と体制との意識のズレがあるためといえる、と本著では語られている。

「右翼」の街宣車が黒いのは“ほかの何色にも染まらない”ため

 街宣車のイメージといえば、旭日旗や菊の御紋、団体名や「愛国」といった文字が描かれた、黒塗りのワゴン車だろう。そして軍歌を大音量で流しながら駅前に乗り付け、拡声器で道行く人に向かって何かを叫んでいる――。
この街宣車の黒い色には、“ほかの何色にも染まらない”、“悪徳政治家や悪徳企業に威圧感を与える”といった意味があるのだという。また、実は黒以外にも「白」(=純粋を意味していると考えられる)があるそうだ。ただし、目立つからといっても「赤」は共産党を示す色のため、街宣車の色には使えないのだとか。

 ほかにも本著には、「右翼」と「左翼」に関係した事件に関する謎解きや、そこに関わった人たちの裏話、世界の「右翼」・「左翼」事情、長年にわたり右翼の最前線で活動してきた著者のインタビューなどが収録されている。一読すれば、日本の行く末がなんとなく見えてくる…かもしれない。

文=増田美栄子

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