檸檬ちゃんはNG! 『すてきな漢字に出あえる 赤ちゃんの名づけ事典』刊行
公開日:2015/4/20
年度始めの忙しさも一段落し、新生活がようやく本格的にスタート。挨拶や自己紹介の機会も増え、「名前」と向き合うことが多くなる方もいるではないだろうか?
近年、特異な当て字や、すぐには読み方が分からない名前などが、”キラキラネーム”と呼ばれ世の中の注目を集めている。同時にそういった報道をきっかけに、「自分の子にはちゃんとした名前をつけたい」というニーズも広がっているようだ。各出版社から”名づけ”をテーマにした書籍が刊行されているが、2015年4月17日(金)に発売された『すてきな漢字に出あえる 赤ちゃんの名づけ事典』(大修館書店)はその決定版と言えよう。現在、名づけに使える漢字2,998字すべてを収録した初めての「名づけ事典」だ。
さらに、名づけのチェックリストが用意されている。いわゆるキラキラネームは、深い考えもなくつけてしまったのだろうという見方もあるが、一概にそうとも言い切れない。実は考えすぎたり凝りすぎたりして、漢字や意味がおろそかになってしまった結果なのではないかと感じるところがある。しかし、いい名前は意味も含めた漢字のよさで決まるのではないだろうか。チェックリストを一部ご紹介しよう。
名づけに使えない字が入っていないか
「檸檬」はどちらの字も名づけに認められていない
「遼」は一点しんにょうの字は使えるが、二点しんにょうの字は使えない
漢字の意味はよいか
漢字の見た目(形)がよくても意味が名づけにふさわしいとは限らない
「曖」は「日+愛」だが、意味は「薄暗い」
「愁」は「秋+心」だが、意味は「悲しくて思いにしずむ」
漢字同士の組み合わせの意味がおかしくないか
漢字の組み合わせによって名づけにふさわしくない意味になることがある
和尚(かずひさ)→おしょう、僧
海月(みづき)→くらげ
音から名前にふさわしくないことばが連想されないか
近年使われるようになってきた名前や珍しい名前に、音にこだわったものがあるが、名前の音が別の言葉、意味を連想させることがあるので、国語辞典や古語辞典でも確認しよう
ゆな→湯女(昔、入浴客の世話をした女性)
すずな→菘(カブ)
やや→児・稚(赤ん坊)
ゆゆ→由々しい(忌まわしい)
難読になっていないか
「桜」を「お(←おう)」、「希」を「の(←のぞみ)」と読むなど、漢字の読みの一部をとって読ませる方法が近年増えているが、読みにくいと感じる人は少なくないようだ
愛桜(あいら)
奏和(かなと)
希愛(のあ)
璃空(りく)
蓮音(れおん)
美桜(みお)
また、2,998字すべてに漢和辞典に基づいた解説がつくなど、漢字とことばの意味に徹底してこだわっている。ページをめくるたびに新しい発見があり、すてきな漢字との出会いを手助けしてくれる一冊だ。もちろんプレゼントにも最適だが、自分の名前を調べるだけでも、読む価値があるのでは?
■『すてきな漢字に出あえる 赤ちゃんの名づけ事典』
著者:大修館書店編集部 編
出版社:大修館書店
価格:1,800円+税
発売日:2015年4月17日(金)
単行本:415ページ