お刺身のツマは食べていいの? 知っておきたいマナー以前の社会人常識

ビジネス

公開日:2015/4/15

 そろそろ新生活にも慣れはじめたころ。そんな時に不安になるのが、マナーや常識だ。特に新社会人となると学生時代とは違うマナーや常識に、振り回されている人も多いのではないだろうか。

 はじめは会社に慣れるだけで精一杯かもしれないが、心に余裕ができると社会人の常識も気になるもの。そこでオススメなのが『マナー以前の社会人常識』(岩下宣子/講談社)。きちんとしたマナーを覚える前に、まずは常識からという人も多いはず。本書から意外と知られていない常識をいくつか紹介しよう。

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身に着けておきたいレストランでの常識

 レストランでカレールーとご飯が別々に来ることは多い。大抵の場合は、一度に全てのルーをかけてしまう。しかし、これはNG行為。何度もかけるのは面倒だが2~3口分ずつこまめにかけながらお皿を汚さずに食べるのが基本。また、カレーやピラフのようなスプーンで食べるライスもので困るのは最後の一口だ。最後の一口がどうしてもすくえなかった経験は誰しもあるだろう。その場合はフォークを立て壁のようにしてすくう。しかし、それでもスプーンですくえず、フォークもない場合は最後の一口はあきらめるしかない。残った一口分はお皿の手前にまとめて置いておくようにしよう。
 その他、洋食で気になるのが、デザートであるアイスのウエハース。ウエハースにアイスを付けて食べたり、スプーンのように使ったりする人もよく見かける。確かにウエハースとアイスを同時に食べると美味しく感じられるがこれもNG。正しい食べ方アイスクリームと交互に食べること。本来ウエハースは口の中が冷たくなりすぎないように防止してくれるものだ。食べかけのウエハースを置く時はかじった部分が相手に見えないように配慮しよう。

身につけておきたい和食の常識

 刺身に添えられた「ツマ」。食べる人、残す人別れることが多い。
 どちらが正しいか? 結論から言うと刺身のツマは「食べる」が正解。焼き魚に添えられたハジカミ(酢どりしょうが)と同じく、ツマは口直しのためにある。お刺身を全て食べ終えたら口の生臭さをととるためにツマを食べる。口の中をさっぱりさせてから別の料理に進むと、他の料理も美味しく感じられる。
 その他、刺身で気を付けるのはわさびを醤油に溶かさないこと。わさびの風味を味わうためにも、お刺身に少量ずつのせ醤油をつけて口に運ぶ。また、わさびを取り分ける時は直箸か、お店にお願いして新しい割り箸を一本もらってわけよう。やってはいけないのは、持つ部分をひっくり返して使う逆さ箸。マナー違反であるとともに、手で持つ部分はどこに触れているかわからないので清潔ではない。

 本書では食事以外にもお見舞い、贈答、弔辞などの常識、ビジネスの常識、言葉遣いの常識などさまざまな項目で書かれている。

 新入社員や若手のうちは多少、常識を知らなくても上司や取引先も優しく見守っていてくれるかもしれない。しかし、そんな日々も長くは続かないもの。いつまで経っても常識がないと思われないように本書をチェックしてみてはいかがだろうか。

文=舟崎泉美