セカオワ・Saoriもハマる! フォロワー数12万超“蒼井ブルー”のツイートが爆発的に人気! 【本人インタビュー】

文芸・カルチャー

更新日:2015/4/22

 蒼井ブルー氏を知っているだろうか? きゃりーぱみゅぱみゅなどのファッションアイコンを収めたスナップが話題を呼び、現在は本格的にフォトグラファーとして活動。独特のタッチで綴られるTwitter上での独り言が、ゆるくておかしくてじんわり泣けると、多くの反響を呼んでいる。今やフォロワー数は12万人超。3月には、その人気のツイートを厳選した初の書籍『僕の隣で勝手に幸せになってください』(KADOKAWA)が発売された。小松菜奈さんをモデルにした蒼井氏の撮り下ろし写真と書き下ろしエッセイが収録されている。

 蒼井氏のツイートに対し、セカオワ・Saoriさんは、「“ねぇ、見てこの言葉”と言いながら、その言葉を誰かの前で音読したくなる。きっと切なく笑うだろうな、と思う誰かの前で」とコメント。スピードワゴンの小沢一敬さん、モデルでイラストレーターの小鳥遊しほさん、Silent Sirenのすぅさんなど、さまざまな著名人がコメントを寄せている。

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 蒼井氏の言葉に触れると、言葉はこれほどまでも人の心を揺さぶり、救い、安心させるのかと思わされる。そんな蒼井氏の言葉の力を、『僕の隣で勝手に幸せになってください』でぜひ体感してほしい。

 ダ・ヴィンチニュースでは、書籍発売にあたり、蒼井ブルー氏にインタビューした。あえて言葉は削らず彼の言葉をそのまますべて掲載する。

――どんな人達にこの本を手にとってもらいたいですか? また何を一番伝えたいですか?

 正直に言っていいならどんな人たちにでも手に取ってもらいたいです(笑) いや、でも真面目な話、買ってくださった方の声に「書いた人のことは知らなかったけど読んでみたら意外とよくて買って帰った」的なものがあったりして、こういうのって作った側からするとめちゃくちゃうれしいんですね。だって、例えるなら「デートに誘われて、別に乗り気ではなかったけど暇だったし、まあいっか的に行ってみたら案外楽しくて、なんか自分でもよく分からないけど、最後の方『まだ帰りたくない』とか『また会いたい』とか思っちゃってたし、あたし。やだ、何この感じ、あたし」みたいな感じじゃないですか? それって誘った側からしたら「よっしゃー!」ってなるじゃないですか? いや、よく分からないですけど(笑) ただ、企画の段階で想定していた手に取っていただきたい層が20代前半くらいまでの女性だったのに対して、大人の皆さんや、あと男性からもありがたい声をたくさん頂いて、そういうのは本当にうれしく思っています。一言で言うと「読むと元気になれる本」を目指して作ったんですね。若い女性には一般的にくよくよしがちなイメージがあると思うのですが、平気な顔をしながらも実は大人だってくよくよしていますし、いつもバカっぽく見える男子たちだって内心うじうじしていたりしますし、僕なんか部屋の灯りを落として暗い曲を流して「ハー」みたいなの全然やってますからね(笑) いやまあ、僕のことは置いて、真面目に、どんな人たちにでも手に取ってもらいたいです。「ハー」を直接的に解決することはできませんが、「まあ、いっか」くらいにはなっていただけそうな気がしています。何を一番伝えたいか、に関しては、無責任に言ってしまっていいなら「大丈夫だよー」とか、もうそのくらいのことですね、熱量として。

――本のモデルに小松菜奈さんを選んだ理由を教えてください。

ファンすぎてつらかったからです。あんな人ほかにいません、大好き。

――蒼井さんが紡ぐ繊細かつ鋭利な言葉はどこから湧き出てくるのでしょうか?

 なんなんですかその質問は…そういうのってどう答えても恥ずかしい感じにしかならなくないですか……? いや、まあ何と言いますか、繊細と言うと妙なカッコよさがありますが、実際はうじうじしているだけなのでただただ恥ずかしいです。鋭利だと思ったこともありませんが、あるとすれば短文投稿のTwitterならではの感覚じゃないですかね。短文だと端的になりがちですし、切れ味とかじゃないにしても、スッと入ってくる感覚はブログなんかに比べるとあるかもしれないです。僕、自分のツイートをあとで見返すことが結構あって、これもうじうじから来ているものなんですけど、「何これつらい→助けて→誰も相手してくれない→ツイートを見返す」的な感じで。暗いですね(笑) なので、自分が見返している途中で面倒になってしまわない程度に分かりやすく、ということは意識しているかもしれません。

――蒼井さん自身、中でもおすすめしたい言葉はどこのページのどの部分でしょうか?

 自分でも好きなページはたくさんあって、もうイチイチ全部挙げていきたいくらいの勢いなのですが、ここでは一つだけ。42ページの3つ目にある「転ばない歩き方もいいけれど、起き上がり方ならもっと知りたい。気を付けて歩いたってどうせまた転ぶ。痛いのはこれが初めてじゃないし、また歩こうと思えるなら平気。転んで泣いてもうダメだって思って、ふてくされて寝そべっていたら空が青かったとか、そういうのがいい。砂を払おう、歩いて行ける。」

――並々ならぬ洞察力があおりだと思います。街を歩いている時に意識することや、人と接する時に大切にしていることを教えてください。
 フラれそうになるとすぐに分かるので、そういう意味では洞察力があるのかもしれません。すいません、ちょっとつらくなってきました。えっと、街中や周囲で起こる面白いできごとはメモアプリに取っておいたりします。印象に残った言葉なんかもそうですね。あと、うじうじした時も(笑)人と接する時に大切にしていることは、できるだけ話を聞くことです。普通ですね(笑) でも、これは本にも載せているのですが、人の話よりも面白いことって他にあまり無くないですか? 会いたい人たちに会えたらそれだけでうれしいけど、あとはもうどれだけ会話を交わしたか勝負みたいな。会えなかった間にどんなことがあったのか全部知りたいですね。メールやLINEなんかで何となくは聞いていたとしても、改めて聞きたいですね。文字では伝わりにくい「語り」の部分が人の話の醍醐味の一つだと思うので。表情とか、見ておきたいです。

――今後についてお聞かせください。フォトグラファーとして何を一番表現していきたいですか?

 僕にとって写真はごく日常的なことなので、与えられた仕事の範疇を超えるような大それた思いは特にありません。人の役に立てるよう淡々と記録していくだけです。あと、彼女ができたらきれいに撮ってあげたいと思ったりもしたのですが、面倒なのでやっぱりやめておきます。それに、スマホのインカメで撮った粗いものが実は最高の写真だったりするんですよね、誰かといると。

僕の隣で勝手に幸せになってください
蒼井ブルー/KADOKAWA
定価 1300円+税