「木村珠莉」声優インタビュー&撮り下ろしグラビア【声優図鑑】

アニメ

更新日:2015/7/9


これからの活躍が期待される声優に、声優を目指したきっかけや、初めてのお仕事、そしてプライベートなことまで、気になるあれこれについてインタビューを行い、さらに撮り下ろしのミニグラビアも交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

第57回となる今回は、TVアニメ「SHIROBAKO」の主人公・宮森あおい役につづき、「ミカグラ学園組曲」の主人公・一宮エルナ役を演じる木村珠莉さんです。

――いよいよ、TVアニメ『ミカグラ学園組曲』が始まりますね。ニコニコ動画のボカロP、Last Note.(ラストノート)が紡ぐ原作のメディアミックスとしても話題の作品です。木村さんが演じるエルナは、「SHIROBAKO」の宮森さんとはまた違って…。

木村:変態ちっくな女の子です!監督さんいわく「まじめな変態」です(笑)

――「まじめな変態」ですか(笑)。

木村:“ド”ポジティブというか、とにかく前向きに、女の子が大好きなんです。主に、星鎖(せいさ/CV:大西沙織)センパイに「好きだよ」「かわいいよ〜」って突撃して、そのたびに拒否されるんですけど、まったくめげない(笑)。それを全力で楽しんでいる姿が、無意識に周りの人を元気にさせているみたいで。

――(笑)。変態ならではの!?妄想シーンも描かれるそうですね。

木村:かわいそうなことに、現実世界では受け入れてもらっていないので(笑)。妄想シーンは、1話に1回くらいありますね。星鎖センパイってふだんはクールなんですけど、妄想のなかでは、やさしくあま〜く、「エルナ…(はーと)」って言ってくれるんです(笑)。大西沙織ちゃんが色っぽい声を出してくれるので、エルナもよだれをたらしながら応えています(笑)。

――コメディ満載な感じで(笑)

木村:はちゃめちゃで、愉快なお話です(笑)。原作のLast Note.さんがオープニングやエンディングテーマも書き下ろしてくださってるんですけど、すごく元気で賑やかな反面、青春ならではの甘酸っぱさもあって、本当に楽曲のイメージがそのままアニメになってるなって思います。

――学園では、戦ってもらえるポイントを貯めて生活する、という設定がありますね。エルナがもしポイントをたくさん貯めたら、何を手に入れたいのでしょうか?

木村:ポイントは部活に入っていないともらえないので、無所属のエルナはかなり学園の底辺にいるんですよ。今はあるところに住まわせてもらっていますが…、まずは人並みの生活を送れるようになるといいですね(笑)。

――収録はどんな感じですか?

木村:原作を読み、イメージを持っていったんですけど、最初は求められているものの80%くらいしか出せなかったんです。コメディは初めてだし、エルナがとにかくはちゃめちゃなので、私のなかの引き出しにはないものが多くて。1話から悩んでしまったんですけど、茅野(愛衣)さんが切り替え方を教えてくださって。それを一度持ち帰って次に生かしたときに、「すごく良かったよ!」って言われたことが、今でも励みになってます。あと、収録中のみなさんの“遊び”がおもしろくて。

――遊びというと、アドリブも多かったりとか?

木村:アドリブは多いですね。特に、ビミィっていう謎の生き物を演じている松岡(禎丞)さんは、すごく多いです。ほっぺを引っ張られたときに、もにょもにょ〜って、顔を歪ませながら声を出されていたりとか(笑)。


――ほかに、気になるキャラクターはいますか?

木村:エルナの従兄弟のシグレというメガネ男子が気になりますね。シグレはエルナのことが大好きで、そういう意味ではエルナと同じく変態です(笑)。ただ、デレデレしてるエルナとは違って、ひどく意味不明なラップを言い出したりして(笑)。だから、同じ変態としてシグレ役の島﨑(信長)さんから学ぶことはすごく多いです。いつも、こうきたか〜って感じで。

――収録の話数も進んでいるそうですし、エルナ役を楽しめるようになりましたか?

木村:そうですね。私自身もアドリブを楽しんでいます。たとえば、後ろ向きに走っているときは口が動いていないので、好きなこと言ってもいいや~って思ったりとか。それがダメだったらナシになるだけなので、まずは感じたことをすべてぶつけています。エルナのおかげで、自分の固定観念がどんどん取っ払われてますね。

――エルナと星鎖、おとね(CV:小澤亜李)の3人が歌うテーマ曲も楽しみです!

木村:オープニングテーマの「放課後革命」は、放課後楽園部という新しい部活をつくるエルナの元気さがこめられた曲なので、個人的には、クールな星鎖がどう歌うのかが楽しみです。おとねもそうだし、3人がどんな想いでこの歌を歌っているのか、気にしながら聴いてもらえたら。すごくいい歌詞で、思い出すだけでもうるうるしちゃいます…。すみません、涙腺がゆるくて…。

――いえ、どんどん泣いてください(笑)。レコーディングではうまく歌えましたか?

木村:それが、Last Note.さんの歌って難しくって…。テンポが早くて音域も広いし、高音がどうしてもファルセット(裏声)になっちゃうので、そのなかでエルナの元気さを出すのはちょっと大変でした。でも、頑張りました(笑)!

――Webラジオ「ミカグラ学園ラジオ放送部」も始まりますね!

木村:松岡さんと2人で出させていただきます。作品にちなんで、学校あるあるとか部活の話をしているので、学生のときのことを思い出しつつ、松岡さんがどんな方なのかを知ることもできて楽しいです。同じアニラジでも、「SHIROBAKO」はプライベートでも仲良しの女の子たちと、その延長線みたいな感じで賑やかでしたけど、また違うおもしろさがあります。

――松岡さん、どんな方だということが分かりましたか(笑)

木村:作品に対して、すごくアツい感情をお持ちの方だな〜と。あと、すごく優しい方だなって。アフレコのときも、気を使ってお話を振ってくださったりとか。アドバイスもたくさんくださるし、すごく気配りをされる方だと私は思っています!

――アニメ放送が始まったら、エルナのどんなところを見てほしい?

木村:女の子にデレデレしている反面、バトルになるとすごくカッコよくなるんですよ。すごく強いところはザ・主人公という感じで。そのギャップを楽しんでほしいです!


――では、プライベートについても聞いていきますね。エルナはゲーム好きですけど、木村さんがのめりこんでいるものは?

木村:最近は料理をすごく頑張ってます。年末年始に実家に帰ったときに、お母さんが作ってくれたお雑煮とか、きちんとダシをとった年越し蕎麦とかが美味しくて! 姉も、料理教室で教えている人なので、レモン塩と鶏肉の鍋を作ってくれました。私も、もともと料理は好きですけど、一人暮らしだと、どうしても自分で作るのが面倒で。でも、最近は自分で作ろうと意識改革をしました。基本的には和食ばっかり作ってます。

――ほかにも、のめり込んでいるものは?

木村:……氣志團さんです! 私、アニソンも好きですけど、ロックも好きで。氣志團のことを、じつは10年以上好きで。小中学生のころからずっと聴いていて。

――それはちょっと意外(笑)。ちなみに、氣志團のどんなところが好きなんですか?

木村:氣志團って、もともとインストゥルメンタルのバンドなので、曲がかっこいいんですよ! ベースとかしっかりしてて。歌詞もすごくアツい感じで好きだし、メンバーの個性も好きだし、ライブで踊れるので発散できるし。最近は、前売りチケットだとお仕事とかぶっちゃうから当日券を狙ってるんですけど、なかなかとれなくて(笑)。グッズだけでも買いに行ってます(笑)。

――それは生粋のファンですね(笑)。では、特に好きな曲は?

木村:え〜、いっぱいあるな〜。音がめちゃくちゃカッコいいなって思うのは「雷電」っていう曲。あと、「NARUTO」のエンディングになった「おまえだったんだ」はピアノで始まる切ない曲で、聴くと泣いちゃいますね。それから、「Baby Baby Baby」。氣志團の曲って、誰かと一緒にいることで自分を知ることができたっていう曲が多くて。私も友だちに支えてもらうことが多いから、この曲を聴くと、自分が悩んでた時期に助けられたことを思い出すんです。だから、すごく好きです。

――今まで、いちばん思い出深いライブは?

木村:2012年の「氣志團万博」です! フェスのような感じで毎年行われてて、今年で4回目を迎えるんですけど、その年によって、ももクロさんとか和田アキ子さんとか、RIP SLYMEさんとか、いろんなジャンルの方が出演されていて。HydeさんのVAMPSにハマッたのもこれがきっかけですね。ジャンルはバラバラなのに一体感があるんですよ。海辺で友だちとビールを飲みながら(笑)。

――野外フェスのビールは最高ですからね。

木村:はい(笑)。私、アウトドアではまったくないので、最初は炎天下にずっといるなんて考えられなかったんですけど、本当に楽しかったです!もし、自分の人生のうちプライベートで楽しかったことを挙げるとしたら、5つの指に必ず入るくらいです!

――では、これから声優として挑戦したいことはありますか。

木村:私、学生のときは放送部だったし、この業界にナレーター志望で入ってきたので、お芝居なんて恐れ多いってずっと思っていたんですね。養成所でお芝居を勉強して楽しさは感じていたけど、なかなか出演するチャンスもなく。もともとアニメが好きだからこそ、私なんて、っていう気持ちもあったし。でも、「SHIROBAKO」の宮森あおい役をいただいてから、アニメって、ナレーションのお仕事とはまた違って、観てくれた方々の声をたくさん受け取れることができるんだなって知って。

――ファンの方に触れる機会は多いですよね。

木村:はい、イベントで直接声援をいただいたりすることが特に嬉しくて! 私の声を受け止めてくださっている方々がいるんだ〜と。そして、「SHIROBAKO」のあとに「ミカグラ」の出演も決まって。

じつは「SHIROBAKO」の出演が決まったとき、次もアニメ出演のお仕事があるかどうか分からないって思ったし、絶対に次につなげたいという想いがそこまで強くなかったんです。でも、アニメが本当にたくさんの方々によって作られていることに気づいてからは、その方たちの強い想いを背負って、自分もちゃんと役を愛せるようになりたいってすごく思ったんです。そう気づいたことは、私にとって大きな財産で。だから……すみません、泣けてきちゃった(笑)。

だからこれからも、今まで以上に作品のために努力したいなって思うんです。よりたくさんの方に、何かその方にとって大切なものを受け止めてもらえるように、これから、声優としてもっとアニメに出たいし、そのためにお芝居をしっかりできるようになりたいです!

――ありがとうございました!


次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

木村珠莉

・木村珠莉(俳協)
http://haikyo.co.jp/profile/profile.php?ActorID=12530

・木村珠莉Twitter
https://twitter.com/jullie_egg

(撮影=山本哲也、制作・キャスティング=吉村尚紀、取材・文=麻布たぬ)